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【No.2】鹿児島レブナイズ4,000人プロジェクトの意義

15年の月日を超えて

 鹿児島のプロバスケットボールチーム「鹿児島レブナイズ」が今その歴史を大きく塗り替えようとしている。2008年のチーム創設以来(創設時はレノヴァ鹿児島」初めて1試合あたりの来場者数4,000名に挑戦しようとしているのだ。


 鹿児島レブナイズの躍進が止まらない。1月のホーム戦ではクラブ史上最多の「3,251名」を記録、その他のホーム戦を開催する会場でも最多入場者数を次々と更新している。初観戦のきっかけを招待事業や選手だけでなくチアやスタッフが精力的にイベントに参加しPRすることで作り続けてきた。工夫を凝らしたSNSの発信や動画制作なども確実に成果に繋がっている印象がある。また、昨年からはオリジナルのショップ運営にも着手しクラブが鹿児島県民、市民の皆様の生活に溶け込み、着実にその認知を広げている。

 僕が運営に携わり始めた2017-18シーズンの記録を振り返ってみると、1試合あたりの平均来場者数は571名(コロナ前という補足もしておきたい)。県バスケットボール協会と連携し、当時最多となった1,443名(2018年2月4日:鹿児島アリーナ)を目の当たりにしたときの大きな感動は今も鮮明に残っている。あれからすでに7年。チーム創設からは15年を迎える今年ついに4,000名の大台まであと一歩というところまで迫ってきた。僕はレブナイズを退社した立場ではあるが、このクラブが持つ「ポテンシャル」と「力」に大きな期待と夢を抱き続けている。そしてこの4,000名の達成が今後の鹿児島にどのような影響をもたらすのか、僕なりの考えを記しておきたい。

県が描く「稼ぐ力」を持つ鹿児島の未来像

 僕が暮らす鹿児島県(県庁所在地:鹿児島市)は離島を含む43市町村からなり、面積は九州最大。人口は1,548,684人(※鹿児島県発表:2023年10月1日時点)であり、歴史、自然、文化、地域資源はどれも豊かで魅力のある、自慢の地元だ。しかし、少子高齢化や人口減少には抗えず、消費市場も縮小するなど様々な課題を抱えている。これらの課題に対する県のあるべき姿や県政の基本方針、戦略をまとめているのがかごしま未来創造ビジョンである。その中で、最も強く主張されているのが鹿児島の「稼ぐ力」を向上させる必要性だ。

「稼ぐ力」とは
 本県の魅力ある地域資源を生かした、地域の経済的な価値を高め、県民の所得を向上させる力

かごしま未来創造ビジョン<改訂版> P7

 鹿児島県は「稼ぐ力」向上させるために取り組む産業の一つに「観光関連産業」を掲げている。実は鹿児島ユナイテッドFCと鹿児島レブナイズのプロクラブは鹿児島県も鹿児島市も保健体育部署でも教育委員会でもなく、観光部署が管轄をしている。つまり、鹿児島においてプロスポーツは少なくとも長期的には観光資源となることを期待されているのだ。

鹿児島レブナイズが4,000人を実現する必要性

 詳しくはぜひ鹿児島レブナイズが実施しているトークンのファンディングプロジェクト概要をご覧いただきたい。今クラブは今季の平均来場者数「2,400名」達成のために全力で取り組んでいる。それは2026-27シーズンから採用される新たな「クラブライセンス制度」で今のB2にあたる「B.LEAGUE ONE」に参入を果たすためだ。

B.LEAGUE ONE 審査基準 ※「B.革新」特設サイトより

 簡単に解説すると、これまで採用されてきたクラブライセンス要件(クラブライセンスとはそのクラブが各カテゴリーに在籍が可能かを審査され、発行される資格のこと。審査は財務基準だけでなく運営会社の組織体制や、アリーナが確保されているかなど様々の要件を鑑みて複合的に判断される。)が、2026-27シーズンから変更されるというもの。その中で特に注目すべきは「順位による昇降格がなくなる」「入場者数が採用される」点だ。そしてもうすでにその審査は始まっており、今年2,400名が達成できなければ仮に今季B2昇格したとしても2026年には自動的に今でいうB3に降格になってしまうということなのだ。

 鹿児島レブナイズは今惜しくも平均2,400名に到達していない(約2,200名)。残り10試合のホーム戦で達成するためには、平均2,700名をクリアしなければならない。さらに薩摩川内での平日開催が仮に1,000名ずつ、鹿児島県体育館はキャパの課題で最大が約2,300名ということを加味すると、西原商会アリーナでの6試合は平均3,450名の来場が必要ということになる。まだまだ課題は重なる。それだけの来場者数を達成しなければならない西原商会アリーナも最大キャパは約3,300名しかない。つまり、ファンディングが打ち出されているように3月9日と10日のホーム戦で西原アリーナをフル仕様にし4,000名を実現しなければ鹿児島レブナイズが2026-27シーズンに新B2に参入することはほぼ不可能ということなのだ。

 もし、今鹿児島レブナイズが3,300名すら集めるポテンシャルがなければ、僕もここまで熱くならないだろう。でも違う。今の鹿児島には十分に魅力があり、可能性があると信じることができるからこそあえて強く発信をしたいと思えた。そこまでカテゴリーにこだわる必要はないのではないかと考える方も多いだろう。でも僕は知っているし、皆さんも知っているはずだ。ここまで来るためにどれだけの時間とどれだけの努力が積み重ねられてきたかを。今チームに関わる人間だけではない。過去に戦ってきた選手やスタッフ、ブースター、パートナー企業の皆様、数えきれないほど多くのRebsの想いや行動が今のレブナイズを作ってきた。あと一歩で未来を大きく切り開くことができる。僕のこの記事なんてなんの役にも立たないかもしれない。でも今行動せずにいつか後悔している自分と僕は会いたくない。何かひとつでも変えられるなら。僕はこれからも鹿児島のため、鹿児島レブナイズのために全力取り組んでいきたい。

なぜ「B.LEAGUE ONE」でなければならないのか

 プロスポーツにおいて、在籍するカテゴリーは中長期的にクラブの運命を大きく左右すると考えている。多くは語らないが、僕が考えるB.LEAGUE ONEに参入する必要があると考える理由は大きく以下の3つである。

 ① 来場者数
  JリーグにおいてもBリーグにおいても、
  カテゴリー順に入場数が増えることが実績として証明されている。
  ※ Jリーグ2023:18,993名(J1)、6,904名(J2)、3,003名(J3)
  ※ Bリーグ2022-23:3,469名(B1)、1,335名(B2)
 
 ② マーケットの拡大
  ・ 認知度向上
  ・ 観戦機会の拡大
  ・ 交流人口の増加(県外ファンの流入増)
  ・ 経済的波及(雇用や消費の促進)
  ・ スポンサーメリットの増加 等

 ➂ 競技レベルUPがもたらす文化の創造
  ・ 青少年の健全育成
  ・ 県内産業の成長
  ・ 非日常体験の増加
  ・ 他スポーツへの好影響 等

 鹿児島に愛されるクラブが一番であることに変わりはない。だからこそ、もし入場者数が数百人でもクラブに求める価値はその規模やカテゴリーに関わらず等しくあるべきだ。しかし、僕らの踏み出す一歩がクラブの取り巻く環境を大きく変えることができる。そしてその一歩が変えた環境は数年後鹿児島の発展という形で僕らの生活に貢献以上の大きな結果をもたらしてくれるに違いないと僕は信じている。県民にとっての娯楽である「プロスポーツ」が県の未来を変え、支える。そしてそのプロクラブを育てていくのもまた我々県民なのだ。

鹿児島を変えていこう


 僕は今の鹿児島が大好きだしとても満足してる。でも鹿児島が持つポテンシャルの多くが日に当たらずくずぶっている現状をとても悔しいとも思っている。だからこそ、今僕にできることを全力でやっていきたい。県民すべてが地元だからといってプロスポーツを好きになるべきなんて全く思わない。でも鹿児島に新たな機会をもたらすこの財産を皆さんにもっと知っていただき、少しでも良いから応援してもらいたいと思う。前にも書いたが、みんなが好きなことを好きな時にできるそんな街で良い。鹿児島のため、未来の豊かな生活のために皆さんの一歩を考え踏み出してもらいたいと思う。

最後に

 1月に「株式会社鹿児島」を設立し、この度鹿児島レブナイズのチケットスポンサーになりました。恥ずかしながら金額はとても少ないですが、特典としていただいたチケットで色々な方々をホーム戦へご招待するつもりです。鹿児島レブナイズで多くの方々に支えていただいたこの恩を鹿児島レブナイズを応援することでお返ししていくことができれば、本当に嬉しく思います。 

 このマガジンは鹿児島をより魅力的な街にしていくため、鹿児島に関する情報をできるだけ分かりやすく、面白く取り上げていきたいと考えています。ぜひご覧いただけると幸いです。また、ここで書かせていただいているのは僕個人の意見と見解です。もし内容に誤りや不足があれば、ぜひ教えてください。そこでいろいろなコミュニケーションが生まれることも楽しみにしています。

ご覧いただき、誠にありがとうございました。

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