「高給を求める人間」の特性
時給2,300円にしているせいで、ちょこちょこメールやLINEが来る。
つまり僕の生活は「高給を求める人間」とコミュニケーションをとることに事欠かないわけである。
普通に生きていると、なかなか出会わない属性なので面白い。いろんな場所で話のネタにもなる。つまり、みんな興味があるのだ。「高給を求める人間」に対して。
何人も会ってきて分かったことは「高給を求める人間」は信用できるということだ。
というよりも冷静に考えると「薄給でかまわん」という考え方こそが恐ろしいのだ。
「おそろしいやつ」というのは「わるいやつ」だ。では悪とは何なのか。
振り返るとこれまで僕が知り合った「わるいヤツ」というのは、心根から極悪だったわけではない。むしろ気のいい犯罪者が多かった。
じゃあ「わるいヤツ」って何が悪いのか。
行動が悪いのだ。
性格が良くても行動が悪ければ、悪者が誕生する。
つまり悪というのは内面の話ではなく、外的影響力のことだ。
身内・外部への借金の未返済にショボい犯罪。
これらに足を突っ込んだ人々をずいぶん見てきた。
じつに東京という感じがするのだけれど、やはり貧しさは人間を悪に走らせる大きな要素のひとつだ。
もちろんほとんどのひとが、「金がないからパクる」なんて行動原理で生きてはいない。だけど「金をパクるやつ」というのは例外なく金銭に困っている。そして困ったときに「高給を求める」という定められたルールにのっとらない。ルールの外から問題を解決しようとしてしまう。
「わるいヤツ」というのは、ここが恐ろしい。
週間で3,4人は「高給を求める人間」と面会するのだが、平均的に「わるそう」じゃないのだ。
「俺は別に金がないままでいいや」という感覚ではなく「ルールの中で何とかしたい」という社会性がある。
そのせいか、高給を求めるそのほとんどの人間が「ロッポンギで豪遊したいぜ!」みたいな考え方ではなく、家族やら恋人やらのためだったり、自分の未来のためだったりと、快楽主義ではなかった。
僕が学生のとき、就職活動を「給料で決める!」と豪語する友人がいた。今思うと、彼は僕が最初に出会った「高給を求める人間」だった。
当時の僕は「金なんかより大事なことがある!」と言っていたが彼は妙に冷静だった。
「もちろん給与だけがすべてじゃない。それでブラックならダメだし。でも実際に儲けていて、給料が高いってことは、それだけ世の中に貢献しているということだから」と言っていた。
雇用を創出し、税金を納め、より良い商品やサービスを提供する。つまり、社会の発展に貢献しているというのは今は理解できる。
そしてそのひとが誰かと遊んだり、養ったり、自分の夢や未来をつないだりすることも社会だ。社会性があるのだ。高給を求める人間という生き物は。
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