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避けるべき論理の飛躍

 JAL航空機が大炎上。乗客は無事脱出。大惨事にも関わらず素晴らしい対応をされたJALの皆様には頭が上がらない。ただSNSを眺めていると「日本はまだまだ終わっちゃいない!」「日本には可能性がある!」といったコメントを見かけ、違和感を感じてしまったのでメモを残しておきたい。

※ちなみに自分は出張時はANAを中心で移動しており、JALの株を上げるために記載しているわけではない。

 一つ目に、日本全体の航空会社が凄いのではなく、JALが凄い。全く同じ状況が起こった時に、日本に存在する航空会社全てが全く同水準で危機対応をできるか否かは残念ながら分からない。

 かつて日航機は墜落した。日航ジャンボ機墜落事故とも呼ばれ、世界最悪の航空事故と言われる。そのことを教訓に危機対応を他の会社よりも優先して取り組む企業となっていたのかもしれない。

 二つ目に、JALの輝かしい対応が日本の未来を約束しているわけではない。今回の機会をきっかけに、JAL危機対応研修やマニュアルが他の航空会社や世界に対して導入されるかもしれない。ただ残念ながら、日本全体には特に何のインパクトもない。

 円安が円高に戻るだろうか。縮小しつつある経済を元に戻せるだろうか。山積の社会課題が解決して、戦後日本のような活気を取り戻せるだろうか。もちろん、今回の件は微塵も影響を及ばさない。

 自分も日本が大好きだ。けれども一件の飛行機事故対応から日本の未来を礼賛するのは流石に飛躍があり過ぎる。日本を応援したい、日本を愛する気持ちを持ちつつも、落ち着いて物事を見定めていこう。

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