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ネズラ1964の音楽 4

映画「ネズラ1964」、1月22日金曜日まで池袋HUMAXシネマズで上映中です。

秋葉原の「ネズラ展」は、1月24日日曜日まで開催中です。

緊急事態宣言下ではありますが、無理のない範囲でご参加下さい。

●タイトル音楽

今回はタイトル音楽について書きます。

これは主題歌「ネズラマーチ」(「ネズラ1964の音楽 1」を参照)の前奏部分を「怪獣のテーマ」として展開させたものです。As-G-Fisの半音3つの下降がモチーフになっており、それに対するバス声部がD-Dis-Eと反行形になっています。また「ネズラマーチ」で「小さな怪獣〜」と歌うB-B-A-B-Es-G-Bを変化させたA-A-Gis-A-Es-Gというモチーフが対旋律として出てきます。
全部で2分のうち、前半1分は4拍子、後半1分は3拍子で書かれています。
また、基本的に「ネズラ1964」のすべてのBGMは生演奏の六重奏(+打楽器アフレコ)のみで録音しましたが、このトラックのみ、ピアノの逆転再生音を付け加えています。これはアンサンブルとは別にピアノ部分のみの十数秒の素材をを別録音し、波形を逆転したものです。また後半ではトライアングルにもループディレイをかけています。
これらは生演奏ではない「テープ的処理」ではありますが、戦後すぐのミュジーク・コンクレートの時代から使われており、1960年代ではすでに一般化していた技法です。非現実的な特撮パートの映像にふさわしいように、この手のテープ処理音響を加えたのが、このトラックの特徴です。

なお、この音楽は映画冒頭のタイトルクレジット場面で使われるのですが、実際にはこのSoundCloudにアップロードしたサウンドトラックとは異なり、その部分の映像が切り替わるタイミングに合わせて、タイムストレッチでテンポを微妙に変化させています。タイムストレッチを使うと音質が極端に変化して、音楽だけで聴くと非常に目立つのですが、映画ではネズミの大群がチューチュー言いながら蠢く音が背後に鳴っているので、タイムストレッチさせてもほとんど音質劣化は気にならないと判断したので、そのようにしました。


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