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『恋と禁忌の述語論理』が面白い
美人アラサーってだけで心躍るよね。
あらすじ
雪山の洋館での殺人。犯人は双子のどちらか。なのにいずれが犯人でも矛盾。この不可解な事件を奇蹟の実在を信じる探偵・上苙丞(うえおろじょう)が見事解決ーーと思いきや、癒やし系天才美人学者の硯(すずり)さんは、その推理を「数理論理学」による検証でひっくり返す!!
他にも個性豊かな名探偵たちが続々登場。名探偵を脅かす推理の検証者、誕生!
感想
『探偵が早すぎる』というドラマが面白かったのを思い出してその原作者・井上真偽(マギと読むそうです)のデビュー作を購入。
出たな、メフィスト賞。俺の周りをくるくるしやがって。最高じゃねえか。
「凛と、風鈴が鳴った」
この書き出しの感じどこかで……。京極夏彦の『姑獲鳥の夏』か?そんなような気がする。そうすると、結末への流れもわかる(勘違いならごめん)
3つの短編とエピローグでまとめられた今作は、俗にいう理系ミステリというやつかな。次々と名探偵が登場し、わくわくさせてくれます。登場人物のキャラがみんな濃いめなのでエンタメ読んでるぅって感じ。いいね。最後ですべて繋がりひっくり返される感じは新本格の流れを汲んでいます。タイトルにも納得。
本作の魅力は、なんといっても硯さんが可愛いくて格好いい。これが大きい。天才っていいですよね。一度お会いしたい。硯さんは数理論理学という学問を使って既に解決された難事件を「検証」していきます。この設定が今までになくて面白いのです。展開される論理は読者の頭を混乱させると思いきや、わかりやすい解説付き。なんて親切なんでしょう。まあだからと言ってすべてを理解できるわけではないのですが。
久しぶりにミステリ読んだけど、やっぱ面白い。おすすめです。最近当たりの本ばかり引いてホクホクしています。割と何でも楽しめる性質なのかもしれませんが。
次は何を読もうかなと本棚に目をやる。『三体Ⅲ』『嵐が丘』『コインロッカー・ベイビーズ』……。どれから攻めようか考える、この時間が幸せだなあ。好きな作家も増えていく。しばらく夜更かしが続きそうです。
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