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きょうの難経 十四難(3) 2021/10/21
急に気温が下がってきましたが、十四難も3回目。一番の難所ですが、気持ちを強く持って挑んでまいりましょう。
今回は呼吸と脈の関係とその病態についてです。
脈有一呼再至 一吸再至
有一呼三至 一吸三至
有一呼四至 一吸四至
有一呼五至 一吸五至
有一呼六至 一吸六至
有一呼一至 一吸一至
有再呼一至 再吸一至
有呼吸再至
脈來如此 何以別知其病也
呼吸とその間の脈の関係について問いが立てられていますが、そもそもこの呼吸が術者の呼吸なのか、患者の呼吸なのか。病態によっても呼吸の速度や間隔は変化するので、「術者の呼吸」とした方が基準ははっきりしそうですが、結論は出ていないようです。
現代医学の呼吸、脈拍の平常値としては、以下の通りです。
呼吸数:12〜18/分
脈拍数:60〜100/分
P/B値:3〜9 ※脈拍数/呼吸数
以下、P/B値を基準にしてみていくと整理しやすくなります。
然
脈來
一呼再至 一吸再至 不大不小曰平 (P/B:4)
一呼三至 一吸三至 為適得病 前大後小 即頭痛目眩
前小後大 即胸滿短氣 (P/B:6)
一呼四至 一吸四至 病欲甚 脈洪大者 苦煩滿
沈細者 胸中痛 滑者傷熱 濇者中霧露 (P/B:8)
一呼五至 一吸五至 其人當困 沈細夜加 浮大晝加
不大不小 雖困可治 其有大小者為難治 (P/B:10)
一呼六至 一吸六至 為死脈也 沈細夜死 浮大晝死 (P/B:12)
一呼一至 一吸一至 名曰損 人雖能行 猶當著床
所以然者 血氣皆不足故也 (P/B:2)
再呼一至 呼吸再至 名曰無魂 無魂者當死也
人雖能行 名曰行尸 (P/B:1)
P/B 4〜8ぐらいまでは、症状は出ていますが許容範囲と言ったところでしょうか。(もちろん、治療の対象になるのですが)
一呼再至 一吸再至 (P/B:4)
一呼三至 一吸三至 (P/B:6) 頭痛目眩/胸滿短氣
一呼四至 一吸四至 (P/B:8) 苦煩滿/胸中痛
P/B 10以上と、2以下はかなりの重症といえそうです。
一呼五至 一吸五至 (P/B:10) 當困
一呼六至 一吸六至 (P/B:12) 死脈也
一呼一至 一吸一至 (P/B:2) 血氣皆不足
再呼一至 呼吸再至 (P/B:1) 無魂(行尸)
全体にボリュームのある部分ですが、「P/B値」を補助線として入れてみると整理しやすくなるように思います。
その上で、もう一つの補助線、「脈の陰陽」で病症が分かれていることに注意しましょう。
例えば、「一呼三至 一吸三至」ですが、脈が「前大後小」、つまり寸部(陽)が大で、尺部(陰)が小だと「頭痛目眩」といった頭部症状が、脈が「前小後大」、つまり寸部(陽)が小で、尺部(陰)が大だと「胸滿短氣」の胸部症状が出る、としています。
単純化すれば、脈が陽実なのか、陰実なのかで症状が分かれています。
以降の部分もその観点で整理してみてください。
長くなってしまいましたが、十四難の理解の一助になれば幸いです。