きょうの金匱要略 12/4 黃疸病脈證并治 第十五(3)
黃疸之病 當以十八日為期 治之十日以上瘥
(黃疸の病は、當に十八日を以て期と為すべし。之を治すること十日以上にて瘥ゆ)
反劇為難治
(反って劇しきは治し難しと為す)
疸而渴者 其疸難治 疸而不渴者 其疸可治
(疸にして渴する者は、其の疸治し難し。疸にして渴せざる者は、其の疸治すべし)
發於陰部 其人必嘔 陽部 其人振寒而發熱也
(陰部に發すれば其の人必ず嘔す。陽部は其の人振寒して發熱するなり)
穀疸之為病 寒熱不食 食即頭眩 心胸不安 久久發黃 為穀疸 茵陳蒿湯主之
(穀疸の病たる、寒熱食せず、食すれば即ち頭眩し、心胸安からず、久久として黃を發するを穀疸となす。)
茵陳蒿湯方
茵陳蒿六兩
梔子十四枚
大黃二兩
右三味 以水一斗 先煮茵陳 減六升 內三味 煮取三升 去滓 分溫三服
小便當利 尿如皂角汁狀 色正赤 一宿腹減 黃從小便去也
※茵陳蒿 日本ではヨモギの花のつぼみ。中国では幼苗も用いる。肝障害改善、抗炎症、解熱、利尿、抗真菌作用などが報告されている。古来より黄疸に対して用いられる。
黃家 日晡所發熱 而反惡寒 此為女勞得之
(黃家、日晡所、發熱し、而して反って惡寒するは、此れ女勞に之を得たりと為す)
膀胱急少腹滿 身盡黃 額上黑 足下熱
(膀胱急に少腹滿し、身盡く黃に、額上黑く、足下熱す)
因作黑疸 其腹脹如水狀 大便必黑 時溏 此女勞之病 非水也
(因って黑疸を作る。其の腹脹って、水の狀の如く、大便必ず黑く、時に溏す。此れ女勞の病、水に非ざるなり)
腹滿者難治 消石礬散主之
(腹滿の者は治し難し)
※日晡所 日暮れ、夕方
消石礬散方
消石 礬石 燒 等分
右二味 為末 以大麥粥汁和服方寸匕 日三服
病隨大小便去 小便正黃 大便正黑 是候也
※大塚先生は、ネフローゼ症候群に茵陳蒿湯を用いたそうです。中神琴渓先生は子宮出血に用いて効果があったと書き残しています。