【第13話】妻への白状
世のパパさんたちなら、成功したり失敗したりして、誰もが一度は挑戦したことがあるだろうあのコト、それはへそくり。
ヘンに無駄遣いするためだけではなく、これまで先輩方に面倒見て頂いた分を後輩たちに同じようにしてあげたり、急な出費などにもへそくりは大活躍でした。
何より、男には、どうしても格好を付けなきゃいけない日があるのです。
結婚する時、「カードも通帳もすべて預けるから、おれは完全お小遣い制にしてくれ」と頼み込んで、毎月、使い切ってよいお小遣いだけをもらっています。貯金もローンも保険もすべて妻に任せっきりで、僕は笑顔で押印担当なのです。
ヘソクリなんか使わないで、ちょいと早めに帰ってきて、子どもたちを膝に乗せておしゃべりする時間。あれが、どれだけ有り難い時間だったのかに気が付いた僕は、ドキドキしながら妻に白状しました。
「ママごめん、ちょっとここに座って」
「なによ、改まって」
「実は、おれには隠し口座があるんだ」
「あら、そうなの?」
「うん、ママに内緒にしてたお金が☆円くらいはある」
「必要だからヘソクリしてたんでしょ?」
「でも、もういいんだ。使ってくれ」
「今回のことでそれを使うことはないから、そのカードはパパがちゃんと持ってなさい」
「え?使っていいよーホント!」
「いや、ホントに大丈夫!使わないの」
「え………?」
(とゆことは、バレただけーーー😂)
まぁ、どうせいつかはバレるものだし、それを自首できただけでオッケーとするか笑。
このキャッシュカード、実は、銀行に就職した教え子が課せられたノルマでつくったカード。「ヘソクリ用だから家には送るなよ」とあれだけ念を押したのに、家に送ってきて、あやうくその時点でバレそうだったやつなのです笑。
こうなったら、お小遣いがなくなる度に、ヘソクリでケーキでも買って帰ろうか。
おい共犯。おまえとのカード、守ったぞ。
2303.11.11
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