きょうの金匱要略 12/2 黃疸病脈證并治 第十五(2)
陽明病脈遲者 食難用飽 飽則發煩 頭痃 小便必難
(陽明病、脈遲の者は、食するに飽を用い難く、飽すれば則ち煩を發し、頭痃し、小便必ず難し)
此欲作穀疸
(此れ穀疸を作さんと欲す)
雖下之 腹滿如故
(之を下すと雖も、腹滿故の如し)
所以然者 脈遲故也
(然る所以の者は、脈遲なるが故なり)
※穀疸は茵蔯蒿湯の証であることが多いそうです。
夫病酒黃疸 必小便不利 其候心中熱 足下熱 是其證也
(夫れ酒黃疸を病めば、必ず小便利せず、其の候、心中熱し、足下熱す。是れ其の證なり)
酒黃疸者 或無熱 靖言了 腹滿欲吐 鼻燥
(酒黃疸の者は、或は熱無く、靖言了、腹滿して吐せんと欲し、鼻燥く)
其脈浮者先吐之 沈弦者先下之
(其の脈浮なる者は先ず之を吐せ、沈弦なる者は先ず之を下せ)
※靖言了は落ち着いてはっきりものをいう事
酒疸心中熱欲吐者 吐之愈
(酒疸、心中熱して吐せんと欲する者は、之を吐すれば愈ゆ)
酒疸下之 久久為黑疸
(酒疸、之を下し、久久にして黑疸となる)
目青面黑 心中如噉蒜虀狀 大便正黑
(目青く、面黑く、心中蒜虀を噉うの狀の如く、大便正に黑し)
皮膚爪之不仁 其脈浮弱 雖黑微黃 故知之
(皮膚之を爪けば不仁す。其の脈浮弱、黑しと雖も微黃、故に之を知る)
※蒜虀(さんせい) のびるなどの和え物
※皮膚爪之不仁 爪でひっかいても知覚がはっきりしない(知覚鈍麻)
師曰 病黃疸 發熱煩喘 胸滿口燥者 以病發時 火劫其汗 兩熱所得
(師の曰く、黃疸を病み、發熱煩喘し、胸滿して口燥く者は、病の發する時を以て、火にて其の汗を劫し、兩熱にて得る所)
然黃家所得 從濕得之 一身盡發熱 面黃肚熱
(然れども黃家得る所は濕より之を得。一身ことごとく發熱し、面黃に肚熱す)
熱在裏當下之
(熱裏に在るは當に之を下すべし)
脈沈 渴欲飲水 小便不利者 皆發黃
(脈沈にして、渴して水を飲まんと欲し、小便利せざる者は、皆黃を發す)
腹滿 舌痿黃 燥不得睡 屬黃家
(腹滿ち、舌痿黃、燥して睡るを得ざるは黃家に屬す)