じつはそれもイノベーション
「イノベーション」という言葉をよく耳にします。
わたし自身、イノベーションというとなんとなく「すごく革新的」なイメージであたらしいことに挑戦している感じがして、「自分には関係ないなぁ」と思っていました。
でも、ちゃんとイノベーションについて調べてみると、意外と「わたしの会社もイノベーションがあった」ということに気が付きました。
今回は、じつはほとんどの会社やビジネスでも行われているイノベーションについてお話ししていきます。
2つのイノベーション
「イノベーション(Innovation)」という言葉には、「革新」や「刷新」という意味があります。
これにはもちろん、ガラケー時代に到来したiPhoneやフィルムカメラ時代を終わらせたデジタルカメラの登場のような「大きな変革」も含まれますが、それ以外にも、燃費が劇的に向上したハイブリッド自動車や年々カメラ性能が上がっているスマホなどの一見小さな性能アップに見えるものも、イノベーションに含まれます。
でも、じつはイノベーションには2つのイノベーションがあります。
それが、破壊的イノベーションと持続的イノベーション。
注目されやすい破壊的イノベーション
破壊的イノベーションとは、その名の通り、既存の市場やビジネスモデルを破壊するような、ビジネスを根本から変革していくイノベーションのこと。
全く新しい製品やサービスを生み出したり、既存製品の一部の価値に集中して顧客に価値を提供するものがあります。
たとえば、物理的な本の代わりにデジタルフォーマットで書籍を提供した電子書籍、ゲームと言えばゲームセンターだった時代に登場したファミコン、一部の価値に特化した事例では、ティファールや、QBハウス(短時間・最低限のサービス)などが挙げられます。
こうした革新的な製品・サービスは、大きな変化だからこそ注目され、破壊的イノベーションに印象的な記憶を残しています。
そのビジネスは持続的イノベーション
一方で、ほとんどの企業は、既存市場や既存技術をベースにして、すこしずつ製品やサービスを改良して、効率化したり品質向上をはかっています。
「あたりまえ」と思われるかもしれませんが、じつはこれも立派なイノベーション。
少しずつでも技術革新をしながら製品・サービスを改良して品質を向上させているのは、持続的イノベーションなのです。
年々上昇している自動車の燃費向上や、スマホのカメラ性能アップも、こういった持続的イノベーションのひとつ。
わたしたちが日々行っているビジネスは、この持続的イノベーションに該当するものがほとんどかと思います。
品質向上に縛られていると起きるジレンマ
もちろん、どちらかが正しいということではなく、どちらのイノベーションも大事です。
でも実際は、持続的な品質向上ばかりに気を取られすぎている企業が多く、それが理由で、新興企業の破壊的イノベーションで危機に陥ってしまう企業もあります。
これを、いわゆる「イノベーションのジレンマ」と言います。
改善・改良を重ねてきた企業が、新しい革新的な視点や技術を軽視してしまうことで、その地位やシェアが奪われてしまう・・・という現象のこと。
持続的イノベーションを着実におこないながら、「革新的イノベーションが起きる余地はないか?」と考えたり、「新興企業が革新的なサービスを出していないか?」としっかりと情報収集を行いながら、客観的に自社製品・サービスを評価していくことが大事だということです。
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