見出し画像

10年先を生きる

「大きな家」という児童養護施設に密着したドキュメンタリー映画を観た。監督は「14歳の栞」でお馴染みの竹林亮監督。今作も当然良かった。冒頭の、5歳くらいの年齢の子たちが朝起きて自分たちで身支度をするシーンだけでもう泣いてしまっていた。自分に子どもができて以来、ああいうシーンには弱い。

あまり多くを紹介すぎるとネタバレになってしまうのでぜひ劇場で見てもらいたい。「14歳の栞」もそうだったが、おそらく今まで見たことない映像を見ることになると思う。
幼い頃から親の愛を知らない子どもたちは良くも悪くも大人びているように映った。それはそれで感心するが、感情を開放しきれずにずっと苦しんでいるようにも見えた。みなさんの目にはどう映るだろうか。

この映画でスポットが当たるのは子供たちだけではない。施設で働く職員たちもよく目立っていた。一緒に生活し、食事の面倒などを見るあの人たちは「児童指導員」というポジションらしい。施設で暮らすあの子たちからしてみれば親代わりみたいなものだ。実際に子供たちからは信頼され、何でも言えるような関係性を築いているらしい。

鑑賞後、児童指導員について気になったので調べてみた。あれって自分のような人間でもなれるものなのか。結論から言うと、僕みたいに福祉や教育について学んでこなかった人間は今すぐにはなれないようだ。公務員ではないので厳格なルールはないらしいが、大学で指定科目を履修しなければならなかったり、現場の経験が2年以上必要だったりと、なんかいろいろあるらしい。

こんな時いつも思う。大学生だった10年前、なんで授業をサボりまくっていたのだろう。教員免許取ったり、図書館司書の資格を取ったり、可能性を広げるためにもっといろいろできただろう。選択肢はあればあるだけよい。10年後自分が何を考えているかなんて分からないのだから、ちゃんと準備をしておくべきだった。

しかしこの気づきはある意味チャンスだ。僕はまた次の10年を生きる。すなわち10年後に「10年前もっと頑張っておけばよかった」と再び思うようなことはあってはならない。大人になってから大学に通い始める人とかいるが、人生を俯瞰で長期的に見れていてすごいなと思う。一歩止まる勇気。その進めなかった一歩は、将来的に人力じゃ追いつけないくらいのスピード感で遅れを跳ね返す。今日できる努力をしよう。まだ若い。まだまだ行けるはずや。

いいなと思ったら応援しよう!

松本拓郎
サポートしていただいたお金を使って何かしら体験し、ここに書きたいと思います。