ゲーム練習と基礎練習の時間比率は1対1
卓球は自由度の高い競技なので、何から練習すればいいかわからないところがあります。そこで、経験者やコーチに教わり、基礎練習を徹底的にやりこんでいくことは大切です。しかし、練習が基礎中心になってしまい、ゲーム練習が比率的に少なくなってしまうと、練習をしても勝つことが出来なかったり、練習開始から長期間勝つ経験ができない場合があります。そこで、卓活がおすすめするのは、基礎練習時間とゲーム練習時間を均等にするということです。さらにゲームばかり行う日を設定し、部内やチーム内でどんどん本気の試合を行うことを推奨します。これはスウェーデン式の考え方を取り入れています。中国の考え方は徹底的な基礎練習をメインにしています。
ゲーム練習の効果
ゲーム練習を多くすることで、どういったメリットがあるかというと、卓球を初めて間もないビギナーであっても自然と戦術を編み出すようになることです。初心者が戦術なんて早いはやいと考える指導者の方は多いと思います。しかし、戦術は非公開でプレーヤー自身が自分で考えるものです。早くにその習慣をつけさせることで、基礎の実力以上の結果を戦術効果で出すようになります。簡単な戦術の例を挙げるなら、サーブは高くなると強打されるから、低く短くしよう。相手選手にフォア攻撃させない方法は、バック側ばかりを狙うことだ。などの戦術をゲームで勝つために考えるようになります。初歩の初歩の戦術ですが、教えなくてもゲームをたくさん行うことで身につきます。また、やったことがないけれど、一回やってみようという発想になり、臨機応変な戦術を即興で実行に移すようになります。そして、うまくいった経験、うまく行かなかった経験を何度も体験することで、うまくいったものを蓄積していきます。この積み上げが、普段の練習で可能なのです。
筋トレを兼ねるゲーム練習
さらにゲーム練習を多くすることで、筋力トレーニングをする日数を少なくすることが出来ます。ゲームを真剣に5回してみてください。汗だくになり、腕や腰、足に疲労感が溜まっているはずです。試合で必要な筋力を、ゲームをすることで鍛えています。無駄がなく、合理的で効率的なトレーニング方法だと思いませんか。そして、選手たちは筋トレをしたという感覚を持たずに鍛えられています。これもメリットの一つでしょう。
ゲーム練習で課題が見える
ゲーム練習を多くすることで、個人個人の練習するべき課題が明確になります。言い換えると自分の弱点が見えるということです。その弱点を克服するために、どんな練習をするべきかを考え、フリータイムの自由練習時間に個々人が独自に設定した練習方法を取り組んでいきます。規定のメニューをただただこなすだけの活動になりやすいチームの練習を、ゲームを多くすることで解消できます。選手には自由時間を設定してあげれば、自然と個人の課題克服に取り組むようになります。指導者の方は一度やってみてください。どんな練習をすればいいか、悩んでいる選手がいる際にサポートするくらいで大丈夫です。
このように、初心者の段階からゲーム練習を多く取ることで、まるで覚醒でもしたかのような急成長を見せることがあります。その代わり、試合で使えない練習は一切しなくなりますが、本来、練習とはそういうものでしょう。ゲームに始まりゲームに終わる。しっかりとルールが決まっている個人競技です。ゲームを楽しみ、ゲームから学びを得ましょう。