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最速で二段の壁を突破する将棋独学法 #4:最速で将棋アマ二段を突破する方法:序盤・中盤・終盤の強化

この記事は前回書いた記事「最速で二段の壁を突破する将棋独学法~ゲーム性と具体的方法論~」 の分割版です。

今回の記事では、元の記事の第3章に当たる「最速で将棋アマ二段を突破する方法」について序盤・中盤・終盤の強化の部分を解説します。

最速で将棋アマ二段を突破する方法

終盤を強化する

対人との対局をしていると自分の思い通りに行かなかったり、序盤どう指し手いいか分からないことも出てくるだろう。(特に相振り飛車)
序盤を勉強して作戦の幅を広げたり、研究を深めたい気持ちは分かるが、
一旦その気持ちは抑えていただき、ここは中終盤の見直しをしていただきたい。何度も述べるように将棋は終盤のゲームであるから序盤を強化する前にまずは終盤を強化することをお勧めする。
実は今までの学習で抜けていた部分がある。それは中盤から終盤への繋がる部分、定跡書に乗っているような有利・優勢な盤面から勝勢・勝ち(詰み)に持っていくための寄せよりもちょっと広い範囲の技術である。図4に示すように相手の陣地・囲いを崩してから詰めろを掛ける間の部分の指し方の方針である。

その部分の勉強に役立つ棋書があらきっぺ(2021). 『終盤戦のストラテジー』マイナビ出版である。この本は先に述べたような中盤から終盤の入り口の部分の概念を言語化した本である。相手の陣地に成り駒を生成してからいかにして寄せ・詰みの段階にまで持っていくのかが明確に言語化されている。
この本によって終盤戦がより立体的に理解できるようになるだろう。読むだけで歩1枚、マスターすれば香車1枚分強くなること受け売りである。
金子本(寄せの手筋200)同様にぜひ手元に置いておきたい1冊である。

終盤戦のストラテジー (マイナビ将棋BOOKS) | あらきっぺ |本 | 通販 | Amazon

序盤の幅を広げる

先手中飛車をマスターしたあなたはもう立派な将棋指しである。しかし、
振り飛車党が多いアマチュア同士の対局だと相振り飛車になることもよくあるだろう。ここでは中飛車相振りにおける指し方を学べる棋書を紹介する。
それが、鈴木大介(2010). 『相振り中飛車で攻めつぶす本』浅川書房である。
本書は振り飛車御三家である鈴木九段が相振りにおける中飛車の指し方を
対三間飛車、対向かい飛車、対中飛車(相中飛車)、対四間飛車の全てを網羅して書かれた本である。内容は豪快な棋風の鈴木九段らしく分かり易い攻めに重点を置いて解説されており、本書で相振り中飛車の指し方を一通りマスターすることができるだろう。個人的には対三間の指し方に4章分ページが割かれており、内容もやや高度になっていると感じる。

また、序盤の幅を広げるためにゴキゲン中飛車の網羅的な定跡書を紹介する。*同じ角道を開ける中飛車でも先手中飛車と後手番の時はゴキゲン中飛車と呼称を区別することがある。
それが、鈴木大介(2013). 『中飛車の基本【ゴキゲン中飛車編】』浅川書房である。先ほど紹介した戸辺本(1手ずつ解説する先手中飛車)の指し方でも後手番で指せなくはないのだが、1手の違いは急戦調の将棋でかなり影響が大きく、そのままでは使えないこともある。本書はゴキゲン中飛車(後手)の指し方を網羅的に記載しており、他の鈴木本同様、明確な分かり易い方針で指せる形を重視しており、初級でも取り組みやすい内容になっている。

相振り中飛車で攻めつぶす本 (最強将棋21) | 鈴木 大介 |本 | 通販 | Amazon

中飛車の基本 ゴキゲン中飛車編 (最強将棋21) | 鈴木 大介 |本 | 通販 | Amazon

中盤を勉強する

中盤は経験した方が早いと述べたが中盤を勉強する方法も存在する。それが、棋譜並べである。自分の将棋ではなく他人の将棋で勉強するやり方で1局を通して並べれば中盤だけではなく、序盤・終盤の勉強にもなる。
私のオススメは自分の指す戦法の側が勝った棋譜を並べることである。その方がやっていて楽しいし、勝った方はいい手(好手)を指していることが多いので、指し手を学ぶ参考にもなるからである。
現状出版されてる棋書で中飛車の棋譜並べに最も役に立つのは、黒沢怜生・杉本和陽(2021). 『中飛車戦記 2009~2020』マイナビ出版である。近年の中飛車の棋譜を厳選して集めた棋譜集であり、中盤の戦い方を学んだり、序盤の定跡の発展の歴史を学ぶのに役立つだろう。(勿論終盤の勉強にも)
個人的には序盤の手の解説が狙いなども含めて詳しいことがとてもありがたい。是非手に取っていただきたい一冊である。

また、中盤を学べる棋書は数少ないながらも存在するので紹介しておく。それが、佐藤天彦(2017). 『天彦流 中盤戦術―「局面の推移」と「形勢」で読みとく』NHK出版である。本書はNHKで放送されていた講座をまとめたもので、4つの形勢判断の基準を元に中盤を中盤の序盤、中盤の中盤、中盤の終盤と細かく分解しながら、NHK杯の実戦棋譜を解説していく内容となっている。形勢判断の軸が様々なに変わりゆく難解な中盤戦をできるだけ分かり易く言語化しようと試みた意欲的な1冊となっている。
個人的には電子版で購入したのだが、レイアウトが細かく分かれ過ぎていてやや読みづらかったのが少し残念だった。

中飛車戦記 2009~2020 | 黒沢 怜生, 杉本 和陽, 菅井竜也(推薦), 菅井 竜也(推薦) |本 | 通販 | Amazon

天彦流 中盤戦術―「局面の推移」と「形勢」で読みとく (NHK将棋シリーズ) | 佐藤 天彦 |本 | 通販 | Amazon


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