試験前の体調とメンタルの管理 〜勉強以外の試験対策 令和5年宅建試験の「幸せの黄色い長靴」
宅建試験と体調管理に精神管理ー 試験前の勉強以外の試験対策
こちらの記事は宅地建物取引士試験のリベンジ組(令和4年不合格)の1人として、その年の失敗を分析、反省するとともに、今年(令和5年)高得点を取れるに至った理由などを備忘録的に記すものです。
試験は現場での一本勝負です。試験で実力通り、あるいは実力以上の結果を出すためには、試験当日はもちろん、試験の数日前から体調と心を整えておかないといけません。
試験対策において重要な、合格に必要な勉強面以外の要素である「心とカラダの対策」を書きます。メンタルは宅建に限らずあらゆる試験対策に対応すると思います。スポーツの試合も同じです。
いざ試験や試合になると、慌ててしまってふだんの実力が発揮できないようなタイプの方に参考にしていただければと思います。
宅建試験に向けた事前準備
宅建試験は10月の第3日曜日に実施されます。時期的には秋で気候が安定しているのですが、近年は温暖化の影響か夏の時期が長くなっており、10月半ばの関東地方は秋深まる季節というよりも、夏から秋へ気温が急激に切り変わるタイミングとなります。
気温の急低下によって体調を崩しやすい。とくに風邪には気をつけたいところですね。一方で精神面、メンタルの変調にも留意したいところ。試験が近づくとソワソワしてくることがあるでしょう。人によってはストレスでカラダの調子がおかしくなる。
とくにメンタルがやられるとテストで高得点は望みにくいですね!
わたしは昨年に引き続き、予備校や通信教育は使わず、「宅建みやざき塾」の宮嵜先生が提供されている「超特急合格講座」のYouTube公開の無料講座、及び無料提供テキスト(製本版を購入、五問免除対策のみ有償講座受講)および「宅建過去問2023」という無料の過去問アプリのみを使用。
上記による勉強以外に、後述する体調◦心理面の様々な「オリジナルの試験対策」を実施して、そのおかげで今年10月15日実施の宅建試験で43点(自己採点)を獲得。ほぼ合格は間違いない。
ただし昨年の試験では35点。一点が足らず不合格だった。まずは昨年の分析をもとに、今年どのような対策に至ったのかをまとめるものです。
試験本番の緊張が不合格に繋がる
昨年の失敗の原因は3つ。
①苦手科目の宅建業法を得意にできなかった
②精神面の自己管理不足
③試験会場でのある失策
で、②と③の理由から、試験は勉強による対策だけでは不合格になるということを身をもって知りました。(なお①の宅建業法については、しっかり勉強したおかげで、今年の試験では満点を取ることができた)
昨年は試験直前期にガチガチに緊張してしまっていた。その影響は心身にモロにきました。風邪にはならなかったが、試験数日前に原因不明の偏頭痛が発生。それがこれまで受けたことのないレベルの苦痛でありました。
あまりのアタマの痛さに直前期に思うように勉強ができなくなりました。頭痛薬でも飲めばよかったが、当時は眠くなるからと飲まなかった。それも悪かった。最悪だったのは症状が治らず試験当日も頭が痛いままだったこと。急遽アタマをマッサージする器具を装着して試験に臨む事態となったのです。
試験終了間際に行った余計な行為で不合格
令和4年試験であと一点が足りなかったのは、③の事件がある。わたしは試験終了の合図のわずか30秒前までは36点であった。この時点ではギリギリで受かっていた。
だが試験官による解答用紙の回収の直前に、せっかく正答であったはずのある解答を、誤答にマークし直してしまった。なぜこんな迷いが生じたのか、いまでも、わからない。
もちろん合格に必要な実力があって自信をもってマークしてればこんなことにはならなかったのだが、試験が終わっていたにも関わらずこんな不毛なことをしてしまったのは、どうしても心理面からくる何かだと考えざるを得なかった。
もちろん今回の試験では「解答やめ!」の合図とともにペンを筆箱に仕舞った。
結果としては昨年15点しか取れてなかった苦手の宅建業法は満点を取り、全体でも堂々の合格点に達しているはずだ。昨年は悔しい思いをしたが、あのままギリギリで合格していたら、心が舞い上がり、そしてその時取った「間違った」勉強法こそ正しいと信じ、そのやり方で宅建より上位の資格の勉強をしていたかもしれない。
そもそも宅建業法が15点で宅建士になってはおかしいのだ。そう思えば昨年の経験は良かったとさえ思えてくる。
過度の「禁酒」でリズムが変調
もともと緊張しやすい体質、メンタル脆弱な性格なのと、試験前に、調子を落とさないために禁酒をしたことも、昨年の試験には悪影響を与えたのかもしれません。
わたしはお酒が好きで毎晩の晩酌は欠かせない。酒は勉強において一般論としては良くない。覚えた物事が忘れやすくなるためだ。そこで家族のすすめもあり、9月の終わりから完全禁酒を敢行することとしました。
だがそれが日常生活のリズムを崩してしまったようでした。ノンアルコール生活でアタマは冴えるようにはなったものの、逆に冴えすぎて心が緊張してしまったようなのだ。
そこで今年は「過度な禁酒、断酒」は謹みました笑。もちろん浴びるように飲むのは眠気を誘うから勉強に良くない。そこで酒量を漸次的に減らしていった。
具体的には真夏に毎晩飲んでたスーパードライ500mlのロング缶を9月アタマに350mlの標準缶に変更し、すぐにその半分の135ml缶にさらにダウンサイジング。135のミニ缶の半ダースを産まれて初めて購入した。
ミニ缶とはいえ、グラスに注がす直接口をつけて飲めば10口程度は嗜める。酒量はゼロとはならなかったものの、限りなくゼロに近づけた。
副次的な効果として、ビールを口にした後もその日の勉強を継続することが出来たこと。この取り組みはうまくいったと思う。
精神面の落ち込みを防ぐための食生活
わたしは集中が続いている限りは何ともないが、いったん途切れるとネガティブな感情が湧きやすい。そこで集中状態になくても前向きな気持ちを維持するにはどうすればいいか、これは春頃から考えていました。
気持ちが落ちるのを防ぐに手っ取り早いのはうつ病の薬。だが、これは劇薬である。飲んでみたものの下痢が止まらず、服用にあたってはアルコールを断たないといけないとあって使用を取りやめました。
そのため薬ではなく安全な食材でなにか代用はできないかと考えました。バナナが脳に幸せを感じる物質であるセロトニンの放出効果あると聞き、毎朝一本食べるようにした。バナナは臭いので苦手ではあったがうつ病薬よりはマシ。スーパーに通って値下げ品のバナナを買っては腐りかけのバナナを毎朝1本食べておりました。
バナナ以外には、市販の「爽健美茶」に含まれるある成分に精神安定効果があるらしく、ドラッグストアで値下げされている2リットルの爽健美茶をまとめて買い込んだりもしました。バナナと爽健美茶のお陰で、今年の試験前は頭痛に陥ることは一切なかった。
試験会場は気分が上がるところを選ぶ
宅建試験は試験会場をある程度受験者自身で選ぶことができる(都道府県は跨げない、先着順)。昨年の試験会場はアクセスの便利さから東大の教養学部をチョイスしていた。だが実際に東大を訪れると、建物の古さ、いかめしさ、暗く湿った重苦しい雰囲気は気になるところではあった。こんな要素も試験の結果に関係するかもしれない。
そこで今年の試験は世田谷区にある日大の文理学部にした。この日大の校舎は京王線の下高井戸駅の賑やかな商店街の先にある。下見したところ、文学部ということもあってか明るく垢抜けた印象だったことが決めてであった。
もちろん試験が実施される日曜日に可愛い女子学生などはいるはずはないわけだが笑 なんとなく残り香はある。そして大学受験とはカンケーないが、わたしには手の届かない頭脳の良さのある東大より、身近な日大がプレッシャーを感じずに済むかもと思った。
この選択は大正解だった。
令和5年宅建試験は風雨との戦い
電車が遅れるとかの状況ではなかったが、令和5年10月15日の朝は強い風雨だった。気温が低く肌寒かった。ただし試験開始は13時でその頃には雨は上がっている予報。お出掛けと考えると着る服に悩んでしまう。
わたしは朝早く起き最寄りの駅前のカフェで復習しようと試験開始の3時間も前に出立した。ところがカフェに着く頃には靴が濡れて靴下に水が染み込んできた。
わたしは冷え症で足のつま先が特に冷えやすい。冷えたまま試験に臨んだらアタマが働かず一点に泣くことになるかもしれない。昨年の嫌な思いがフラッシュバックしてきた。そこでちょっと面倒だったが靴と靴下を履き替えるため一度帰宅した。
玄関で何に履きかえようかと思い、雨足が強かったのでスニーカーはとりやめ、傍にあった長靴を履いた。記事見出しの写真にある通り、オンボロの黄色い長靴だ。会場まではこの長靴で移動することとして、会場で履き替える用のキャンバス生地のスニーカーをかばんに入れた。
この長靴は真冬仕様だからとにかく暖かい。足を入れてそこに温もりを感じられた。それだけですぐに緊張感は和らぎ、点数にして2、3点は加算されたような気がする。暖かさは脳を正常に働かせるための大事な要素なのだ。
縁起を担がない
昨年は試験前になんとか天満宮まで出向き、「宅建絶対合格!」みたいなことを個人情報込みで書いた絵馬まで奉納した。そんな神頼みみたいなことを真剣に行うことも、心の緩みを悪い意味で無くしてしまい、無駄な緊張を生んでしまうのだ。
だから今回は縁起を担ぐ行為、縁起物のようなことをすべて取りやめました。
神頼みなんかより気持ちを和らげておくこと、一番の効果が見込めることとして笑うことが大事だと思う。
受験票には注意事項として、「原則帽子着用禁止」とあります。だが原則には例外があるので、昨年は医療用としてヘッドギアが認められたし、今回はアウトドアの帽子をつけて臨んだ。カフェの勉強でいつも被っている、相棒ともいえる帽子です。
ところがいざ試験会場へ被っていこうと思っていたら、壁かけのスタンドから玄関の床に落ちていた。「落ちる」だなんて縁起でもないが、あえてその帽子を被っていった。
そして急遽履くこととした長靴は、アウトドアで濡れた岩でもグリップするよう、フェルトスパイクソールが使われている。これがコンクリやアスファルトに囲まれた街中だととても滑るのだ笑。「滑る」だなんて縁起でもないが、結果この靴が幸せを運ぶ黄色い長靴となった。
無事に会場まで気落ちすることなく辿り着き、会場内の階段を手すりでからだをしっかり支えながら移動した。
色々縁起は悪いけれども、そんなことを笑い飛ばせるくらいの余裕が欲しかった。「これで落ちたら面白いね」みたいな気持ちに切り替えればこちらの勝ちだ。勝ちというのは、自分に勝ったということだ。
そして結果はたぶん合格。
これから試験に臨む方へ
宅建をはじめ、試験対策ってどういうことでしょうかね?傾向と対策ですか?もちろんそれは大事。だけど試験会場の答案用紙にしっかり自分の実力が反映されることが前提ですよね?
そのためには、まず自分の弱さ、弱点をしっかり分析してください。試験の傾向と分析を行うのは予備校など試験のプロたちですが、試験に向かう自分の傾向と分析を対策するのは、何より自分自身ですよ。