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B1第2節横浜BC-アルバルク。NEWビーコルに苦戦


アルバルクは横浜BCの粘り強さに苦しみました。


しかしながらアドHC3年目のチームケミストリーの熟練度と神様ライアン・ロシターの勝負強さでビーコルとの横浜国際プールでの第2節アウェイ戦は連勝となりました。


現役フィンランド代表HCのラッシ・トゥビオHCの熱い指揮官ぶりを国プで垣間見ると現サンロッカーズ渋谷のあの方を思い出してしましました。そして確信しました。


「いいコーチに違いないと」


果たして新スタイルのビーコルはどうだったのか。対するアルバルクが辛勝できた要因が何だったのかを検証してみます。


ゲーム雑感


第1ゲーム アルバルク 89-80 横浜BC

第1Q 29-23  第2Q 14-19
第3Q 22-16  第4Q 24-22 

横浜BCは3Pシュートの成功率に苦しみながら高確率の2Pシュートでアルバルクに押し迫りました。
横浜BC     (2P 30/50 60%)
     (3P  3/21 14.3%)
アルバルク(2P 21/42 50%)
     (3P 10/21 47.6%) 


両チーム速い展開で得点も80点台と高めのスコアリングとなりました。POSSも横浜BC77回、アルバルクは75回とアルバルクからすればアップテンポなゲームです。また、横浜BCは攻撃的にディフェンスを仕掛けます。
ボールマンにハードに当たり、ディフレクションでボールをひっかけました。
遂行力の高いアルバルクのオフェンスから10本のST、14本のTOを奪っています。


一方で横浜BCは自らのTOは9本に抑える質の高いバスケットを展開しています。しかし、横浜BCのフィジカルなディフェンスは両刃の刃でした。
21回ものファウルを誘発してアルバルクに25本(FT17/25本)のFTを献上しました。特に第3QはアルバルクのFG13点、横浜BCのFG16点に対してFTはアルバルク9点、横浜BC0点です。FTで繋いだアルバルクが前半終了時1点リードの点差を7点差に広げます。そのままゲームの流れを渡さなかったアルバルクが最終スコア89-80で勝利しました。


第2ゲーム アルバルク 79-68 横浜BC

第1Q 22-22  第2Q 16-11
第3Q 18-21  第3Q 23-14

ディフェンスの強度をさらに高めあった第2ゲームは互いにシュートがこぼれる膠着した展開になりました。
横浜BCのPOSSは73回、アルバルクは71回とペースはアルバルクからすれば平均的ですが、もう少しトランジションを意識してもよかったかとも思います。
横浜BCは粘り強く、離したと思っても追いつきます。
第1Qにはキングのブザビ3Pで同点。また、第2Qは杉浦がタフな3Pでブザービーターを決めて5点差で前半を終えました。
後半に入るとアルバルクはFGがなかなか奪えず苦しい展開。キングとハンドオフからのPNR(ピック&ロール)でコッツァーのダイブを許し、続いてキングのDRからクラークへのタッチダウンパスでFBを献上して44-44の同点に追いつかれました。その後は一進一退でしたが安藤の3Pが決まってかろうじて2点リードで最終クォーターを迎えます。
第4Qも横浜BCはディフェンスの強度を落としません。膠着状態が続き互いにシュートが入りません。しかし、


最後はロシター!ロシター!ロシター!です。


CS琉球戦で一番悔しい思いをしたであろうこの男が66-66の同点で残り2分を切ってからPNRからエンドワン。次コッツァーからSTしてTO誘発。ORからセカンドチャンスをものにして71-66。
3連続得点最後は伝家の宝刀スペインPNRでダイブしたロシターがターンしてキングをかわして得点。残り42秒、73-66。7点差。
勝利を手繰り寄せました。最終スコアは79-68。 
神様ロシターは27得点、17リバウンドのダブルダブルでした。


NEWビーコル。横浜スタイルの変換


昨シーズン3月に対戦した横浜BCは河村勇輝とカイ・ソットのツーメンとオリバーの外のシュートが印象に残っていますが、3人とも今の横浜BCにはいません。
その時はアルバルクのHO(ハンドオフ)やPNRに対してスコット、ソットらビッグマンはドロップで守り、ショートロールをつぶす戦略を立てていました。


それに引き換え今回対戦したトゥビオHC率いるビーコルのオフェンスはコッツァー、イングルスらビッグマンをトップにおいて5アウトオフェンスを組んでいます。但し、3Pをポンポン打つ日本代表とは違う、ゴール下からキングや須藤のウィングがダウンスクリーンを使ってスイングアップしてトップでHO、PNRを展開するモーションオフェンスでした。


そう! 似ている


アルバルクのHO、PNRを左右から展開するモーションオフェンスに似て見えます。だから、膠着した展開も、セットが美しく決まった瞬間もめちゃくちゃ面白かったのです。
また、横浜BCはやりたい事がわかるようで、アルバルクのスペインPNRも何度かつぶされていました。そんな時アルバルクはピック、リピックのシンプルな攻撃に変更していたりしていました。


そういう読みあいも雅です。


また、横浜BCはミスが少なくTOもアルバルクより少なかったです。
シーズン初めの今でもオフェンスの精度が高いので、中地区で再度対戦しますが、シーズン後半にはケミストリーがさらに上がるでしょうから、
やばいかも、です。

一方でディフェンスはドロップではなくボールマンプレッシャーが強く、コッツァーらビッグマンはショウに出てきます。また、厳しくディフレクションするため多くのSTを獲得しています。
但し、激しいディフェンスをする反面、ファウルが多くFTを多く与える傾向があるようです。
また、5アウトにしているせいかイングルス、コッツァーの個のペイントでの能力は非常に高いのですがORがあまり取れていませんでした。
そのあたりの隙を今回はアルバルクが突きましたが次回はまたちがったの展開になるでしょう。


成熟のケミストリーと大倉颯太のセカンドユニット

さて、今節のアルバルクの勝因を上げてみれば、まず第一にアドHC3年目でチームとしての成熟度が高いアルバルクとまだチーム構築から時間が経っていない横浜BCとではケミストリーの部分でアルバルクに一日の長があるように思いました。


たとえはペイントダイブでの合わせにはダンカースポットの位置に必ずサイズ、ロシター、グダの誰かがいてディッシュを受けています。
また、スペインピックを取ってみても、そのバリエーションは多岐にわたっていてビッグマンダイブなのか、アングルチェンジなのか、スクリーナポップなのか、ディフェンスは最後どこにパスを出すのか絞り切れません。


次にFT獲得です。アルバルクはリーグでもFT獲得する上位のチームですが今節でも第1ゲーム25本、第2ゲーム29本獲得して試投しています。
(2ゲーム平均FTRはアルバルク 0.43 横浜BC 0.23)※FTR=FTA/FGA
膠着した我慢の時間帯にFTで得点を繋いだのは大きかったと思います。



第三にはリバウンド、セカンドチャンスです。
第1ゲーム
アルバルクはTR42本、OR13本、OR% 36.1% SCP10
横浜BCはTR32本、OR 9本、OR% 23.7% SCP11 
第2ゲーム
アルバルクはTR50本、OR16本、OR% 39.0% SCP21 
横浜BCはTR37本、OR12本、OR% 26.1% SPC16
リバウンドでポゼッションを10回から13回多く奪えたアルバルクは間違いなく有利でした。


アルバルクのセカンドユニットが魅力的だった。


ところで、大倉颯太と安藤周人が出てくるセカンドユニットがテーブス、小酒部のファーストユニットと違う色合いを持つことにお気づきでしょうか?


でもそれはとても良いことではないかと私はポジティブに捉えています。


何が違うのか。


安藤がいるだけでフロッピーなどのシューターセットが作れます。
大倉がいる時間帯はクロススクリーンからダウンスクリーンを使うフレックスをよく使っているようです。それだけで一味違います。

安藤の3Pは今節も横浜BCが迫ってくる要所で打ち抜いてアルバルクに大きな助けになりました。そして彼は両日とも2桁得点をマークしています。


また大倉は開幕からプレータイムを獲得してセカンドガードの地位を確立した感があります。 
セカンドユニットが出てきて司令塔が変わる事でチェンジオブペースと共に「何かやってくれるのでは」と新たなる期待感を持たせてくれています。


そのゲームメイクで「神の目か! 颯太。」
と叫んでしまったのが第2ゲーム第2Q残り4分54秒のプレーです。

右トップから大倉がエントリー。左トップにメインデル、左エルボーにグダイティス、右エルボーにロシターです。
大倉⇒メインデル。大倉は左ローポストに移動。メインデル⇒大倉
メインデルはグダイティスのピックを使ってカールしてさらにS字に曲がってロシターのマークのクラークにバックスクリーンセット。
ロシターがゴール下に入ると、大倉から神パスが通りました。

①大倉②小酒部③メインデル④ロシター⑤グダ



さて、B1リーグ第2節も見ごたえありました!


欲を言えば、アルバルクにはもっと速い展開を見せてほしい。トランジションを意識をしているのはよくわかるんです。でも、もっとファストブレイクをだして流れを呼び込むようになったら、そして3Pをもっと打って決まれば中地区を勝ち抜いて、CSで勝てるチームに育っていくように思っているのです。
(異論はもちろん歓迎です。)



次節は吉井君の三遠です。アルバルクで成長した吉井君を強敵として迎える喜びってなかなか味わえません。


今から豊橋が楽しみです。


PS ロシター選手 
B1個人通算6000得点おめでとうございます。
B1個人通算3000DR達成おめでとうございます。


photos by ALISA

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