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きょうの金匱要略 1/26 婦人產後病脈證治 第二十一(2)

師曰 產婦腹痛 法當以枳實芍藥散 假令不愈者 此為腹中有乾血著臍下
(師の曰く、產婦の腹痛には、法當に枳實芍藥散を以てすべし。假令ば愈えざる者は、此を腹中乾血有りて臍下に著くと為す)
宜下瘀血湯主之 亦主經水不利
(下瘀血湯に宜しく、之を主る。亦た經水不利を主る)
下瘀血湯方
大黃二兩
桃仁二十枚
䗪虫二十枚 熬 去足
右三味 末之 煉蜜和為四丸 以酒一升 煎一丸 取八合 頓服之
新血下如豚肝

※前段の枳実芍薬散では「產後腹痛」だったのが、ここでは「産婦腹痛」となっており、その違いに議論があるようです。
※大塚先生が、子宮筋腫の患者さんに下瘀血湯を使用したら、出血と血尿が止まらず、途中で服用をストップしたという症例を挙げられています。䗪虫は瘀血を流す作用が強いようです。
※乾血 瘀血とされていますが、胎盤組織の遺残ではないかという説もあります。

產後七八日 無太陽證 少腹堅痛 此惡露不盡
(產後七八日、太陽の證なく、少腹堅く痛むは、此れ惡露盡きざるなり)
大便煩躁發熱 切脈微實 再倍發熱
(大便煩躁發熱 切脈微實 再倍發熱)
日晡時煩躁者 不食 食則讝語 至夜即愈 宜大承氣湯主之
(日晡時煩躁する者は食せず、食すれば則ち讝語し、夜に至って即ち愈ゆ。大承氣湯に宜し。之を主る)
熱在裏 結在膀胱也
(熱裏にあり、結んで膀胱に在るなり)

※熱在裏 結在膀胱也 大塚先生はこの後に、「桃核承気湯主之」を入れると意味が良く通るようになると解説されています。瘀血の場合は桃核承気湯を用い、陽明の胃実の場合は大承気湯を用いるとしています。

產後風 續之數十日不解 頭微痛 惡寒 時時有熱
(產後の風、之に續きて數十日解せず、頭微しく痛み、惡寒し、時時熱あり)
心下悶 乾嘔汗出 雖久陽旦證續在耳 可與陽旦湯
(心下悶え、乾嘔汗出づ、久しと雖も陽旦の證續いて在るのみ。陽旦湯を与うべし)

※陽旦 桂枝のこと。陽旦湯は桂枝湯の別名。

產後中風 發熱 面正赤 喘而頭痛 竹葉湯主之
(產後の中風、發熱、面正赤、喘して頭痛するは、竹葉湯之を主る)
竹葉湯方
竹葉一杷
葛根三兩
防風一兩
桔梗 桂枝 人參 甘草各一兩
附子一枚 炮
大棗十五枚
生姜五兩
右十味 以水一斗 煮取二升半 分溫三服 溫覆使汗出
頸項強 用大附子一枚 破之如豆大 煎藥揚去沫 嘔者加半夏半升洗
(頸項強ばるには、大附子一枚、之を破りて豆大の如きを用い、藥を煎じて揚げて沫を去る。 嘔する者には半夏半升を洗って加う)

※面正赤 『傷寒論』の二陽の併病、「面色縁々正赤の者」の正赤ではなく、当帰四逆加呉茱萸生姜湯の、下半身が厥冷して、陽気が上にのぼって面が赤くなっているのと同じ正赤である、と大塚先生は解説されています。


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