#4 プロのレーシングドライバーが考える同乗者に「運転が上手くなったね」と言われる運転操作
今回は、運転に関してお話ししたいと思います。
サーキットを速く走る=危ない運転と想像する方も多いと思いますが、車の扱い(正しい運転)ができなければサーキットを安全に速く走ることはできません。
車を正しく扱えてなくて乱暴な運転をする人でも、サーキットでは速く走れることがあるかもしれませんが、それは偶然その1周だけ速く走れただけで再現性もありませんし、必ずクラッシュを経験すると思います。
これからお話しする話は、一般道を基準に「運転が上手くなったね」と言われるお話しですが、結果的に運転が上手いということは車を正しく扱えているわけで、車を正しく扱えるということは安全にスポーツドライビングを楽しめるということに繋がります。
プロのレーシングドライバーは、車の正しい操作を理解し、その車やタイヤにあった限界を見極めて走るので、安全にサーキットを全開で走る事ができるのです。
車の操作は非常にシンプルで
・アクセスを踏んで「走る」
・ブレーキを踏んで「止まる」
・ハンドルを切って「曲がる」
この3つです。
この3つの操作に対して、車の動きを考えながら運転しているのか、何も考えずに運転しているのとでは大きな差があります。
例えば、車が箱だと思ってほしいです。その箱にボールを入れた時にそのボールはどう動くだろうか?
アクセルを踏めばボールは下方向に動き、ブレーキを踏めば前方向に動きます。
ハンドルを左右に切ればボールが左右に動きます。
これは、皆さんも理解できると思います。
ここで、重要なのはこのボールを動かすのは人間(運転手)という事になります。
急がつく操作をすれば箱に乗っているボールが短い時間で壁に強く当たります。丁寧に操作すればゆっくりとボールが動き優しく壁に当たります。
ボールの転がり方=運転手の操作です。
一般道では、このボールをいかに丁寧に転がし壁に当てられるのかで、運転が上手いと思われるのか下手と思われるのかが決まります。
左右の動きも一緒です。
ハンドルを急に切れば、ボールが短い時間で壁にドンと強く当たると思いますが、ゆっくり丁寧にハンドルを切る事ができればゆっくりとボールが動き優しく壁に当たると思います。
箱にボールが乗っているのをイメージできる人は、間違いなく丁寧な運転ができるようになり「運転が上手くなったね」と言われるようになると思います。
まずは、ボールの縦(ブレーキ、アクセル)の動きと、横(ハンドル)の動きを考えながら車の運転をしてみましょう。