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きょうの金匱要略 1/15 趺蹶手指臂腫轉筋陰狐疝蚘蟲病證治 第十九(2)

問曰 病腹痛有虫 其脈何以別之
(問うて曰く、腹痛を病むに虫あり、其の脈何を以って之を別つや)
師曰 腹中痛 其脈當沈若弦 反洪大 故有蚘蟲
(師の曰く、腹中痛むは其の脈當に沈若しくは弦なるべきに、反って洪大、故に蚘蟲あり)
蚘蟲之為病 令人吐涎 心痛發作有時
(蚘蟲の病たる、人をして涎を吐せしめ、心痛に發作時あり)
毒藥不止 甘草粉蜜湯主之
(毒藥にて止まざるは、甘草粉蜜湯之を主る)

甘草粉蜜湯方
甘草二兩
粉一兩重
蜜四兩
右三味 以水三升 先煮甘草 取二升
去滓 內粉蜜 攪令和 煎如薄粥 溫服一升 差即止

※腹痛があるときに、それが蛔虫によるものか、その他のものであるかを判別するのに脈を診ればわかる、としています。
※粉は米粉という意見と、鉛の粉末、という意見があるようです。

蚘厥者 當吐蚘 令病者靜而復時煩
(蚘厥の者は當に蚘を吐すべし。病者をして靜かにして復時に煩せしむ)
此為藏寒 蚘上入膈 故煩
(此れ藏寒え、蚘上って膈に入ると為す。 故に煩し、)
須臾復止 得食而嘔 又煩者 蚘聞食臭出 其人當自吐蚘
(須臾にして復た止み、食を得て而して嘔し、又煩する者は、蚘食臭を聞いて出づ。 其の人當に自ずから蚘を吐すべし。)

蚘厥者 烏梅丸主之
鳥梅丸方
烏梅三百箇
細辛六兩
乾姜十兩
黃連一斤
當歸四兩
附子六兩 炮
川椒四兩
去汁 桂枝六兩
人參 黃蘗各六兩

右十味 異搗篩 合治之 以苦酒漬烏梅一宿
(右十味、異にして搗き篩い、合わせて之を治め、苦酒を以て烏梅を漬けること一宿)
去核 蒸之五升米下 飯熟擣成泥 和藥令相得 內臼中
(核を去り、之を五升米の下で蒸し、飯熟すれば擣きて泥と成し、藥を和して相得せしめ、臼中に内れ、)
與蜜杵二千下 丸如梧子大 先食飲服十丸
(蜜と与に杵くこと二千下、丸ずること梧子大の如くし、食に先立ちて十丸を飲服す)
日三服 稍加至二十丸 禁生冷潰臭等食
(日に三服す。稍加えて二十丸に至る。生冷潰臭等の食を禁ず)

※附子や乾姜の熱薬と、黄連や黄檗などの冷薬が一緒になっているところが、処方の奥深いところだという話がありました。
※烏梅丸は酸っぱくてかなり飲みにくいそうです。

※症例として、「蛋白漏出性腸症に対する烏梅圓の使用経験とその方意について」をご紹介頂きました。シェーグレン症候群、腸管アミロイドーシスに対して著効が見られた症例です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/53/3/53_3_229/_pdf


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