海辺の街とイギリス(page9.)
どこに進めばいいか分からず
もがいていた
そんな時、イギリスに
従姉妹と旅行に行くことになった
従姉妹は同じ歳で
小さい頃は姉妹のように育った
母方の祖父母の家は
海辺の街だったので
夏休みは毎日海で泳いで過ごした
唯一、息が楽にできる場所だった
阪神淡路大震災の時
その場所は無くなってしまったけれど
今では従姉妹が跡地を
守ってくれている
私にとって大切な居場所だった
潮の香りがする
賑やかで温かな愛情に包まれていた
場所
イギリスへの旅は
ずっと小さな部屋で過ごしていた
18歳の私にとって大冒険だった
そして私はイギリスである決断をする
そこから少しづつ不器用に
進んでいく
とても不器用に、甘えた思いで。
空虚感と恐怖、苛立ちをかかえて
とてもアンバランスに