「時間」を被写体にする Day to Night photography
夜明けや日暮れの光や色が刻一刻と変化していくさまが好きだ。
歴史的な町並みより、緑あふれる木々より、圧倒的な大自然より、
その場に流れる空気や時間を表現したいと思うようになった。
ふと思い出したのは高校生の時に視聴したある写真家の講演。
彼は連綿と続く時間を1枚の写真で表現することで二次元媒体に四次元を移し込むことに挑戦している。
興味のある方は是非彼の講演・作品を見てほしい。
1枚の写真に込められた圧倒的な情報量、物語性に度肝を抜かれると思う。
https://stephenwilkes.com/fine-art/day-to-night/
これだと思った。
時間の経過に併せて人や町が様相を変化させていくのを表現し、物体ではなく「時間」を写すことで景色そのものに物語を散りばめる。
圧倒的な情報量で、写真を見る人を惹きつけて離さない写真版「ウォーリーを探せ」みたいになればいいなと思った。
しかし、海外の記事を読み漁ったり、Mr. Wilkesのzoom講演などを聴講したりしても撮影方法を知ることは叶わなかった。
そこで撮影方法はオリジナルで
・パノラマ撮影
・タイムポイント毎のパノラマ写真を作る(photoshop)
・写したい要素(通行人や車、太陽などなど)を選ぶ
・全体の構造を考えながらphotoshopでレイヤーを合成する
という流れで撮影を行うことにした。
ワークフローが固定されるまで2年かかった、、
自分の表現したいものが明確になった後は実践有るのみである。
ということでさっそく八坂の塔を撮影しに行った。
夜と昼の差を強調しようとして、すごく変な色になった。
それにパノラマ撮影が下手で画面左の合成があまい。
以下失敗作
他にも北アルプスでテント夜景を撮影したり、大阪の花火大会で撮影をしたり、東京でスカイツリーや東京タワーを撮影したり、色々挑戦したもののどれも納得のいくものができなかった。
失敗の原因は主に3つ
・パノラマの正確性
・マスクの精度
・ロケーションの選択
パノラマの正確性を高めるために、Leofotoのパノラマ雲台を導入し、様々なパノラマ撮影に取り組んだ。
またマスクを切る練習をするために、合成写真や被写界深度合成なども多数撮影した。
さらにロケーションの選択で失敗しないために、SunsurveyerとPhotoPillsを導入し、太陽や月の軌道を正確に予測できるようにした。
また、何度も山に登ったり撮影にいったりする過程で天気を予測する精度も上昇した(かもしれない)
そして今回。就活で関東にいった際に横浜でDay to Nightの撮影を試みた。
この撮影は5~6時間の待機が前提である(いつか24時間360°パノラマぐらいやりたい)。
従って
・三脚を立てられる場所
・人通りが少ない場所(揺れや三脚が蹴られるのを防ぐ)
・昼と夜それぞれで画面映えする物体があること
・前景がないこと(昼と夜の時間の経過がわかりにくくなるので)
が必須要因となる。
今回チョイスした場所はみなとみらいでもあまり知られていないらしい。
絶景でありながら観光客が全く訪れず、休日にもかかわらずカメラマンも皆無だった。
完璧な条件下で美しく変化する町の色味や雲の動きを撮影できたと思う。
できあがった作品がこちら。
コメントやDMなどでどう感じたのか、改善すべきはどこか教えていただけると幸いです。
作例をもっと積み重ねて、Day to Night の展示をするのが当面の目標です。
あとがき
1枚だけ完成させて終わりだと1発屋みたいに思われるかなと思ったので、先日行われた嵐山の花火も撮影してきました。
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