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「人生を良くすること」って「日々をほんのり良くすること」
寒いと麻布台ヒルズに行きがち。セントラルヒーティングというのだろうか。床に空調がついていてひっきりなしに、メチャクチャちょうどいい暖かさに室温が保たれている。空調というものは上ではなく、下が適切な位置なのではないだろうか。
空調のクオリティというのは普段気がつかないけれど、じつに差がある。
むかし家賃がだいぶ安いところに住んでいた頃、バランス釜という風呂だったのだが、排気穴が必要なシステムなので、強制露天風呂のごとき寒さだった。バランス釜を卒業できたとき、心から嬉しかった。
麻布台ヒルズの話、というか「ヒルズ」がそもそも好きだ。虎ノ門もだけどこの「ヒルズ」という場所が寒い日の外食スポットとして好きなのである。とにかく室温がちょうどよい。
そもそも「ヒルズ」とは何なのだろう。たぶん「住民もいるし飲食店もあるし、なんかよくわからない最先端なテクノロジーが味わえる」みたいな場所だ。車で都心を走っているときに「何食べようかな」になると、わりと選択肢の上位に入ってくる。駐車場も空いているし、屋内だし、何か食べれば無料になる。
「ヒルズとか高そう!」と思いがちだが、じつはすごい高い店ばかりというわけではない。なんなら金額帯はデニーズやガスととかとあまり変わらない。
それでいて「恵比寿だと並ばないといけない飲食店が並ばずに入れる」みたいなコンフォートがするっと達成されている。
あと、本屋のクオリティが高い。選びやすいし、何を読むと満足できるかが整頓されている。
面白いのが「セレブらの最高の週末」ではなく「セレブらの日常」が詰まっていることだ。「家賃100万オーバーの連中のいつも」というのが味わえる。そのほとんどが強烈にドーパミンを放出するような性質はない。だけどほんのり心地いい。
ヒルズに行くと「人生を良くすること」って「日々をほんのり良くすること」と同義なのだと分かる。
目が潰れるようなキラキラのインスタとかを見ていると、ピーキーな遊びがしたくなる。でもそんなものは年に一度あるかないかのイベントだ。この1/365のイベントを素晴らしくしたところで人生が楽しくなることはない。
日々のクオリティ、一週間のうち4,5日ぐらいが二日酔いでもなくゴキゲンに過ごせれば幸せなのだ。だからピークを上げるのでなく、日常を少しグレードアップするぐらいが一番気持ちいい。
暗いひとと距離をとって前向きなひとと話したり、インスタのリールで脳みそを焼かずに一本の映画を見たり、鬼みたいな飲み方をせずに走ったりとかぐらいでいいのだ。そんな毎日をちょっと良くすることが、高級ホテルや高級ディナーよりも気分が整う。
ポイントは非日常より日常に視点を置くと、どんどん日常が良くなっていくということなのだと思う。豪華なごほうびよりも生活レベルが上がるほうが自分の心は喜ぶんじゃないだろうか。
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