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革新を生む極端な思考法
アイデアを発想する手法には様々ある。未来から逆算して考えることもあれば、人が持つ信念や偏愛から生み出すことも。そんな数ある手法の中の一つである「極端な思考法」の解説を進めていこう。
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一つ目の切り口は、極端な課題を考えること。アイデアとは何か?それは人の課題を解決するもの。けれども単純に「困ったなぁ」と思うものを相手にしていては革新的なものは浮かび辛い。そこで極端な課題設定をすることが打破の一手になる。
例えば、「雪路面が凍結して足元が滑ることを何とかしたい!」という課題に直面した際に、極端な方向に振り切る。「氷の上をどんな靴でも自由に走り回りたい!」といった具合に。
そうすることで、「滑らないようにどんな設計をすべきか?」という当たり前の方向性を抜け出し、「氷の上を自由に走り回るには?」といった全く違う切り口からのアイデアが登場する可能性がある。
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二つ目の切り口は、極端な解決策を考えること。アイデアとは何か?それは課題に対する解決策。けれども単純に「こんな機能があれば課題解決できるかも」と発想していては、ありきたりな機能ばかりが連想されてしまう。そこで極端な目標に掲げることが打破の一手になる。
例えば、新しい布団を開発しようと思った時、単純に競合他社よりも保温性に優れることを目指すのではなく「これまでの布団に比べて100倍温かいものは作れないか?」と目標を飛躍させて問いかける。
そうすることで、これまでは導入されていない未知の素材を導入してみたり、そもそも布団の形を変えてしまったり、機械仕掛けにしてしまったりと、全く違う切り口からのアイデアが登場する可能性がある。
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三つ目の切り口は、極端なマネタイズを考えること。これまで通りのビジネスを前提にするとありきたりなアイデアに落ち着きがち。そこで極端なマネタイズ、極端な売上を目標に掲げることが打破の一手になる。
例えば、チョコ会社が新しい商品を開発しようと思った時、競合他社に勝つことや過去の自社商品の突破を目指すのではなく「これまでの100倍売り上げの立つチョコは作れないか?」と問いかける。
そうすることで、単純に美味しいチョコを考案することから抜け出し、高級チョコとお酒のマリアージュのサブスクを始めてみたり、夢見る子供向けに食べられるチョコの家を3Dプリンターで作って誕生日ギフトとして販売するとか、既存のチョコ製造から逸脱したアイデアが登場する可能性がある。
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ありきたりを超え革新的なアイデアを生み出すためには「極端に」考えることが一助となる。極端な課題設定をしてみよう。極端な価値を持つ解決策を考えてみよう。極端な売上のマネタイズを果たせるものを考えてみよう。