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TAKU LABO

「どう生きるのか?」よりも、知りたいのは「生きるとはどういうことか?」だ。 「自分(わたし)らしさ?」よりも、知りたいのは「自分(わたし)とは何か?」「なぜ自分(わたし)は存在し…
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2024年1月の記事一覧

光を観てしまった人たち 『観光―日本霊地巡礼」(中沢新一、細野晴臣)

『観光―日本霊地巡礼」(中沢新一、細野晴臣) 中沢新一先生が初期の頃に書いた本が「観光」と言うタイトルだったので、どのような本かと思えば、非常にマニアックで、でも中沢先生の原点というか、本性というかそういうのがわかる本ではないだろうか。 観光というのは、一般的なイメージでは物見遊山的なものを考える人が多いだろうが、この本は違った意味で光を観てしまっているのではないかと思う。 初版は1985年に書かれた本なので、だいぶ昔に書かれた本なのであるが、今読んでもどこか新しさという

世界はどうして予言されうるのか 『予言された世界』(落合信彦、落合陽一)

 『予言された世界』(落合信彦、落合陽一) 要約『予言された世界』の著者、落合信彦と陽一の親子の視点から未来を探るこの本は、ただの家族談義に留まらず、現代社会の情報の取り扱いや日本の行く末に深い洞察を投げかけます。信彦の国際ジャーナリストとしての経験と陽一の研究者としての視点が、情報の真実性とその影響力を掘り下げます。一次情報の重要性や、個人の責任感について考えさせられる内容は、読者に現実を直視する勇気を与え、日本、そして世界の未来への深い理解へと導きます。この本は、ただの

生成AIが「はじめにことばありき」と発する日

生成AIの勉強をしているとこの言葉が浮かんでくる。「はじめにことばありき」聖書に中に出てくる言葉として有名な言葉である。

映画『さまよえ記憶』(脚本・監督・プロデューサー:野口 雄大) 幸せな記憶というものがあっても、記憶の幸せというものはない。

映画『さまよえ記憶』(脚本・監督・プロデューサー:野口 雄大) 予告編を見た時に、主人公の結末はきっとそうなるだろうな、というのが伺えた。でも、この映画は結末を知ることが目的ではない。もちろん、エンターテイメントとしての要素としては、結末は大切かもしれないが、本当に大切なのは監督が、映画というものを通して伝えたかったことなのかもしれない。 なぜ人には記憶というものがあるのだろうか。僕なんかはいつも悪い記憶に苛まれる。別に自分が呼び起こしたいわけではないのに、悪い記憶ばかり

縄文というOSプログラミングするには?

『新版 縄文聖地巡礼』坂本龍一、中沢新一 僕たちが住む日本には、縄文というものが身近にある。日本中どこへ行ってもその痕跡を見つけることができるのではないだろうか。でも、遠い昔の出来事で、そんなことは現代に何の関係があるのだろうか? と思うかもしれない。 僕も以前はどっぷりと現代の資本主義、近代の思想に飲み込まれていて、極端に言えば、過去=古いもの、今のものよりも劣るもの、くらいに考えていた時期もあった。どうしてそういう思考になってしまったのか? と考えると、現代の消費主義

肉とは何か?

ケト・サピエンスは牧草牛の夢を見るか? 僕たちはスーパーに売られているものを「肉」と言っている。色々な産地はあるし、牛だって、豚だって、鶏だって、見たことはあるだろう。でも、それが実際に肉になるところを見たことがある人は少ない。 さて、僕たちが食べている「肉」というものは一体何なのだろうか? この映画の中で印象に残った言葉で「もう別の肉のようだ」という言葉があった。別の肉のようだ、ということはどうこうことか。僕たちが食べている(牛)肉と一体何が違うのだろうか。 僕たち