Vol.1 「15分でわかる社会起業の一歩!地域社会人大学院開校レシピ」

2020年9月、「あなたの才能と能力は必ず他の誰かの役に立つ」と感じ、「誰でも講師、誰でも生徒」をコンセプトに、地元地域に根付くための社会人大学院を開校いたしました。

開校の目的は、すでに存在している元来の昔からある地縁社会だけではなく、それぞれの知識、経験の分け合いを通じた、新しいかたちでの地元の人と人とのつながりをつくりだすことです。

近所で身近に人とつながることができる地域コミュニティは日本全国、大袈裟に言えば、世界中のこれから迎える“超高齢化社会”における福祉、介護など我々が避けて通れない社会問題の解決プラットフォームになり得ます。

一人でも多くの方が、第二の故郷(生まれた土地という意味での故郷ではなく、社会に出てから長く生活を続けていて、愛着もあり今後も永く住み続けるであろう地域)で同じような活動の“最初のとっかかり”になれば幸せです。

1. どうやってつくろう?
1-1構想の段階(どんなカタチがいいのかな?)
〜最初の着想と構想レベルまで〜

(きっかけ)
はじめまして。野口たくやです。私は生まれ育った土地は別なのですが、現在東京都新宿区中井という街に妻の両親とともに生活しております。いわゆる“マスオさん”で子供が生まれてから約20年以上、この土地にお世話になっております。

子供たちが成長に大人になるにつれて、今まで子供とともに過ごしていた楽しかった時間は、否が応でも暇な時間となり(笑)、ついつい自分の頭で将来について考える時間も増えてきました。そういった中で、ぼんやりと自分の老後、人生のエンディングについても少しずつ意識をするようになりました。

(着想段階)
私は比較的、環境に恵まれた人生を歩ませていただいたこともあり、いわゆる貧困や虐待などといった社会の問題に関心をあまりもたないで過ごすことができました。また仕事においても多くのパパさんと一緒で、ビジネスマンとして利益、効率性といったものを貪欲に求め、最優先に過ごしていたかと思います。ただ同時に40歳を超えたあたりから、ぼんやりとではございますが、将来への漠然とした不安感(ふわっとした不安)を抱え、何かしなければという危機感も抱いておりました。

(社会起業塾等の検討について)
ここで具体的な学校名を記載してしまうと、私のおすすめになってしまうかもしれませんが、この学校自体を特別におすすめしませんし、他にもたくさん皆様が学べる方法はオンラインなども含め、多々あるかと思いますが、私はまず基本を学ぶために大前研一さんが創業した一新塾という社会起業学校に入学しました。

みなさまも学校などを選ぶ視点は経済面なども含め、様々だと思いますが、私がこの学校に決めたのは、実践のプロジェクトがあるという点でした。その他にも、私の周りには当時いなかった各地方自治体の首長さんのお話やNPO代表の方々の話などはとても参考になりました。

みなさまが、もし学校などで学ぶことを検討しているのであれば、自分のやりたい方向(体系的な一般的な知識なのか経験に即した実践的なものなのかなど)との親和性、代表の人柄や考え方などを踏まえて検討すると良いと思います。

しばしば〇〇スクールやセミナーなどであるのですが、セミナーを聞きにきた人が100人いるとすると、実際に行動をする方は10%以下、そしてその活動を継続できる人は3%以下というデータがあります。

ですので、個人的な意見としては、“学校に入学する”だけで満足してしまうのではなく、その学んだことをどのように実務で活用するのかを考えた上で、入学を決定した方が良いと思います(知識だけが溜まっていく方々はかなり多くいらっしゃいます)。
特に日本人は欧米の方などと比較するとその傾向が強く、「入学がゴール」がいまだに根付いていて、非常にもったいないと感じます。勉強する、事前に入念に調べることはとても大事なことであることは疑いがないのですが、同時に調べすぎると最初の一歩が遠くなるというマイナス点も発生します。時期を決めて、どこかでは発進することを決意しておくと良いのではないでしょうか。

1-2 具体的には(どうやればできるのか)

(ターゲット・ペルソナ化)
ペルソナという言葉はもはや一般化されておりますので、ご存知の方も多いかも知れませんが、確認のため、「そのサービスを受ける典型的なユーザー」のことです。

これは結構大事で、より具体的な“一人のひと”をイメージするといいです。通常は30代男性、ビジネスマン、家族持ちなど大雑把に捉えてしまうのですが、コツはより一人の具体的な、自分の近くにいる人を描写、イメージし、実際に数回のインタビューなどを行うことをお勧めします。

私の場合は、“知人男性で47歳、上落合在住3世代、お小遣いは月3万、タバコはやめろと言われているがなかなかやめられない。仕事場は京王線橋本まで電車で毎日通い、帰りに少しゆったりとした電車内の時間で、ひとり缶酎ハイをささやかに楽しむ会社員。趣味は昆虫採集で休みの日はふらっと急に出かけに行くこともある。将来に対して、ぼんやりとした不安もあり、何か自分でもチャレンジしたいがなかなかきっかけがない。もし機会があればボランティアにもできる範囲でやっても良いと思っている”というペルソナでした。

社会活動というと、例えば、貧困・差別・高齢者介護など概念的に大きくとらまえてしまい、そしてその結果、思った以上に壮大、複雑すぎて、最初の一歩が踏み出しにくくなり、その結果、「結局何もしない」が生まれがちです。

そこでまずは、自分でもできる、自分の知っている対象者へ具体的に何ができるか、そしてその対象者が何を求めていて、どのような考えを持っているのかを確実にとらまえることがKFS(成功への重要なポイント)です。

例えば、自分で立ち上げる社会活動には、1,000人の表面的な情報(例えば、インターネット検索で簡単に拾える2次情報)より、本人を通じて得た潜在的な1次情報からの“感覚に近い肌感情報”がとても活きてきます。したがって、そこには時間と手間を十分にかけて、ともにご飯を食べたり、オフな時間を過ごしながら本音を掴むことが必要です。“理屈”ではなく、“感情”で捉えるようなイメージかも知れません。

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次回続きは、1/10(月曜日)の配信予定です!


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