くり返し観たくなる、深層心理迷宮の探偵物語 ID:INVADED
社内の読書会で舞城王太郎さんの「煙か土か食い物」が紹介されて、舞城王太郎 原作脚本アニメとして「龍の歯医者」の話題になり、「龍の歯医者」を観てみたのがキッカケです。ちなみに、「龍の歯医者」はスタジオカラ―の作品。
OP・EDの「僕らが旅に出る理由」(小沢健二)に懐かし驚いて、面白いのはスタジオカラ―の実力?、原作がよいから?が気になって、他の舞城王太郎作品を探して「ID:INVADED」に辿り着きました。
短期間で何度も観なおす作品
ID:INVADED を観はじめると、一気に最終話まで観てしまう不思議な魅力があります。ただ、1回の視聴では理解しきれない部分が多く、短期間で2回・3回と繰り返し観てしまう中毒性がありますね。
で、何度も観なおしていると、このシーンはこういう意味か!、このキャラクターの言動・行動はここに繋がっているのか!?と、見返す度に新しい発見があり面白いです。
連続殺人犯の深層心理を可視化して、名探偵として探索するという、現実世界ではありえないことが、さも当然のように語られて、全13話の中で丁寧に整合性をあわせている構成は「すごいなぁ~」の一言ですね。
視聴者が名探偵になる作品
視聴者は徐々に作品世界の情報を受け取り、受け取った情報が自然と繋がり、発見につながる作りが楽しいです。
井戸端スタッフメンバーは頻繁に登場していて、セリフも多いのに、プロフィールが不明すぎ。おそらく、これも名探偵の出番になっているもよう。
好きなシーン
FILE: 06 CIRCLED 17:45~20:50 円環列車のシーン
百貴が「この世界をこのまま眺めていたい」という、静かで穏やかなまま、同じ場所を回り続ける景色が井波と数田の関係性を表していてイイ。FILE 10 INSIDE-OUTED II 11:30~19:30 鳴瓢と本堂町がイドの中のイドで遭遇し、鳴瓢が現実に引き戻されるシーン
取り戻したかったすばらしい世界を、2年間 無理やり維持してきた鳴瓢が、現実ではないことを突き付けられ、大切な二人に別れを告げる切なさがたまらん。でも、ちゃんと伝えられてよかったね。
OP曲の「ミスターフェイクサー」も好き
OPのシンプルなメッセージウィンドウが大量に表示される演出も好きです。意図はわからんけど、円錐やドーナツが回転する映像が昔のCGサンプルプログラムっぽくて懐かしいです。
これから観たい作品
ID:INVADED のアフターストーリーが漫画化されているので、読んでみます。舞城王太郎さんの代表作「煙か土か食い物」も読んでみたいですねぇ。