天皇杯第2次R アルバルクの変革をチラ見する。
Bリーグ開幕まで1週間、開幕直前になりました。26-27シーズンから「TOYOA ARENA TOKYO」をSR渋谷と共用するニュースが飛び込んで来ました。バスケの聖地はお台場になるのか。昔の巨人、日ハムのダブルフランチャイズ(昭和?)みたいで楽しそうです!
その直前9/22、23天皇杯第2次ラウンドを現地には行かずに(現地組の皆さん声はしっかり届いてました!)YouTubeで観戦していました。
そこで天皇杯を配信で観る限りの今シーズンのアルバルクの変貌ぶりを期待を込めて記したいと思います。
天皇杯第2次ラウンドの茨城、秋田戦雑感
9/22(日)、23(月)天皇杯第2次ラウンド秋田会場(大館市タクミアリーナ)の結果、茨城、秋田を敗りアルバルクは天皇杯第3次ラウンド進出が決まりました。
茨城戦では長谷川暢選手とフランクス選手の速さと3Pに掻き回されて第2Q、第3Q苦しみましたが
第3Q残りの2分間で10点差ビハインドを1ポゼッション(3点)差までカムバックして第4Q残り1分49秒に1点をリードして、相手のファウルゲームに持ち込んで78-74で勝利しました。
アドHCのもと2年間熟成されたチームの強さを発揮して最後に勝ちを拾うアルバルクらしいゲームでした。でも観ている方はハラハラしました。
秋田戦では秋田のプレッシャーディフェンスに対してアルバルクは21回ものターンオーバーを犯しながらも秋田のオフェンスを50点に抑える堅い守備で76-50のスコアで天皇杯第2次ラウンドを見事に突破です。
確かに秋田に多くのターンオーバーやオフェンスリバウンド(14本)を与えてしまいましたが、これを得点に結びつけないようセカンドチャンス、ターンオーバーからの得点は抑えていました。逆にファストブレイク(FB)からの得点(FBP)を15点奪ってゲームの流れを渡しませんでした。
今シーズンもアルバルクは強いです。
さて、次はアルバルクの新シーズンに向けてこの2戦でチラ見えした昨シーズンとの戦術の違いを見ていきたいと思います。
アルバルクの速い攻め
昨シーズンのアルバルクは、失点がリーグで2番目に少なく、2Pシュートが多く3Pはあまり打ちませんでした。また、ゲームのpace(69.7)は遅いチームでした。
また、昨シーズンRSは12敗でした。
その負けたチームがどこなのか見てみると、同地区で宇都宮、千葉J、群馬に2敗、他地区では琉球(CS含むと3敗)、島根、三遠、三河、名古屋、広島です。
ざっくり傾向を言えば、3Pを多投して(宇都宮、千葉、琉球など)トランジションバスケを展開した(群馬、三遠、名古屋など)チームに苦戦しているように感じます。3Pで得点効率が高くトランジションで圧倒されると不安定なところが露見していたようです。
そういう意味では天皇杯で茨城の長谷川選手とフランクス選手の3Pに追い詰められていたところは傾向として残していますが、秋田戦で21本ものTOを許しながら得点を50点に抑えたトランジションディフェンスは昨シーズンからの成長を感じます。
オフェンス面ではファストブレイク(FB)が増えていることがプレシーズンから見て取れます。
昨シーズンアルバルクのファストブレイクポイント(FBP)は8.48点、1試合のpaceは69.7でした。つまり1試合のFBが少なくて遅いペースでした。
今回の天皇杯の2試合のFBPは茨城戦で16点、秋田戦で15点もありました。
1試合のポゼッションは茨城戦アルバルクは73.3回(茨城戦72回)です。
秋田戦ではアルバルク75.8回(秋田70回)でした。(※paceとpossは同一の数値ではないのですが、参考に提示します。)
速くなってる!
実感としても、間違いありません。
STも茨城戦8本、秋田戦7本とありました。
DR、STから走って、いけたらフィニッシュ。いけなかったらハーフコートオフェンスでしっかり得点していました。
また、天皇杯ではドラッグスクリーンからのアーリーオフェンスも見られます。
(茨城戦 第2Q 残り6:18)
左サイド高い位置でテーブスとロシターがドラッグスクリーン→ロシターにリターン→左コーナーのメインデルにスキップ。メインデル3Pメイク。(25-21)
さらにアーリーオフェンスではロシターとサイズが左回りにサークルムーブしてハンドオフ、PNRと連続してフィニッシュする新手のムーブを見せていました。
(秋田戦 第3Q 残り5:54)
テーブスが左サイドをドリブルプッシュ→ロシターにパス→ロシターとHOでテーブスがボールを持つとサイズが左旋回してテーブスとPNR。ポケットパスからサイズがドライブして得点します。
(49-26)
派生として茨城戦でこのムーブから右コーナーの安藤が上がってサイズとHOからドライブを決めています。(茨城戦 第3Q残り2:03)53-61
ハーフコートバスケもしっかり遂行
そしてもちろんアルバルクの強み、ハーフコートオフェンスの遂行力の高さは維持してさらにバージョンアップしています!
プレシーズン広島戦、長崎戦で見せていた高い位置からスタガードスクリーンを斜めに並べるPNRは秋田戦でも披露しています。(第3Q 残り9:04 43-24)
さらにアルバルクの伝家の宝刀スペインピックにも派生系が見られました。
(茨城戦 第2Q 残り50秒)
左サイドからテーブス→ロシターに入れてテーブスは右コーナーに切れます。右コーナーザックは右エルボーのサイズのスクリーンを使ってカールカットから左スロットスペインピックポジションに入ります。
左サイドでロシターと小酒部がHOでPNR。小酒部→右ウィングのサイズにパス。
ロシターがリングにダイブしてディフェンスが引っ張られるとザックがポップしてサイズからのパスを受けて3Pです。
美しく決まりました。(38-37)
3Pの精度とアテンプトを上げていきたい。
良いところもあれば伸びしろもあります。
アルバルクの課題といえば3Pシュートではないでしょうか。
昨シーズンのアルバルクの3Pは7.8(20 位)/22.9(23位)34%です。宇都宮、千葉、琉球に苦戦したのは量産される3Pによる得点効率の高さに1歩及ばないケースがあったのではないかと思います。
まずは3Pの手数を増やしてもらいたいと思うのです。4アウト3アウトのセットが多いアルバルクなので、トップの位置からの試投が少なくなるとしても1試合30本弱、琉球くらい(28.4本)試投して1試合10本くらいメイクしていくと強豪の火力を越えるのではないかと勝手に算段しています。
茨城戦では7/29本24.1%。3本は決まらなかったオープンがあったと思います。
秋田戦は9/23本39.1%でした。効率よく当たっていました。しかし、もっと打つチャンスはあったと思います。打てるタイミングでパスを回したり、ドライブしたりするケースはまだ少なくありません。
安藤選手はリーグでも安定して3Pが打てる選手の1人です。フロッピーセットで1スィングでズレができてもトップに戻してもう1スイング反対に回るシーンは少しもったいなく思います。
小酒部選手にはシューターメンタルを持ってもらって外れても外れても打ち込んで欲しいと願っています。3Pがあるからドライブが効きます。
さあ、開幕を前にワクワクが止まらなくなってきました。今シーズンはどんなアドHCのバスケを魅せてもらえるのでしょうか。代々木ラストイヤーの始まりです。今シーズンも声の限り『レッツゴートウキョー!』して行きましょう❗️