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測るべき課題の大きさ

「困っている人がいるからこそ、これを作りたいんです!」そんなピッチを耳にすることに。けれども耳を澄ましてアイデアを聞いていると、そもそも解決しようとしているお困り事が、あまりに小さいという事実に直面することに。

 アイデアをカタチにしたいと願う時は、課題(痛み)が大きいことが欠かせない。では、課題が大きいとはいったいどういう意味なのかを今回はできる限り簡単に説明していこう。

 一つ目の課題の要素は、その強さ。その課題を消し去るために対価をどれだけ払えるかといった風に考えると分かりやすい。例えば花粉症で不眠に悩まされている人が、「この無限の鼻水を何とかして、眠れるようになりたい!」と強く感じる場合、課題解決に対して1,000円でも余裕で払ってしまう。けれども逆に、「喉が渇いたなぁ」と暑い日になんとなく感じる場合、課題解決に対して100円ぐらいしか払わない。

 二つ目の課題の要素は、その頻度。その課題が、ある一定期間内にどれだけ繰り返されるのかといった風に考えると分かりやすい。例えば花粉症では、くしゃみ、涙、微熱、鼻水が毎日、朝起きてから夜眠るまでの間に断続的に100日ほど繰り返される。けれども逆に、「お正月用の鏡餅が手に入り辛いなぁ」と年末になんとなく感じる場合、たった一度だけ。

 三つ目の課題の要素は、その人数。その課題が、世の中のいったいどれだけの人が持っているのかといった風に考えると分かりやすい。例えば花粉症では、日本では3,000万人ほどが苦しめられているという。けれども逆に、美味しい鏡餅を手に入れるべく奔走する人は、現代となっては僅か。



 大きな課題とは、この三つの要素を見事に満たす負の感情。その課題を消し去るために対価を支払う気持ちが強くあり、その課題が頻繁に繰り返され、その課題を持っている人が世の中に数多いる状況。

 この三つを掛け合わせると、課題の大きさ、言い換えるとビジネスチャンスの大きさを算定することができる。例えば花粉症では、症状を消すために支払える金額(約100円/日)×粉症が繰り返される頻度(約100日)×粉症を持つ日本人(約3,000万人)=約3,000億といった具合に。

 課題の強さ、課題の頻度、課題の人数、この三つの要素を忘れず、課題解決を成し遂げるアイデアをカタチにしていこう。

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