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オルタナティブ・スクールを構想する際の3つの問い


オルタナティブ・スクール構想における3つの問い

オルタナティブ・スクールをつくりたい、もしくは自分たちに合った既存の学校を選びたいと思った時に、どんな視点を持っておくと良いのでしょうか。個人的には「なぜそのスクールが存在するのか?(Why)」、「誰がそのスクールをつくるのか?(Who)」、「何をどう学ぶのか(What/How)」の3つが大切になってくるのではないかと思っています。

別な記事として「我が家で考えた学校選びの3つの原則」ということを書きましたが、それは(恐らく)多くの方が共通して望むことであり、一種の前提のように捉えていただきたいと思います。上記の3つの問い(視点)は、理念が色濃く表れる部分であり、多様な中から子どもや保護者の方が自分にフィットすることを選択的に選んでいけると良いのではないかと思っています。

①なぜそのスクールが存在するのか?(Why)

一つ目は、そもそもそのオルタナティブ・スクール(学校)はなぜ社会に存在するのかという存在目的(=パーパス)にあたる問いとなります。

例えば、長野県にあるイエナプラン教育をベースにした大日向小学校・中学校のウェブサイトには、建学の精神として「誰もが、豊かに、 そして幸せに生きることのできる 世界をつくる。」という記載があります。

この問いには、学校の創立者の考え方や、学校がつくられた起源が関係することも多いと思います。また、この問いへの答えが、これから紹介する他の2つの問いへの考え方にも大きく影響を与えうると思います。

②誰がそのスクールをつくるのか?(Who)

二つ目の問いは、誰が学校をつくるのかに関わります。例えば、学校運営に関する意思決定プロセスはどうなっているでしょうか。また、学びを誰がどうデザインしているでしょうか。

もう少し言えば、この問いには、スクールを静的な機械のように捉えるのか、より動的な生き物のように見るのかも関わってくるかもしれません。前者の場合、学校として抱える理想を一貫して強く持ち、それを安定して、継続的に提供し続けることが可能となるかもしれません。もちろん、その考え方の限界もあるでしょう。後者の場合、スクールに関与する子どもも保護者も教員・スタッフも動的に変化し続ける中にいるが故の大変さも可能性もあると思います。

この問いについては、0/100で割り切れるものではなくグラデーションで考えたり、長い時間軸でみたときの特定のフェーズによっても変わりうるのかもしれません。

③何をどう学ぶのか(What/How)

3つ目の問いは、カリキュラムや学び方がどうなっているかです。

またこの問いの対象は、直接的な授業だけに限定されない可能性もあります。学校によっては、授業だけを学びの機会と捉えず、スクールにおける暮らし/生活全般を重視していることもあります。その意味では、スクールでの食事や農的営み、友人関係で起こったことなども含めて考えてみると良いかもしれません。

3つの問いを考える際のヒント

ご紹介した3つの問いはいかがでしたか?自分たちに合う既存の学校を見つけたいという方はもちろん、新たに学びの場をつくりたいと考える際にも有益なのではないかと思います。一人で考えることはもちろん、色々な人とこの問いを対話してみることもおすすめです。最後に、この問いを考える際のヒントをご紹介したいと思います。

(1)抽象-具体を行き来して考えてみる

スクールの存在意義などは、抽象度が比較的高いものになると思います。そして、基本的には多くの方にとって魅力的だったり、素敵と感じるものになると思います。であるが故に、時に起こるのが具体になった時の考え方の違いです。是非、抽象的なことについては、具体的に言えば〇〇というように抽象度を行き来しながら考え、話してみることをおすすめします。

(2)文脈を扱ってみる

ある事柄を大切だと考える場合、なぜそれが大切だと考えるのかという背景や文脈をしっかり扱えると良いと思います。それは個人的な体験に紐づくストーリーかもしれませんし、時代や社会などマクロな環境に関することかもしれません。

今回は、オルタナティブ・スクールを構想する際の3つの問いについてご紹介しました。私がイギリスで通っていた「シューマッハ・カレッジ」という面白い学校があるのですが、どこかで、この3つの問い(視点)に照らして紹介もしてみたいと思っています。

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