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産婦人科医院ってドラマがすごい!【#透明なゆりかご#マンガ感想文】(毎日更新71日目)
産婦人科の見習い看護師の奮闘する日々を描いた「透明なゆりかご」ってマンガを知っていますか?
沖田×華(おきたばっか)という作家さんの作品で、自分の高校時代にアルバイトをしていた産婦人科医院での出来事を主に描いています。
いま8巻まで出ていて、すべて読み終わったのですが、産婦人科というのはこんなにものすごいドラマが展開されているのかと大感動して、読みながら泣きまくりました!
アルバイトで入った沖田×華さんが最初おもに担当していたのはアウス(人工妊娠中絶)の後処理で、つまり、これから大きくなり人生を生きていくはずだった子供たちを小さな容器に入れて火葬場へ送るという仕事です。
【透明なゆりかご】17歳のアルバイトは、中絶された胎児の処置だった――漫画家・沖田×華さんが描く、産婦人科の光と影 http://t.co/hXHfbN8MwY pic.twitter.com/mmog45BYxn
— ハフポスト日本版 / 会話を生み出す国際メディア (@HuffPostJapan) July 11, 2015
奇跡のような営みによって、せっかくこの世に生を受けた存在が陽の光を浴びることもなく葬られていく、このことを「透明な」という言葉で表現しています。
普段こういった仕事をしてらっしゃる看護師さんが世の中にたくさんいるんだということを思うと、それだけでも衝撃を受けました。
でも沖田×華さんは子供たちを容器に入れるときに、少しでもこの世の中にいたということを覚えていてもらいたいと日の当たる場所で太陽を感じてもらったり、子供たちが喜ぶように「お歌」を歌ってあげます。
火葬場から毎日職員が遺体をひきとりにくるので、少しの間でしかありませんが、モノとしてではなく命として向き合う、その姿勢はステキだと思いました。
アウスだけではなく、産婦人科医院には毎日たくさんの人が訪れ、みんなそれぞれの事情や状況があるので、それに対応していかなければいけません。
産婦人科医院には毎日こんなにもたくさんの生と死が交差し、たくさんのドラマが生まれているのかと圧倒されてしまいました。
そしてお母さんたちは、妊娠・出産という大事業を本人にしかわからない、とても孤独な状況でがんばっているんだと思うと、もう尊敬なんて言葉ではあらわせない気持ちになりました。
男性がどれだけ妊娠・出産というものを軽く考えているか、女性のことを理解できていなかということを思い知らされました。
だからこのマンガは男性にこそ読んでほしいと思いました。
パートナーが妊娠している人はもちろん、そうでない人も、すべての男性が理解しておくべき話だと思ったわけです。
妊娠・出産は2人が一緒に取り組むことが当然のことで、決して孤独なものにしてはいけない。
男性は子供を体内に宿すという感覚がわからないからこそ、あえて理性をもってそこへと近づく努力をしなければと思いました。
努力と書きましたが、この本を読めばお母さんのすごさがわかりますし、自然と自分から妊娠・出産・子供に向き合いたいという気持ちにさせられると思います。
それくらいこの本にはリアルとエネルギーがつまっていると感じました。
マンガのストーリーは基本的には一話完結になっています。
こんなに毎話ごとに涙が出るマンガは初めてでした。
全部の話で毎回毎回泣けるんですよ、
感動させすぎです。
読んでてむしろ、ぼくがオキシトシンが出まくりな状態になりました。
苦しくて、悲しくて、切なくて、優しくて、幸せな気持ちでいっぱいになりました。
「透明なゆりかご」でデトックスしまくりです。
人間ってひどいなあ、
悲しいなあ、
人間っておもしろいなあ
家族ってすばらしいなあ
子どもっていいなあ
読んでいただいたら、そんな気持ちを感じていただけるんじゃないかと思います。
そして、自分も家族を作りたい
そんな気持ちになるかもしれません。
ぼくも、作者さんと同じように
幸せな家庭が少しでも増えていくことを心から願っています。
そんなステキな気持ちになれました。
読者の反響も大きく人気になり、ドラマ化もされたすばらしい作品です。
とっても良い作品なので、もしよかったら手にとってみてください。
それでは今日はこのへんで、
また、明日。