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プロダクトマネージャー10年目の仕事観

この記事は10Xアドベントカレンダー2024の2日目の記事になります。
昨日はCFOの山田さんが、大谷翔平(と10X)という記事を公開しています。

個人的10Xの推しポイントは「シンプルで必要十分なオフィス環境」です!

10X在籍3年目、プロダクトマネージャーの@enaminnnです。
食品メーカーの営業からキャリアチェンジをして、プロダクトマネージャーとして働き始めたのが2014年4月。もうすぐプロダクトマネージャー歴が丸10年を迎えます。

以前公開した記事にもあったように「一般的に言われているプロダクトマネージャーの仕事」からは遠いものも多くありましたが、プロダクトマネージャーに軸足を置き、プロダクトマネージャーを名乗って仕事をしてきたことは間違いありません。
10年と言うのは自分にとっても一つの節目となるため、このタイミングで自分なりの「仕事観」を整理してみることにしました。

プロダクトマネージャーの仕事・役割とは

以前の記事にも書いた通り、自分はプロダクトマネージャー・プロダクトマネジメントについてこのように解釈しています。

  • プロダクト開発において必要なのは、「プロダクトマネージャー」ではなく「プロダクトマネジメント」

  • 組織が対峙しているドメインやイシュー、組織が持ち合わせているケイパビリティ、それらの発揮度などによって、プロダクトマネージャーやプロダクトマネジメント組織に求められる役割・守備範囲は変わる(組織によってプロダクトマネージャーの定義や役割が様々なのはまさにここから来ているもの)

  • 「プロダクトマネージャーの仕事」という一律的な定義はできない

  • プロダクトマネージャーに求められるのは、プロダクト全体・組織全体としてプロダクトマネジメントが適切になされる状態を実現すること

自分か駆け出しだった10年前と比べて、プロダクトマネージャーに関する情報は圧倒的に増えました。プロダクトマネージャーの絶対数増に比例して、SNS等で発信される情報も増えていますし、書籍・記事・勉強会やカンファレンス等も年々充実してきています。
それでもなお、「結局のところプロダクトマネージャーの役割って何?」という問いに対して100%クリアな共通定義がなされないのは、上記のような組織間での差分の存在によるところが大きいと感じています。自分は現職含め4社でプロダクトマネージャーを担ってきていますが、三者三様のプロダクトマネージャー像があったように思います。

プロダクトマネージャーの成果とは

これも組織や個人によりけりかもしれませんが、基本的にプロダクトマネージャーは直接的にプロダクトを作る立場ではありません。成果物の多くは「意思決定」や「判断」であり、その多くはテキスト・ドキュメントや口頭コミュニケーションとしてアウトプットされ、それらは人・チーム・組織に対するインプットやフィードバックとして扱われます。

最終成果を生み出すプロダクトを直接的に作っているのは開発チームです。プロダクトマネージャーの「意思決定」や「判断」は、開発チームに都度インプット・フィードバックされ、時に開発チームを大きく動かすことにもなりますが、生み出される成果の全てがプロダクトマネージャーの成果というわけではありません。その成果はあくまでチームの成果であり、自分の介在により生み出された差分こそがプロダクトマネージャーの成果と言えるわけですが、それを正確に測ることはなかなか難しいと感じます。

プロダクト組織の運営・品質関連の取り組み・Product Opsの領域など、プロダクト開発を取り巻く環境も守備範囲となっている場合は、その難しさがより増すように感じます(プロダクトマネージャーとして経験を積むに連れて、自ずとこういった周辺領域まで守備範囲に含まれるようになると思います)

また大前提として、プロダクトマネージャーの成果・インパクトは、以下のようなものに大きく依存すると考えています。

  • 組織・事業・プロダクトが対峙している市場やドメイン

  • 協働するメンバーや、組織が持ち合わせているケイパビリティ

  • ファウンダーとの相性(思想の一致・人間性のフィットなど)

自分は比較的アーリーフェーズ、小規模の組織でのプロダクトマネージャー経験しかないため「ファウンダー」と表現しましたが、「事業や組織に対して極めて強い影響力を持っている人」と読み替え可能かと思います

マーク・アンドリーセンによる「スタートアップの成功法則」でも、明確に「市場が最優先」であると言われています。

プロダクトマネージャーとして、より大きな成果・インパクトにこだわる必要があるのは言わずもがなですが、プロダクトマネージャーとして生み出せる差分とは比べ物にならないくらい、市場による差分が支配的であるということは理解しなければいけません。

  • 大半のスタートアップ・新規事業は、そこが「(隠れた)優れた市場」だと信じている

  • 実際に優れた市場だったかどうかは、結果論的に分かる

  • 「良いプロダクト」が成功するとは限らない(市場が支配的)

プロダクトマネージャーにとっては不都合な真実かもしれませんが、重要な事実です。

プロダクトマネージャーの評価とは

これは評価をする立場とされる立場で大きく異なるのですが、1プロダクトマネージャーとして「評価される」立場に立つと、自分のスタンスは「プロダクトマネージャーとして正しく評価されることは難しい」です。

  • プロダクトマネージャーか否かを抜きにして、完璧な評価軸・制度制度は存在しない。「万人に公平な評価」は存在しない

  • プロダクトマネージャーの成果を正確に測ることは難しい

難しいと難しいの掛け合わせで、非常に難しいなと感じることが多いです。
正しい・納得感のある評価を追い求めすぎないことも大事かなというのが、これまでの経験を踏まえて思うことです。(評価については他にも色々書きたいことはありますが、本筋から逸れてしまうため本日は割愛します。)

制度的な評価についてはそうである一方で、一緒に働く仲間や上司・ファウンダー、様々なステークホルダーから「また一緒に働きたい」と思われるかどうか、指名があるかどうかというのは、自分を評価する軸・プロダクトマネージャーとしての自分への信頼のシグナルとして重要だと考えています。

それらを踏まえて

自分なりの現時点での仕事観は以下の通りです。

  • プロダクトマネージャーは、「周りに活かされ周りを活かす」職種である

  • プロダクトマネージャーとしての「優秀さ」は、必ずしもプロダクトや事業の成功からは測りきれない

  • だからこそ、自分がやるべきことを淡々とやる。やり切る。

  • プロダクトマネージャーは、「自分が活きる場所」を適切に見極め選択すべきであると同時に、自分が活きる = 自分の実力だと過信しないような謙虚さを持ち合わせておく必要がある。周りに活かされる職種であることを肝に銘じる

  • 成果や評価を追い求めるよりも、一緒に働く仲間や上司・ファウンダー、様々なステークホルダーから「また一緒に働きたい」と思われるような仕事をする

こんなことを頭の片隅に置きながら、日々仕事に向き合っています。今月からは、これまでの業務・担当領域に加え、クローズドで進めている新規事業も担当することになりました。引き続き大きな成果・インパクト創出に向けて頑張っていこうと思います。

10Xではメンバーを募集しています!採用ページもぜひご覧ください。 明日はCTOの石川さんが記事を公開する予定です。お楽しみに!


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