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課題の方向性を明らかに
アイデアをカタチにするうえで欠かせないインタビュー。けれども、実際にインタビューをする際、「何を、どの順番で聞けばいいのか?」と迷うことも多い。そこで今回は、顧客の課題が明確でない状況において、どのような問いを立てればよいのか、ミカン育成を例えに用いつつ、その骨子を紹介していこう。
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一つ目は現状の把握。まずは相手の現状を正しく理解すること。いま何が起きているのか、どんな取り組みがされているのかを確認するフェーズ。例えば
・現在、和歌山のミカン育成の現場はどんな状況ですか?
・他都道府県のミカンと比較したとき、どんな特徴がありますか?
・ミカン育成を良くするために、現在どんな取り組みをしていますか?
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二つ目は課題の把握。相手が抱えている課題を明確にすること。何に対して困っているのか、その原因はどこにあるのかを深掘りしていくフェーズ。例えば
・ミカン育成を進めるうえで、直面している課題は何ですか?
・その課題が生じる背景には、どのような要因がありますか?
・これまでにどのような対策を講じましたか?その結果はどうでしたか?
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三つ目は解決策の把握。相手が解決に向けて動こうとしている優先課題、そして今後の取り組み、ハードルについて確認するフェーズ。例えば
・課題の中で、特に優先的に解決したいものを三つ挙げるとしたら?
・今後、新たに導入を予定・検討している取り組みはありますか?
・課題解決を進めるうえで、予算やリソース面での制約はありますか?
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これらの骨子を踏まえつつ、インタビューで最も重要なのは オープンクエスチョンに徹すること。顧客の課題が明確でない段階では、決して自分の考える解決策(製品やサービス)を提示しないこと。答えを誘導せず、相手の本当の課題を引き出すことが何よりも大切。
相手が求めているのは、困りごとの解消か、願いの実現のどちらか。どんな解決策(製品やサービス)であれ、相手にとって重要なのは「解決すること」そのものであり、手段にはこだわらない。むしろ、最初から提案してしまうと、本当の課題や願いを正しく掴めなくなる。この現実を忘れず、まずは徹底的に相手の話を聞くことに集中しよう。
No Talk, All Action!!!