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足首が硬くてしゃがめない
今回は足首が硬いという方に対する記事です。
足首の柔軟性は衝撃吸収の場面で重要な役割を果たします、足首に制限があると足趾をはじめ様々なトラブルが起きますので早いうちから対応すべき問題です。
特にしゃがめない、階段昇降がつらいなど日常生活やスポーツ動作に影響がある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
■柔軟性の確認
・荷重なし
・荷重あり
■原因とエクササイズ
・荷重なし
・荷重あり
■まとめ
■わたしの経験
■柔軟性の確認
・荷重なし
⑴床に膝を伸ばした状態で足の甲を手前に向けます。
⑵足の裏が床と垂直から手前に10°傾けることができれば合格です(膝が曲がったり足趾だけが手前に曲がらないように)
・荷重あり
⑴壁に向かって足を前後に開いて立つ(検査側が前)
⑵前膝が壁に触れるようにしゃがむ。つま先がどれだけ離れてしゃがめるか確認する。(前足のかかとは床から離れないようにする)
⑶前足のつま先と壁までの距離が拳ひとつ以上離すことができれば合格です。
■原因
・荷重なしで制限
ふくらはぎやアキレス腱周囲の筋肉が硬くなっていることが主な原因となります、ストレッチやセルフリリースで柔軟にしましょう
○ふくらはぎのストレッチ
イラストにはアキレス腱と記入していますが、主にふくらはぎの筋肉を伸ばしています。
イラストに加え、後ろ膝を曲げた状態でも同じ時間伸ばすとより細かく筋肉を伸ばせます。
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○アキレス腱周囲組織のセルフリリース
⑴床で爪を切るときの姿勢の様に座り、患側の膝を曲げる
⑵アキレス腱を人差し指と母指でつまみ左右に動かす
・荷重ありで制限
ふくらはぎやアキレス腱周囲の問題は前述のストレッチ、リリースで改善することが多いでしょう。制限が他の関節や筋肉に及ぶ場合は個人差があるため専門家の評価が必要ですが、今回はセルフでできるものを紹介したいと思います。
○テニスボールコロコロ
⑴テニスボールを踵の前方にあてる
⑵体重を乗せて足趾の付け根まで転がします
○つま先上げ
踵の丸みを感じながら骨が床を転がるように行う。足趾が過剰に手前に起きないようにしましょう。
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○片膝立ち
⑴片膝立ちの姿勢になる
⑵前に体重をかけ、第2趾の方向に足首を曲げる(かかとを浮かさない)
⑶体重の前後移動を繰り返す
まとめ
足首の硬さの原因は様々な問題が考えられます、一般的なものではふくらはぎ周囲の柔軟性の不足ですがそれだけでは解決しない問題が多数あります。硬さや可動域の不足から日常生活がツラい場合は整形外科や足専門の治療院などを受診してみても良いかもしれません。
わたしの経験
実際患者さんを対応しているとなかなか治りにくいパターンがあります、それは荷重なしの長座で計測しても制限はないが、荷重をかけると制限があるというときです。
これは骨折などの大きな外傷で足首の関節が硬くなっている人や足のアーチが硬い人(ハイアーチ)に多いように思います。自己判断でふくらはぎのストレッチだけ無理矢理実施しても逆効果の場合が多く、場合によっては手技を組み合わせてケアする必要がありますので専門医や接骨院を受診してみましょう。
ご覧いただきありがとうございました、お役に立てれば幸いです。
参考文献
・片寄正樹ほか:足部・足関節理学療法マネジメント−機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く
・澤渡知宏ほか:姿勢と動作からつなげるストレッチとエクササイズ−動画と画像で学ぶ段階的な治療介入