本気を妨げる安寧
安定した環境で過ごしていると、自分たちはつい本気になれないことが多くなるもの。「このままでも大丈夫なんじゃないか」「新しいことをやる必要はないんじゃないか」といった具合に、現状維持を肯定する囁きが増えていくもの。では、どうすれば本気になれるのか?もちろん週末に追い込まれる方法はありつつも、他にも色々とあるので三つを紹介していこう。
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本気になる一つ目は、本気で生きている人々から言葉をもらうこと。講演を聴くようなものは特に効果はなく、あなた自身の人生の目標や日々の取り組みを伝えた上で、彼らからコメントをもらうということが極めて有効。本気で生きている人たちからの視点を通して、自分がどれほど本気で取り組めていないかを痛感することができる。
例えば、「いつかオレンジに勝つミカンを作りたい」と願っているだけで何も行動に移していない人が、ミカンの研究開発からマーケティングまで日々全力で取り組んでいる人からコメントをもらえば、自分がいかに安住の地に甘んじているかに気付かされるように。
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本気になる二つ目は、期限を設定して公開すること。他人に言われた期限ではなく、自分の意思で決めた期限を持ち、それを世に伝えることが大切。自分たちは心の中であれしよう、これをしようと考えているだけでは、簡単に言い訳を作って物事のゴールを後に伸ばし、冬のコタツが如く心地良い場所から抜け出そうとしない。けれども公開すると針の筵になるので強制的に本気にならざるを得ない。
例えば、「オレンジの二倍甘いミカンを作るぞ!来年までに!」と期限を決めて公開すれば、栽培方法から品種の研究に至るまで、本気で取り組む姿勢が生まれていく。漠然と「いつか美味しいミカンを作りたいなぁ」と考えているだけでは、何も起こるはずもなく。
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本気になる三つ目は、自分の心が何を求めているのか経験と紐づけて言語化すること。単純に思い付いたあれやりたいこれやりたい、というのは根無し草で弱く、何か事ある毎に簡単に吹き飛んでしまう。けれども、自分の人生に紐づいた何かを持っていれば、気付けば常に本気で一貫性のある毎日が幕を開けるように。
例えば「美味しいミカンを作りたいなぁ」ではなく、「子供時代からミカンを作って、ミカンで笑顔になる人たちを見てきた自分だからこそ、ミカンの可能性を切り開きたい!」と過去と未来が一つの線で繋がっていれば、これからの人生でぶれずに甘えることなく突き進んでいくことに。
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自分たちは中々に本気になれないという事実。だからこそ様々な工夫を導入していこう。本気で生きる人から率直なコメントをもらい、期限を設定して公開して自らを追い込み、そして過去と未来を紐づけて心を奮い立たせていく、それらの手法がこれから安寧の地を抜け出したい皆様にとって、ヒントとなることを心から願っています。