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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / メトロポリタン美術館
追い焚きボタンが押せなくて
寒すぎる。おかしい。地球おかしい。寒い寒い。寒いのいらん。夏も死にそうだったが、今は寒さで死にそうだ。特に僕の自宅周辺はただでさえ風が強いので、向かい風になると冷凍室の中で巨大扇風機に立ち向かう覚悟でもなければ前に進めない。
夏からこの冬にかけて「ちょうどいい時期」ってありました?暑いor寒いかしか言ってない気がするのだが、みなさんは「ちょうどええ!」って言いました?
寒い時期になると「実家のお風呂」を思い出す。姫路の実家は壁が薄いのかなんなのか、夏は暑く、冬は外よりも冷えていることがある。だから暖房器具のない風呂場は特に寒い。湯船に浸かったら最後、そこから出る踏ん切りがなかなかつかない。
我が家の風呂には追い焚き機能があったが、僕は必要以上に光熱費を気にする子どもだったので、追い焚きボタンがなかなか押せなかった。押してしまうと莫大なお金がかかるのではないかと思い込んでいたのだ。しかもどういうわけか追い焚きボタンを押すと「追い焚きを始めます」という音声案内がリビングにも響くようになっているので、家族の全員が「あいつ追い焚いてる!」と察する。それが余計に僕を躊躇させた。
だから寒い冬はぬるいお湯で身体が暖まるのを待った。暖まるわけないのに。追い焚きボタンを押して怒られた経験があるわけでもないのに。
風呂から出る頃は入る前より身体が冷えていたような気がする。戦時中でもないのにどうしてあれほどまでに我慢していたのかは分からない。正月に実家へ帰った時はさすがに押せた。躊躇なく押せた。
子供は厚かましいくらいがちょうどいいよ。我慢も大事だけど、忍耐力みたいなのはサウナとか高速道路の渋滞とか、そういうところで鍛えればいいでしょう。
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