困った腰痛、まずは理解を!
長時間同じ姿勢がつらい、中腰での作業が重い、心当たりはないけど一年に何回か腰が痛むなど、みなさんの中にも腰痛に悩まされている方は多いのではないでしょうか?
今回は腰痛の種類を大まかに理解していただき、どのような対応をすれば間違いが起きないのかということをまとめました。
腰痛になりたてで困っている、いつまでも治らない、いつもと違う症状で心配という方にご覧いただければ幸いです。
腰痛
腰痛は日常的にみられる疾患の中で最も多い症状のひとつです、50〜80%の人々が一生のうちに一度は腰痛を経験しているようです。
わたしの接骨院の患者さんで言えば中高年男女の半分以上が腰痛を訴えて来院している感覚です。
腰痛の分類
分類することにより治療方針や改善までの期間がなんとなく把握できます、自分の症状に当てはめてみましょう。
持続期間による分類では、発症から4週間以内の腰痛を急性腰痛、3ヶ月以上持続する腰痛を慢性腰痛、発症から4週以上で3ヶ月未満の腰痛を亜急性腰痛としています。
基本的には急性腰痛は自然経過が良好ですが約6割の方で症状が持続します、そして60%で再発がみとめられています。
また原因の有無による分類は2つに分けることができます。原因が特定できる特異的腰痛と身体初見や画像検査でも特定できない非特異的腰痛です、非特異的腰痛は85%を占めています。
病院ではなんともないと言われるが自分的には痛みがあり、3ヶ月以上症状が続いている場合は慢性の非特異的腰痛です、このような方が多いのではないでしょうか。あとでもう少し詳しく述べます。
特異的腰痛、手術適応の可能性
前述の通り、大部分の腰痛は原因がはっきりしない非特異的腰痛です、だからこそ安心して治療に専念できるように特異的腰痛、重要な疾患の症状はチェックしておきましょう。以下に一つでも当てはまる腰痛の症状があれば手術適応の可能性があります、病院受診しましょう。
・安静時痛や夜間痛がある
・腰部痛の他に胸部痛がある
・がんの既往がある
・栄養不良、体重減少がある
・下肢痛やしびれがある
・発熱
まずはこれを見逃さず、早めに対応し適切に治療することが必要です。
この他にわたしの経験では腰痛の訴えと思いきや帯状疱疹だったということもありました、腰痛との違いはピリピリと皮膚の表面が痛む感覚が片側にあることです、この場合も病院受診しましょう。
非特異的腰痛
基本的に大きな整形外科は手術適応かどうかをセレクトするのが大切な仕事であるため、それ以外の非特異的腰痛は薬や湿布を処方されて流れ作業となってしまうことが多いです。
これは医師のヤル気がないわけではなく、限られた時間の中で患者さんを診察するため仕方のないことです。
そこで整形外科で手術適応ではないが痛みが気になるという場合は、体の機能障害(柔軟性や筋力、運動パターンの問題)や心理社会的な要因が関与していることが多く、アプローチを変更する必要があります。
ではどうすれば、、、
前回の痛みの記事で詳しく投稿したように、痛みは脳が拡大して捉えてしまっている可能性があります。
カラダの動きを診て機能障害を評価してくれる医療機関や施設を受診してみましょう。具体的にはリハビリに力を入れている整形外科や接骨院、整体を口コミ、ホームページで探してみると良いと思います。
そこで慢性腰痛のメカニカルな原因が理解できれば心理的にも楽になるばかりでなく、適切なセルフケアができるはずです。
まとめ
今の自分の痛みはどのような痛みかを理解するのは非常に大切です。重症であればしっかり安静に医師の方針に従いましょう、しかし非特異的腰痛や慢性腰痛では受け身で治療を受けていては症状は改善しにくいです、まずは症状を冷静に理解しセルフケアを行いましょう!!
勝手な主観
わたしの力不足でもありますが慢性腰痛の患者さんがマッサージや電気治療のみの治療で完治した記憶はありません。
長い間痛みを発している身体に対しては心理的なサポートと機能評価(体の柔軟性や動きの評価)を行います、その結果を踏まえて体を動かすことではじめて改善の方向に向かうと考えています。
ご覧いただきありがとうございました、みなさんのお役に立てるような投稿ができていれば幸いです。
参考文献
・無刀流整形外科 メスのいらない運動器治療
柏口新二 日本医事新報社
・月刊スポーツメディスン7月号 202「痛み」
・慢性疼痛治療ガイドライン2018 「慢性の痛み診療・教育の基盤となるシステム構築に関する研究」研究班