【表現評論】WhitePowder「LAMUNATION!」コアレビュー Part 11 陽菜ルート③
ゲームのようすが……?
以前見たことのあるシーンが次々に登場する。月菜たちは同じことを繰り返していることに気がつくが、違う行動をとろうとすると何らかの力によって過去の行動をトレースするようにされてしまう。だかららむねは何度も砂浜に突き刺さり、引っこ抜かれたらどこかに飛んでいくのだ。
実は、この展開を示唆するシーンはいくつかあった。たとえばアイリス/レイラルートなら、
らむねルートなら、
などがある。陽菜ルートでも、
という描写がある。黒幕は陽菜だということだ。魔法使いといったって、こんなことしていいわけがないだろ。
月菜たちは知恵を絞り、ゲームシステムを利用した月菜の行動なら陽菜による行動制御は無効になるだろうと考えた。そこで出てくる選択肢がfig. 109だ。どちらが正解かはいうまでもない。ちなみに間違えても何度でも選択肢を選ばせてくれるから初心者にも安心である。正しい選択肢を選ぶと……、
陽菜、やはりお前だったのか
謎の白い部屋に飛ばされた月菜。そこに陽菜が現れて事情を説明してくれる。月菜が誰を恋人に選んだとしてもみなが幸せになれるように陽菜が暗躍していたとのこと。しかしこれは陽菜の自己犠牲で成立しているものであり、月菜が陽菜を選んでしまうと破綻してしまうようなものであった。月菜としては妹が苦しむのを見たくないから、陽菜も含めてみなを幸せにする方法を考える。
fig. 114のような第四の壁を超える手法(キャラクターがプレイヤーに直接語り掛けてくる手法)は、「ドキドキ文芸部(Doki Doki Literature Club!)」や「君と彼女と彼女の恋。」などにみられるが、ラムネーションで取り入れられるとは思っていなかった。上記作品ほどプレイヤーをぞわっとさせるような演出ではないからそんなに気にならないけど。
そんなわけで月菜と陽菜は協力してみんなが幸せになるように過去を改変することにした。陽菜ルートが正史であり、アイリス/レイラルートとらむねルートは正史ではないが実際にその過程を達成した記録・記憶が陽菜ルートに引き継がれているのだろう。ライトノベル『涼宮ハルヒの分裂』は似たような話だった。
例によってスカイダイビングシーンに戻り、現在のアイリスと話をするシーンに戻ってくる。これで陽菜ルートは終了だ。陽菜と一緒に未来にデートしに行こう。
アフターストーリー(おまけ)
アフターストーリーはいわゆるハーレムルートだから評論することが何もない。このオチはさすがラムネーションといったところだ。