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相手を口説く三ステップ

 アイデアをカタチにする旅路では、仲間を集めてチームを組むことが不可欠。その中で「どうやって相手を口説けばいいのかわからない」という相談をよく受けるので、今回は、相手を口説くための三ステップを簡潔に紹介していこう。

 相手を口説く一つ目のステップは、アイデアに取り組むべき理由を伝えること。ただアイデアを伝えるだけでは、人は「へ~、そういう挑戦をするんだ」と流してしまいがち。人は共感できる理由がないと、時間やリソースを投資しようと思わず、他人事になりやすいもの。だからこそ、アイデアの背景やその意義をしっかりと説明することが大切。

 例えば、ミカンを使った石鹸作りのアイデアを相手に伝える際には、「なぜこの石鹸を作るべきか」という理由を共有すること。「地球に優しい石鹸が求められている」「自然由来の製品を求めるお母さんたちがいる」「地域の特産品を活用して地域経済を活性化したい」などを紹介することで、相手の共感へと繋がっていく。

 相手を口説く二つ目のステップは、アイデア実現に不足しているものを伝えること。アイデアに共感してもらえたとしても、「いいね!頑張って!」で終わってしまうことが多々ある。そこで次に必要なのは、アイデアの実現に何が足りていないのか、現状でどの部分が難しいのかを具体的に伝えることが大切。

 例えば、ミカン石鹸の試作品が地域のお母さんたちには好評でも、都市部のターゲット層への届け方が分からない、といった風にリアルな課題を伝えていく。そうやって現状のチームでは不足していることが多々あり、新しいメンバーが必要だと相手に理解してもらうことへと繋がっていく。

 相手を口説く三つ目のステップは、相手の必要性を明確に伝えること。アイデアに取り組むべき理由に共感し、チームとして抱える課題を理解してもらったとしても、人は自分が本当に必要とされていると感じない限り、明確な行動に移し辛いもの。だからこそ、「あなたこそチームに不可欠!」というメッセージを明確に伝えることが大切。

 例えば、「ミカン石鹸を都市部に届けるためには、消費財メーカーでのマーケティング経験を持つあなたがどうしても必要なんです!」といった風に、相手のスキルや経験がアイデア実現に貢献すると具体的に伝えていく。こうすることで、相手も自分が本当に必要とされていると感じ、チームへの参加を真剣に考えてもらうことへと繋がっていく。

 相手を口説き落とすには、アイデアの背景に共感してもらい、チームの課題を理解してもらい、解決には相手こそが唯一無二の存在であると感じてもらう三ステップが重要になる。これから仲間集めに動く皆様の一助となりますように。

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