#0429高知 アンジュルム感想 トップスリーの凄まじさ
去る4月29日にアンジュルム高知公演を昼夜2回観てきました。細かいことは省きますが、もう本当に良い公演でしたね。僕は普段1日2ステージ観ることはなく今回が初めてだったんですが、あまりにも表情の違う2ステージで大満足でした。特に佐々木莉佳子さん、上國料萌衣さん、川村文乃さんの3名は恐ろしいほどにすごかったです。
道をつくる川村文乃
昼公演はご存じのとおり高知県出身・川村文乃さん待望の凱旋公演。その長い道のりは彼女自身が語っていたことがすべてで、なにも付け足すことはありません。個人的には去年の愛媛公演からの繋がりがあったのでその感慨深さもありました。
昼公演の途中で気づいたんですが、すべての歌詞が川村文乃さんのことを歌っているような気がしてきたんですよ。それはひとえに川村さんが歩んできた道の重厚さ、多面性、普遍性から来るものなんだと思うんですけど、そういう意味でもこの高知公演はアンジュルム史の中の大きなメルクマールになると思うんですよね。(メルクマールの使い方あってる?)
川村さんは以前のブログで「私は頑張ることしかできない」と書いていたと記憶しています。彼女自身が「遠回りだった」と表現した、頑張り続けることで作られたその道は彼女のための道であると同時に、これからやってくる多くのアイドル(そしてアイドル以外のすべての人)を助ける道でもあると思います。
瞬間に生きる佐々木莉佳子
夜公演は佐々木莉佳子さん400公演目。6月に卒業を控える佐々木さんとそのファンにとって大きな公演。そんな公演なんですが当の佐々木さんの調子が良くなさそうで、どうやら声を出しづらいようでした。しきりに口元を気にしたり不安そうな顔をしていたのですが途中でとうとう袖に引っ込んでしまい、最後までステージには参加したものの、歌唱は他のメンバーがカバーする形でした。佐々木さんはさぞ悔しかっただろうと思います。
ただ、僕は佐々木さんに感心していました。佐々木さんのすごいところはその瞬間の感情を一切隠さないところです。ずっと不安そうな顔をしていましたし、ずっと泣いていました。他のメンバーが佐々木さんを安心させようと笑いかけたりフォローしたりすると、それを素直に受け取って笑顔になる。でもまたすぐに不安そうな顔になる。そんな繰り返しのなかで公演が進んでいきました。もちろん、ご本人としては不本意だったり隠せるものなら隠したい、と思っているかもしれません。でも僕はあの不安を隠さない佐々木さんがすごくかっこよく見えたんです。特に「次々続々」のセリフで、その瞬間の苦しさやツラさをそのまま込めたような「本当の気持ちはいつだってひとつしかない」は鳥肌が立つほど切実で思わず声が出てしまいました。
数年前までは意地でも泣かないようにしていた佐々木さん。夜公演で流した素直な涙とそれを受け入れていたメンバーたちからは「強くあらねばならない、弱さを見せてはならない」という現代社会の呪いを解いてくれるような、そんな優しさを感じました。
愛を体現する上國料萌衣
そしてリーダー上國料さん。今公演Secret secretの初日松戸感想でも書きましたが、いまの上國料さんは恐ろしいほどのパフォーマンスを見せています。
上國料さんは「まず自分がやる」という姿勢を示しているような気がするんです。上の記事でも書きましたが、リーダーがまず信じて飛ぶ、まずその身を投げ出す勇気を見せる、その勇気を受けてみんなも続いていく、上國料さんが落ちそうになったらみんなが助ける、そんな関係性に見えました。
高知公演でもそうで、高知への愛を(ある意味川村さん以上に)強く強く打ち出していきましたし、夜公演でのトークの初め「広島ー!」という特大の失敗をまず率先して自分からぶちかましていく。メンバーからしたらこんなに安心するリーダーってないんじゃないでしょうか?
佐々木さんの不調が顕著に表れてからは特にその傾向が強くなって、あなたは本当にアンジュルムのためにすべてを捧げる気なんですか?と不安になってしまうくらいのエネルギーでした。それも「佐々木さんをカバーしなきゃ」という使命ではなく「大丈夫だよみんな!」というとにかく前向きで一切の影を感じさせない輝き方をしていた。
夜公演では佐々木さんをカバーするために歌割が混乱していました。歌詞がとんだところもいくつかあったし、昼公演の完璧さに比べたら「失敗」と呼べるところもあったと思います。でもね、そんなことどうだっていいんですよ。途中、佐々木さんの歌割を上國料さんが代わりに歌った後、自分の歌割で隣にいた松本わかなさんに突然マイクを向けたんです。混乱した歌割がさらに乱雑に。松本さんはまさか自分に回ってくるとは思っておらず戸惑ったあとになんとか歌って、3人でケラケラ笑っていました。失敗を恐れていたらそんなことできないと思うんですよね。あの場にいた誰が歌がとんだことを「失敗」だと捉えたでしょうか? その場にいる全員が全員を信頼しあっているのなら、失敗は存在しなくなるんです。それこそが本当の心理的安全性というものであり、あの高知公演の日、オレンジホールには確かにそれがありました。得難い空間だったと思います。
もちろん反省点があるならそれは後で振り返る必要があると思いますが、それはそれ。後でしっかり振り返ればそれでいいだけのことです。
今の佐々木・上國料・川村の3人で引っ張っていく体制がとてもうまく働いているんだと思います。だれかに負担が偏らず、お互いに助け合うことができる。自分がうまくいかないことは素直に他者に頼ることができる。素直に頼られることができる。なんでアンジュルムはいつの時代も形を変えながら素晴らしいチームで有り続けるんでしょうね?誰かちゃんと学術的に研究した方がいいのでは?どう考えたっていまの世の中に必要なものがアンジュルムには備わっていると思うんですよね。
というわけで高知公演最高でした。もう書くべきことはないんですが、高知という場所もすごくよかったです。食べ物も美味しかったし、いい街でした。今回は高知市周辺しか行けなかったので、また改めて旅行しに行きたいと思います。
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