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本気でやることを増やすと自分の世界が広がる

約1年前に、MYTONEというホームグッズブランドを立ち上げた。

名称未設定のデザイン

主にバスタオルやブランケット、ラグ等テキスタイルプロダクトを取り扱っている。

昨年4月に初めての緊急事態宣言が発令され、デザインの仕事がバタバタと無くなった。
受注案件に頼っていた当時の状況に危機感を感じ、自らコントロールできる事業を持たねばと一念発起して始動したブランドだ。

グラフィックやペインティングが得意だから、それをプロダクト化しよう。
「クライアントワークが無ければこれを頑張ればいいよ」というポジティブ思考で動き出した。

そんなMYTONEは、初めの半年は泣かず飛ばずだったが、ここ最近急激に売上が伸びてきた。
今年1月は10万円に満たなかった売上が、今では月数百万円規模に成長。
小さいながらも事業の一つとして計算できるようになってきた状態だ。

といっても、在庫投資が先にくるビジネスなので、大きな利益が手元に残るわけではない。

むしろ、デザイン業の傍ら、自社で業態が異なる飲食店を2店舗運営し、更にブランドも始めてしまったので、事業効率はすこぶる悪い。笑

社員数名しかいないのに、HPだけでも5個もあるし、インスタアカウントは7個もある。更新するだけでも一苦労だ。

一つの事業に集中した方が効率よく利益を増やせるという考え方はもっともだし、僕自身至極同意している。

だが一方で、色々なことをやっているからこそ得られる学びやメリットがあるのも確かだ。
それは中長期で見ると、自分達のビジネスを後押しする財産になると感じている。

お金がなくても、スキルが無くても、外注せずに何でも始められる時代

MYTONEを立ち上げるにあたっては、商品の生産以外は外注することなく自分達で手掛けた。

商品は工場へ直接問い合わせ、工場まで出向いて話をした。
テキスタイルデザインはテクニカルで難しい面も多かったが、工場の方々は辛抱強く親身に教えてくれた。

HPはShopifyで作成。僕はコーディングが出来ないため、既存のテンプレート(テーマ)をカスタマイズして作った。

商品写真も自分で撮っている。スタジオは自宅や友達の家だ。
レンズに投資すれば使える写真は撮れるし、今ではiPhoneでも大活躍してくれる。

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集客は、デザインが強みであるプロダクトとの相性を考えinstagramに注力。instagram広告も自ら運用し、トライアンドエラーを繰り返してMYTONEに最適な配信戦略を確立した。

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もちろん発送業務も今はまだ毎朝自分達で行っている。

立ち上げを経て気づいたことは、ブランド作りに置いても、あらゆることは自分達だけで完結できることだ。

今の時代、世の中には、無料や安価で使える超優秀なツールやサービスが溢れている。

Shopifyは驚くほど本格的なECサイトが作れるし、Canvaを使えばグラフィックデザインだって出来てしまう。

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使い方が分からなければYouTubeを見ればハウツーやチュートリアル動画が見つかる。

以前はECサイトを作るのに数百万かけて外注しなければいけなかったのに。
つくづくすごい時代だ。

「何かを始めるのに多大な投資は必要ない。」
「本気だったら、意外と自分でできちゃう。」

この事実はとても大きな学びだった。
安易に外注しがちな人は、一度自分でやることを考えて見ても良いかもしれない。想像以上に簡単に、時間をかけずにできることも多い。

自らあらゆることを手掛けると、その分ノウハウも蓄積される。
これも大きな財産だ。

実際、手を動かして得たブランド立ち上げの経験は、自分達のデザイン会社としての提供価値を高めてくれた。
実業があることで、クライアントビジネスの理解度も格段に上がったし、相談される内容も増えた。

この経験が、今後新しい案件を生む原動力になると確信している。

本気でやることを増やすと自分の世界が広がる。

他にも、新しいことを始めることで得られる副産物がある
それは、日常から得られる情報が格段に増えることだ。

物事に本気で取り組むと、以前は見過ごしていた要素を、情報として自分ごとに捉えることができるようになる。

お金や時間、リスクを取って取り組んでいるからこそ、より成功させるために学びを求めるようになる。

実際にMYTONEを始めてからは、日々を過ごす中で得られる情報の解像度が更に高くなり、視界が広がった。
世界が広がったと言っても大げさではない。

今僕は飲食店もプロダクトブランドもやっているので、生活導線上のあらゆる物事が学びの対象として入ってくる状態になった。

朝コーヒーを買う時、買い物に行った時、レストランで食事をする時。
お店に行けば、内装の雰囲気や素材、動線の作り方やスタッフの立ち振る舞い。
商品を見れば、素材の品質やつくり手の情報、価格設定の背景。

あらゆる要素一つ一つに疑問、納得、仮説構築を勝手に始めて、ずっと考えている。

商品を見ながら、「これ原価いくらだろう。多分このくらいだな。」と思わずにはいられない。
こう書くと「物事を複雑にして面倒くさそうなやつだな」とも思うが、これが楽しいのだから仕方ない。

何をしていても、見る物事の多くが学びになるという状態は、日常を楽しむ上でとても大事なことだと考えている。

新しい価値観に触れることで常にリフレッシュできるし、前向きでいられる。これは精神衛生上も大切だ。

飲食店に加え、MYTONEを始めたことで、僕の世界は格段に広がった。
これら自社事業のおかげで、日常をもっと楽しめる様になった。

色々なことを並行すること、新しいことを始めることは、短期的な事業効率は良くないかもしれない。

だけど、毎日に学びが増え、世界が広がり、更に生き生きと過ごせるようになった事実に向き合えば、効率よりも大事にして良い価値観だと思っている。

今後も、自分自身やりたいことが出来たら、常にチャレンジし自分の世界を広げ続けたい。
同時に、一緒に働くメンバーがやりたいことの実現を後押ししていきたいと思う。

それが長期的に、皆が健やかに事業を続けていく秘訣になるはずだ。

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