きょうの金匱要略 1/15 婦人妊娠病脈證并治 第二十(1)
脈證三條 方八首
師曰 婦人得平脈 陰脈小弱 其人渴 不能食 無寒熱 名妊娠 桂枝湯主之
(師曰く、婦人平脈を得て、陰脈小弱、其の人渴して食する能わず、寒熱無きは妊娠と名づく。桂枝湯之を主る)
於法六十日當有此證 設有醫治逆者 却一月加吐下者 則絕之
(法に於て六十日、當に此の證有るべし。設し醫治逆らう者ありて、却って一月吐下を加える者は、則ち之を絕つ)
※妊娠 大塚先生はこれを悪阻(つわり)だろうとしています。桂枝湯をよく用いられたそうです。
婦人宿有癥病 經斷未及三月 而得漏下不止 胎動在臍上者 為癥痼害妊娠
(婦人、宿癥病あり、經斷ちて未だ三月に及ばず、而も漏下を得て止まず、胎動きて臍上に在る者は癥痼妊娠を害すと為す)
六月動者 前三月經水利時胎
(六月にして動く者は、前三月經水利するの時の胎なり)
下血者 後斷三月衃也
(血下る者は、斷ちて後三月の衃なり)
所以血不止者 其癥不去故也
(血止まざる所以の者は、其の癥去らざるが故なり)
當下其癥,桂枝茯苓丸主之
(當に其の癥を下すべし。桂枝茯苓丸之を主る)
※癥病 子宮筋腫のような腹部のかたまり
※衃 瘀血のこと
桂枝茯苓丸方
桂枝 茯苓 牡丹去心
桃仁去皮 尖 熬
芍藥各等分
右五味 末之 煉蜜和丸如兔屎大 每日食前服一丸 不知 加至三丸
※大塚先生は子宮筋腫や卵巣のう腫に桂枝茯苓丸をよく用いたそうです。薏苡仁や土別甲(すっぽんの甲羅)を入れる加減法もあるとのこと。