きょうの金匱要略 2/9 婦人雜病脈證并治 第二十二(5)
帶下經水不利 少腹滿痛 經一月再見者 土瓜根散主之
(帶下、經水利せず、少腹滿痛し、經一月再見する者は、土瓜根散之を主る)
土瓜根散方
土瓜根 芍藥 桂枝 䗪虫各三分
右四味 杵為散 酒服方寸匕 日三服
※土瓜根 カラスウリの根。
※抵当丸の証の一歩手前の状態に用いる。子宮脱に用いることもあるとか。
寸口脈弦而大 弦則為減 大則為芤 減則為寒 芤則為虛 寒虛相搏 此名曰革
(寸口の脈、弦にして大、弦は則ち減となし、大は則ち芤となし、減は則ち寒となし、芤は則ち虛となす。寒虛相搏つ、此を名づけて革という)
婦人則半產漏下 旋覆花湯主之
(婦人は則ち半產漏下す。旋覆花湯之を主る)
旋覆花湯方
旋覆花三兩
葱十四莖
新絳少許
右三味 以水三升 煮取一升 頓服之
※新絳は解釈に所説あるようです。アカネソウという説や、赤く染めた絹など。
※「革の脈」 易経に「沢火革 ☱上☲下」の卦があります。まさに、☱は一陽が減って陰になった状態(減)、☲は内部が虚ろな状態(芤)なので、「革」の字を当てるのももっともと思いました。
婦人陷經 漏下 黑不解 膠姜湯主之
(婦人、陷經、 漏下、黑く解せざるは膠姜湯之を主る)
婦人少腹滿如敦狀 小便微難而不渴
(婦人少腹滿、敦狀の如く、小便微しく難くして渴せず)
生後者 此為水與血俱結在血室也 大黃甘遂湯主之
(生後の者は、此れ水と血と俱に結んで血室に在りと爲す也。大黃甘遂湯之を主る)
大黃甘遂湯方
大黃四兩
甘遂二兩
阿膠二兩
右三味 以水三升 煮取一升 頓服之 其血當下
※敦狀 お椀状に膨らんだ状態
※生後 ①病気が生じたあと ②出産のあと ③育児経験がある の複数の解釈があります
婦人經水不利下 抵党湯主之
(婦人經水利下せざるは、抵党湯之を主る)
抵党湯方
水蛭三十箇 熬
蝱虫三十枚 熬 去趐足
桃仁二十箇 去皮尖
大黃三兩 酒浸
右四味 為末 以水五升 煮取三升 去滓 溫服一升
※瘀血を下す強烈な作用がありますが、ヒル(水蛭)にアブ(蝱虫)なのできついものがあるかもしれません。
婦人經水閉不利 藏堅癖不止 中有乾血 下白物 礬石丸主之
(婦人經水閉じて利せず、藏堅癖止まず、中に乾血ありて白物を下すは、礬石丸之を主る)
礬石丸方
礬石三分 燒
杏仁一分
右二味 末之 煉蜜和丸棗核大 內藏中 劇者再內之
※座薬として用いるそうです