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『SEO技術バイブル』ー内部施策、高速化、モバイルファースト、YMYL

買って良かったマーケティング本をリストしていくnote、その5冊目。


デジタルマーケティングに携わる上では必須知識となるSEO対策。ウェブサイトの検索エンジン最適化のための活動です。

1. どういったキーワードで検索上位を取ることが意味のあるユーザーの集客につながるのかを考える
2. キーワードに沿って読まれるコンテンツを拡充していく
3. ウェブサイトの構造を技術的に整える

のがSEO対策のほぼすべて。本書はそのうちの「ウェブサイトの構造を技術的に整える」部分、つまり検索エンジン側からみて好ましい構造にウェブサイトをどう仕立てていくかを中心に、SEOに関する最新の必須知識を体系的にまとめています。


私がこの本を購入したのは2018年の7月。2017年11月から担当していたオウンドメディア 「サインのリ・デザイン」の数字が2018年春頃から伸び悩み、悩んでいた時期でした。

10年以上にわたり個人で法務専門ブログをやっていた経験から、ある程度分かったつもりで、馬鹿にすらしていた感のあるSEO対策。一度基本に立ち返り、知識をアップデートした上で対策をやりきってみよう、と頼ったのがこの本でしたが、結果だけで見るとこう。

お盆があけた8月末ごろからじわじわと検索パフォーマンスの数値が向上し、その時期から1年経たずに2倍、編集長就任時の2017年11月からみれば4倍ほどに成長しています。個人で10年間超続けていた法務ブログとの比較でも、単月のユニークユーザー数、セッション数ともに3倍ほどとなりました。


SEO対策のベースとして、サイト構造・レスポンシブなウェブデザイン・表示プロセス・モバイルファースト対策・AMP実装を整えることが大前提。お客様が検索してサイトに辿りついた時に、ストレスなく高速に開いて読めるインフラを構築することがいかに重要かが理解できます(これらの実装については、クラウドサインの優秀なエンジニア・デザイナーチームから多大な協力を得ました)。

その上で、自分自身が書く記事のHTML構造、設定するURLスキーム、検索エンジン的に価値の低いコンテンツのリライトや削除、アップロードする画像データの細かなサイズや容量、内部リンク構造を見直し、Googleの分析ツールでエラーが出れば地道に直すという作業を、日々続けています。

SEO対策についてあまりご存知ない方が本書を一読すると、「本当にそんなちまちました作業が検索エンジンからの評価に影響あるの?結局中身なんじゃないの?」と思ってしまうのですが、実際にこれらの内部施策をやり尽くすと、狙ったキーワードで当日中に検索トップページにランク入りすることも珍しくなくなります。


本書後半には、技術的な対策のみならず、コンテンツSEOに関する知識についてもまとめられています。

最新のSEO対策本だけのことはあり、Googleが検索においてますます重視するようになったYour Money Your Life(YMYL)の概念についても触れられている数少ない文献でもあります。

エンタメや芸能ニュース、趣味のサイトとは違い、金融・法律・医療など、人々の財産・身体・生命に密接に関連する業種のウェブサイトについては、Googleは一段と厳しい審査の目を持っています。

このYMYL分野において、Googleから見て品質の低いコンテンツを連発しているといわゆる「Google八分」の対象とされ、どんなにサイト流入のあるコンテンツであっても、検索結果から突然表示されなくなるという憂き目にあいます。法律に関するメディアをやっている以上、このリスクとも常に隣り合わせです。

社内で月1〜2回開かれるSEO対策の研修でも、YMYLに抵触しランキングから落ちていくサイトの実例を見ながら、口すっぱく注意を受けていますが、信用いただける・間違いのない情報を根拠を添えて発信するということには、神経を尖らせています。


地道にコンテンツを書き溜めつづければそれが自然にSEO対策になるという牧歌的な時代はとっくに終わっている、そのことに気づいたら、手にとっていただく価値がある本です。


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