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「売り込む」前に「買い方を教えてあげる」と勝手にセールスパーソンから先生に格上げされるって話

こちらの記事の続きです。

マンション販売の仕事に就き、入社後1年半の間、毎日1時間立たされて怒られ続けていたウォリおが、なぜ売れるようになったのか?その秘密は商談時の「優先順位づけ」にありました。

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人は何かを買う時「良いものだから買う!いくらでもいいから買う!」という判断をほとんどしません。そうではなくて「あの物件の立地は良かったけど、価格が高いよな」「あの物件の間取りは好みじゃないけど、この価格ならありかも」など、様々な条件を比較検討して検討します。特に高額な買い物だと慎重になりますし、検討項目が多いものだと混乱します。ですので、親身に共感し、欲・問題の解決をお手伝いするスタンスでいれば信用・信頼してもらえます。混乱しがちな希望条件を整理し、検討項目の優先順位をつけてあげると、セールスパーソンではなく先生として教えを乞われるようになってきます。

寄り添って共感し、適切な質問を投げかけていけば信用・信頼が得られる

最初のステップは「共感し、適切な質問を投げかける」です。

「鈴木さん」という方が新築マンションのモデルルームを見学にきて、商談を行っているという想定で、実際の商談事例をご覧ください。

ウォリお
「物件、ご覧になっていかがでしたか?」

鈴木さん
「すごく良かったです!」

ウォリお
「そうですか!では今から契約書を持ってきますので、印鑑準備しておいてください!」

鈴木さん
「いやいやいやいや、急ですね・・・」

ウォリお
「はい、変な冗談言ってすみません。高額ですし、いきなり購入ってわけにはいかないですよね。何か迷ってることなどおありでしたか?」

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鈴木さん
「今、他の物件を検討していて・・・」

ウォリお
「ああ、あのA社の物件ですね!いいですよね!広くて設備も最新。しかも安い!あの物件なら、お子さんものびのび遊べますね!」

鈴木さん
「そうなんですよ。候補のひとつです」

ウォリお
「夢が広がりますね!そのA社の物件、残りもわずかなようですから、少し購入を急いだほうがいいのかもしれませんね」

鈴木さん
「けど、ちょっとA社の物件で気になるところがあって」

ウォリお
「え?そうなんですか?差し支えなかったらうかがってもいいですか?」

鈴木さん
「実はウチの子すごく元気で、家でずっと飛び跳ねてるんです。今のアパート、下の階から苦情が来てて、住宅を探し始めました」

ウォリお
「そうだったんですね!お子さんが元気なのはなりよりですね。けれども、ご近所さんとは仲良く過ごしたいですよね。よくわかります。もしかして、他に何か気がかりなことはありますか?」

鈴木さん
「全国転勤の可能性があります。子どもが小さいうちなら家族で一緒に行きたいので、売ったり貸したらできるものが良いのか?とか考えてます」

ウォリお
「そうですか!私の父も転勤族だったので、私も2回転校しています。私はずっと社宅住まいでした。広くて新しい住宅購入できたらいいですね。他に何か気がかりなことはありますか?」

鈴木さん
「他には・・・」

こんな具合です。

自社物件のアピールをせずとも、寄り添って共感し、適切な質問を投げかけていけば、お客様は自らの希望や懸念点を教えてくれます。

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売り込む前に買い方を教えてあげる

次は「購入方法を教えてあげる」ステップです。売り手は自社商品のことをいつも考え、触れています。しかしお客様は、購入検討している商品・サービスのことをいつも考えているわけではありません。商品が高額になるほど、購入頻度は少なくなるでしょう。実需の住宅なら多くても一生に2回、自家用車なら3年に1回ていどです。ですので、お客様は購入することに慎重になります。だから、最初に知りたいのは、「いい商品・サービスの情報」ではなく「失敗しない買い物の方法」なのです。

こんなふうに話を進めてました。

ウォリお
「一般的に、マンション購入を検討されている方は、『いい物件をお値打ちに買いたい」と考えてらっしゃいます。鈴木さんもそうお考えですか?」

鈴木さん
「はい、その通りです」

ウォリお
「そうですよね。では、『いい物件をお値打ちに買える方法』については、押さえておきたいですかね?」

鈴木さん
「そうですね、そんなのがあるなら教えて欲しいです」

ウォリお
「わかりました!まず『いい物件』とは、広くて・交通の便が良くて・買い物がしやすくて・静かな環境で・治安が良くて・学校が落ち着いていて・見栄えが良くて・設備が良くて・耐震性に優れていて・手放す際に高値で売れる。と、まあそんな条件を希望されます。鈴木さんはいかがですか?」

鈴木さん
「その通りです。けど、そんなに高条件だったら、価格がすごく高いと思います」

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ウォリお
「その通りです。マンション会社は、これらの条件を鑑みて、周辺の物件価格と照らし合わせて、販売価格を決めます。ですので『いい新築物件をお値打ちに買う』ということ自体が、そもそも現実的ではない考え方かもしれません」

鈴木さん
「言われてみればそんな気がしてきました」

ウォリお
「中古物件なら、オーナーさんが『急な転勤が決まって急いで売りたい』というケースはあるかもしれません。注文住宅購入の土地も『相続で急いで現金化したい』というケースも考えられます。けれどそれらはいつ出てくるかわかりません。パッと出た時に瞬時に物件の良し悪しを見極めて、サッと購入の判断が求められます。なぜなら、そういったお値打ち物件を、専門に狙っている業者も多数いるからです。急いで買ったけど、後で『こんなはずじゃなかった』という苦い思いをする危険性もあります。海千山千の業者を出し抜いて、優良物件をゲットできる自信はありますか?」

鈴木さん
「・・・ないですね」

ウォリお
「たいていの方はそうおっしゃいます。目利きの自信もないし、物件が出てくるタイミングもわからないし、そもそも出てくるかどうかわかりませんしね。鈴木さんは、いつまでに住宅を購入したいといった期日などはお考えでしたか?」

鈴木さん
「今、上の子どもが3歳なので、小学校に上がる前、3年以内に買いたいですね」

ウォリお
「だとしたら、少しずつ猶予がありますね。お値打ち物件が出てきたらすぐ購入できる準備と勉強をしつつ、同時に新築物件の検討もされてはいかがですか?」

鈴木さん
「私にはそれが一番良さそうです。そうします、ありがとうございます」

ウォリお
「よかったです!それでは、新築物件・中古物件・建売・注文住宅購入に共通する、『よい物件の選び方』からお話しましょうか?お時間、まだ大丈夫でしょうか?」

鈴木さん
「時間は大丈夫です、ぜひよろしくお願いいたします」

こんな具合に「買い方を教えてあげる」ことで、セールスパーソンではなく先生として見てもらえるようになります。

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小宇佐拓宏(ウォリお)
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