やりたいことを足していくのではなく、まずはやりたくないことを引いていくこと
やりたいことを足そうとすると、すでにやりたいことがいっぱいで溢れているのに、さらにそれをやろうとすると、他のことができなくなったり、どれも中途半端になったりして、ストレスになってしまうことがあります。きっとそんなことを感じたことがある人はいっぱいいるのではないでしょうか。
それでも突き進んでいける人はいいのですが、そこで止まってしまったらとても勿体無いですし、せっかくやりたいことのはずなのに、それができなくなってしまうということはとても悲しいことです。
いつのまにか何かがどんどんできるようになることが素晴らしいこと、えらいこと、そんな風に思うようになりました。でも、本当にそうでしょうか? もちろん、日常生活で自立していくためのこと、そういうことはどんどんできるようになることが自立へ向けた訓練にもなるのでしょうが、やれ資格を取りなさいだとか、やれ流行りだからそれを学びなさいだとか、それって本当に役に立つの? と思うような身勝手な助言が多いことに驚きます。
(しかも、本人はそれをやっていないのに!)
僕は大学へ行っておかないといい企業に入れないから、とずっと親に言われてきましたが、いまはどうなっているでしょうか。たしかに、トップレベルの大学に入れば、それなりの企業に入ることはできるかもしれませんが、それが以外の人はどうでしょう。いい大学とは結局、本当に一部の大学だけで、一握りの人しか入れないのだとしたら、多くの人はいい大学にいけずに、いい企業に入れないという構図になっている。それ自体がすでにおかしいと思うのですが、人は漠然といい大学に入れば、いい企業に入れると思わせられているのです。
(いったいいい大学、いい企業とは何なのでしょうか?)
その幻想ももう終わろうとしていると思いますが、それでもいまだにそういう考えをもった人たちがたくさんいるのではと思います。本当にメディアが変わらない限りは、何十年前と同じことを延々と繰り返しているような気がします。
そもそも、できないことはできないですし、できないことを無理にやろうとすると不具合が生まれます。動物は自分にできないことをわざわざしようとはしません。人間はある程度器用だし、自分を騙すことができるので、周りに言われたから、何かを足すことが将来の役に立つと思って足し続けることができるのです。
でも、人間も結局は、自分は自分一人しかいませんし、両手があって、両足があって、頭は一個しかついていません。人にできることなんて限られているのです。たしかに、この人はいろいろなことができてすごいな、と思う人もいますが、そこを目指す必要はないですし、そんなすごいと思う人でも当然できることは限られているのです。
それよりも、どんどんとやりたくないこと、苦手なこと、できないことを引いていくこと。世界にはすでに70億人以上の人がいて、成り立っています。自分一人で、できることなんて小さいですし、小さくていいのです。そうすれば、他の人たちを生かすことができるのですから。他の人たちの仕事を奪ってまで、無理にできなことや苦手なことをする必要はないのです。
それはそれが得意な人たちに任せること、譲ること、そうすると相手にも喜んでもらえるのです。
自分一人で仕事を抱えてしまったってなにもいいことなんかないのです。周りの人たちの機会を奪うだけになっているかもしれないのです。
(自分はよかれと思っても、何かを奪うということは恨まれることにつながるので要注意です)
だから、どんどんやりたくないことを引いていくこと。満員電車に乗りたくなければ、それを止めること。遅くまで仕事したくなければ止めること。営業が苦手であればそれを止めること。数字の管理が苦手であれば、それを止めること。書いているだけでも、スッキリしてくると思うのは僕だけでしょうか笑。
きっとあなたにもたくさんやめたいことがあるでしょう。もういっぱいっぱいで重たくなってしまっていて、手放したいことがいっぱいあるでしょう。それを想像して、引いていくだけで、心も体も楽になることがわかると思います。
実際にそれができればどれだけ身軽になれるでしょうか。好きなことややりたいことに集中できるでしょうか。もちろん、まったくやりたくないことをやらずに生きるというのは難しいと思いますが、それを少しでも減らす生き方ができれば、もっと身軽にもっと心地よく生きられるのではないかと思うのです。
ついつい癖で足してしまおうと考える人は、ぜひ引くことを意識してみてほしいのです。それは仕事や生活だけではなく、健康のこともそう。体にいいものを足すのではなく、体に悪いものをまずは引くこと。そこからはじめていくのがいいのではと思うのです。
(引くことはお金もかからないのでおすすめです!笑)
僕も自分の仕事や暮らし、生活、健康いろんな面で引くことをこれからも続けていきたいと思います。そうすれば、残ったものが自然と自分のやりたいこと、したい暮らし、健康的な生活につながっていくと思います。そういう方法、そういう生き方もあっていいのではないかと思うのです。
A world where everyone can live with peace of mind🌟