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子育てしてるとすぐ「こいつ子どもいねぇからな」って思ってしまう病

ありませんかね、こんなこと。

例えば
「昔はサラリーマンやってたけど、そんな自分が嫌になって、なんやかんやしてフリーランスとして独立。いまは沖縄に住んでまったりしてます。まだ東京で消耗してるの?」とか、
「月収の7割をひたすら積立投資するだけ。これでいつかFIREできます。なんでやらないの?」とか。

そんな記事を見て子育て世帯は今日も思うわけです。
「わかったわかった、そりゃ子どもいなけりゃな」と。

ごめんなさい、盛りました。超盛りました。今どきこんな露骨に煽る人いないもんね。

でもね、例えば「今の時代は副業。副業で好きなことして稼ごう!」レベルの話ですら、なんかたまに来るのよ。

「チクっと」まではいかないけど、こう、「ヌワっ」と来るわけよ、「ヌワっ」と。

楽しそうに人生を語る人は結構な確率で子どもがいなかったりして、(いや本当はそんなこと無くて、僕らがただ「子どもの有無」を気にしてるから気付きやすいだけなんだけど、)僕らはすぐ「子どもいなけりゃできるけどさぁ」って思う。

そしてその度に「なんて我儘なんだ私は」と思ってちょっと落ち込む。だって自分で望んだのにね。子どもからいっぱい幸せもらってるのにね、都合いい部分だけ棚上げしやがって。

どんだけ贅沢やねん。もはや落ち込むことすら我儘。自己中。負の連鎖。子どもいるのに「負」とか言うなボケ。困った。どうしよう。

くれぐれも後悔なんてしてなくて、ましてや子どもを重荷だなんて思ったことは1nmも無くて、子どもがいたほうが5000兆倍幸せなことは明らかなんだけども、でも世の中に散らばる「人生のTips」に対して「今はちょっとできないなぁ」と思うことも多い。

特に最近は「自由に生きていこうぜ圧」があって尚更モヤるよね。かといって「子の有無」に関してあれこれ言うのもノンデリカシーな感じ。だからそっと「まぁそれが子育てだもんね」と今日も幸せを噛み締めながらオムツを変える。そんな感じ。

ちなみにあれよ、辛いとかは全然思ってなくて、子どもがいて既に幸福度120点のハイパー幸せ人生を125点にするための、ホントに我儘な話よ。

でも可愛いのでオッケーです


まえがきはこれくらいにして、本題に入りましょう。このnoteで書きたいのは「かぁーっ!あいつら子どもいなくていいなァ〜!」とかいう負け犬思考のしょーもない愚痴ではなく、「こう考えたらちょっと楽かもな〜」みたいな処方箋を提供する、そんなnoteを目指しております。

ここに2つの処方箋がございます。いずれも非常に単純な内容となっております。効き目はわかりません。


処方箋①

1つ目は
「要は『自分にはないステータス(もっと言うとお金)』の話でしょ?そんなん子どもの有無に限らず全部同じやんけ。子どもだけ特別視すなボケが!」です。
※この「ボケ」は自分に向けて言ってます。

「あいつら子どもいなくていいなァ〜!」をもう少し上位概念化すると、要は「あいつら自分に持ってないもの持ってていいなァ〜」です。めっちゃ単純。はい、ただの嫉妬です。実家の太さとか、顔面の良さとか、そのへんと大体一緒。

子どもがいる人は子どもに対して金銭的/時間的リソースを割く必要があるわけだから、相対的に言えば「子どもいない人は金銭的/時間的リソースを有している(ように見える)」わけです。

つまり「あいつら子どもいなくていいなァ〜!」は言い換えれば「あいつら金あっていいなァ〜」とかなり近い。地方への移住可否だって金の話で言い換えられます。だって10億円持ってたら子どもいても移住できるでしょ。あなたが移住できないのは子どもがいるからではありません。お金がないからです。

※実際は転校問題もあるけど、全部お金のせいにしたほうが楽だから一旦そうしておく。ごめんお金。

そうかそうかなるほど、「あいつら子どもいなくていいなァ〜!」って気持ちは言い換えれば「あいつら金あっていいなァ〜」と同義なんだ。

とすると、どうでしょう。突然「えっ、バカじゃんおれ…」って思えてきたよね。子どもを言い訳にしてたけど、要は金に嫉妬してるだけじゃん、なんて我儘なんだと。

あれ?処方前とあんまり変わってない?いやいや変わってますとも。最初は「子どもの有無」で我儘言ってたけど、結局お金の話じゃないかと。ここまで来たら安心、これが秘訣なのです。

対策は簡単、というか対策すら不要ではありませんか。だって僕らは「お金持ちに対する感情コントロール」はとても得意だから。

テレビに出てる大御所芸人をみていちいち「チッ、こいつら全員金持ちか…許せねぇ…」って思いますか?思わんよね。

散歩中に高級車を見て「ベンツのエンブレム…へし折ったろか…!!!(ざわっ・・・)」って思いますか?思わんよね。

いちいちこんな感情持ってたら精神がぶっ壊れるから、ある程度の正常な精神を持っている人間は金持ちに対する感情コントロールが非常に得意なわけです。

テレビで金持ち見たって「いいなァ〜」とか言いながらご飯食ってるでしょ。むしろ「年収1億円あったらなにしようかな〜」とか考えちゃったりする。

ということで、もしあなたが「子どもいなければ色々できるのになぁ」と一瞬思ってしまった時、「いま自分は『金ほしい』って思ってるだけだな」と思い変えましょう。すると一気に楽になるはず。

特に「良い意味で感情から子どもが消え去る」のがとても良い。子どもが感情に絡むことで罪悪感、自己中感が現れるけど、「金ほしぃ〜」って感情なら自分の話なのでとても対処しやすい。

いやもちろん「金ねぇわ」っていう根本的な課題は解決してないですよ。でも多少楽になるかも、的な処方箋でございます。


処方箋②

処方箋その2でございます。簡単に言うと
「そんなこと言うたら全人類発言禁止やぞ?子どもだけ特別視すんなボケが!」です。
※この「ボケ」は自分に向けて言ってます。

順を追って説明しましょう。
「あいつら子どもいなくていいなァ〜!」≒「あいつら金あっていいなァ〜」であることは先述の通りだが、「あいつら子どもいなくていいなァ〜!」に隠されたもう一つの嫉妬は「子ども居ねぇくせにドヤ顔すんな!」だ。

いま自分で書いてても「ひっでぇ言い分だな」と思うけども、まぁたぶん合ってるのでこのまま進める。

この嫉妬がなかなか厄介。そして性根が腐ってやがる。いやでも結構わかる。「やれやれ、なんで君たちは努力しないんだい?本当に時間を有効活用しているのかい??」みたいな言い方するからねあいつら(だから盛るな)

そりゃ子育てで疲弊して精神削られてる人が見たら「子どもいねぇくせに調子乗りやがって…!!」みたいに思う気持ちもわかる。

でもね、それを言ってしまったら全人類発言禁止なんだよね。

だって「足が不自由な人」からしたら、「今日の散歩気持ちよかった♡」っていう投稿は「調子乗りやがって」の対象だからね。
「嵐のチケット取れなかった人」からしたら、「今日のライブ楽しみ!」って投稿も「調子乗りやがって」の対象だからね。

「調子乗りやがっての無い世界」って、「自分と全く同じ国籍、性別、育ち方、家族構成、価値観を持つ人間しか発言を許されない世界」だからね。

そりゃもう無理よ。発信側が受信側を考えて発言するのは大事だけど、受信しうる全人類をケアするのは不可能よ。子どもいない発信者が、子どもいて大変そうにしてる人をケアする義務はゼロに近いでしょうよ。(明らかに子育て世代を敵にする発言等はもちろん除く)

もっと言うと、子どもがいない発信者も実は病気を患っていたり、幼いときにいじめられていたかもしれないわけです。あなたが持ってない悩みを、発信者側は持っているわけです、大抵の場合。

でもそれはあなた側からしたら分からない。それなのにあなたは自分から見えるステータスだけ引っ張り出して「子どもいねぇくせに調子乗りやがって…!!」と思うのですか?? 調子に乗るなボケがぁぁあああああ!!!!
※ボケは私に対して言ってます

結局この症状の原因は「受け手の精神が未熟なだけ」に尽きるわけです。甘えるな。
看護師「待って下さい先生、患者様を前にしてその発言はいけません。正論で殴るのは禁止です。」
ぼく「え、そうなの?処方箋?なんだっけそれ」


そしてこのnoteもまた幸運にも子宝に恵まれた僕が好き勝手発信しているわけで、子どもができず悩んでいる誰かを無慈悲に傷つけ、「子どもいるくせに調子乗りやがって」と思わせているのかもしれないのです。ごめん調子乗って。

でもさ、じつはさ、私は小学生の時に両親が目の前で怒鳴り合いながら離婚してるんだよね。関係者間で殺すだの何だの言ってた記憶もあります。とても良い環境とは思えません。そんな環境で育ってきました。育ってきた環境が違うんです。ちなみにセロリは嫌いです。

で?だから?突然の不幸自慢ですか、やめて下さい気持ち悪い。ちょっと不幸自慢をすれば「受け手の精神が未熟なだけ。甘えんなボケが」という正論を発信する権利を得られるわけですか? じゃあなんスか、世界で一番不幸な人が最も発言力あるってことっスか。いよいよ病院行ったほうがいいと思います。

やっぱり「人間みんな違うんだから、発信側は最低限の配慮をしつつ好きに発信して、受け手は発信側の背景も汲み取りつつ、いい感じに咀嚼しましょうよ」と思うわけなんです。

発信する、受信するとはそういうことなのです。世界とはそういうものなのです。あれ、なんの話だっけ。そうだ、おすすめしたい本の話でした。


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良書です。「なんでコイツこんなこと言うんだろ」ってのが分かります。ドヤ顔達観者になれます。

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