最新!中高でのアントレプレナーシッププログラムの事例紹介
こんにちは、タクトピア代表の長井です。1つ前の記事では「アントレプレナーシップ教育をどう実現するか」について書かせていただきました。プログラムの組み立てについての抽象的な話が多かったので、今回は具体的な実践例をご紹介します!
■記事一覧(リンクから飛べます)
0. 私がアントレプレナーシップ教育を専門にするまで
1. アントレプレナーシップ教育とは何か?
2. なぜ、アントレプレナーシップがすべての人に必要なのか?
3. どのようにアントレプレナーシップ教育を実現していくか?
4. 最新!中高でのアントレプレナーシッププログラム事例(本記事に掲載)
5. その他の新しい学びとの接続
-おさらい:中学校・高等学校でアントレプレナーシップ教育が注目されはじめているワケ
このシリーズ記事の冒頭で述べたとおり、2022年度から高校の学習指導要領が改正され、カリキュラムが「総合的な探究の時間」をはじめとして「探究」を軸としたものに変わっていきます。その探究のいち形態として「社会との接続」「実行・実践力の育成」「キャリア教育との繋がり」を重視する場合に、アントレプレナーシッププログラムが注目されることが増えてきた、と私は理解しています。アントレプレナーシップの学びの定義・特性についてはこちらの記事をご覧ください。
ここでは、タクトピアが支援しているプロジェクトのうち、3つの学校さんの事例を紹介していきたいと思います。
-事例① Grassroots Innovator Progam(通年型アントレプレナーシップ講座)@山手学院中学校・高等学校
神奈川県横浜市にある山手学院中学校・高等学校は、伝統的に国際交流に力を入れている私立校です。時乗洋昭校長の「チェンジメーカーを育成する」というビジョン、そして「アントレプレナーシップ教育は、非認知能力を実践を通して鍛える、最高の探究活動である」という力強い信念に共感し、タクトピアは通年型アントレプレナーシップ講座を提供してきました。本校は選択型の「土曜講座」を幅広く展開しており、その一部として実施をしています。
Grassroots Innovatorという名称には「小さくても身の回りに実際に変革を起こせるリーダーになる」というプログラムのゴールを反映しています。
プログラムの概要や生徒さんの成果、インタビュー記事等は以下のリーフレットやFacebook投稿のリンクよりご覧ください。
▼Grassroots Innovator Program 2021年度リーフレット
▼2020年度プログラム実施後の報告投稿(Facebookへ飛びます)
▼受講生へのインタビュー記事(各画像からリンク先に飛べます)
「好きを原動力に手を動かし続けた」
「周りに流されず、自分の意見を言える人になるために」
「この仲間で将来起業に挑戦したい」
-事例② Project: LEAP(2カ年講座&海外研修統合型プログラム)@佼成学園中学校・高等学校
佼成学園は東京都杉並区にある男子校です。2021年度に新設されたグローバルコースのコアカリキュラムとして、連続講座と海外研修を組み合わせた2年間の研修プログラム「Project:LEAP」をスタートしました。
名称に採用した英単語のLEAPには、「非連続な成長」「飛躍」「(心が)踊るような体験」といったプログラムで実現したいイメージが込められています。
新たな時代の変化を楽しみ、主体的に行動する力を身につけるために、1年〜2年にかけて行われる連続講座では、アントレプレナーシップに関する知識を学びつつ、アイデアの創造から試作品の設計、プレゼンテーションまで一連の流れを経験します。また、教室では経験できない本物に触れる原体験を獲得するため、1年次の3学期にベトナム研修へ、2年次の3学期には集大成としてボストン研修を行います。
▼Project: LEAP 2021年度リーフレット
▼プログラム開始の報告記事(Facebookに飛びます)
-事例③ アントレプレナーシップ教材の汎用化検証@武蔵野大学高等学校・未来の教室(経済産業省)
タクトピアでは、私をはじめ弊社スタッフがプログラムを運営する形態が日本の学校教育にとってサステナブルであるとは思っていません。理想形として学校の先生方がアントレプレナーシップを独力で教えられる状態を目指し、経済産業省の「未来の教室」事業では教材の汎用化の検証をおこないました。実証パートナー校として武蔵野大学高等学校にご協力をいただき、昨年度に新設されたコース「PBLインターナショナル」の先生方と協働でプログラムを実施しながら汎用的な教材(ワークシートやレクチャー動画を含む)の開発をおこないました。
当校での育成ゴールは「社会実装力をもったアントレプレナー型リーダー」とし、高校以降に進む分野に限らず主体的に社会と身の回りに価値を創出できる人物となって卒業していくことを目指しています。当校では今年度の1年生向けプログラムより、先生による教材活用型の実施が開始されます。
▼当事業の概要や成果報告については「未来の教室」ポータルをご覧ください(画像をクリックするとジャンプします)
-まとめ:学校のビジョンとの共創・協奏
今回は3つの学校さんとのプロジェクト事例をご紹介いたしました。いずれの場合も、プログラム設計・運営においてクリアした論点や大事にしていきたいことについてはこちらの記事で触れたことをベースにしていますので、よろしければご覧ください。
学びの大変革期である現在、さまざまな学校さんが素晴らしいチャレンジをしています。タクトピアとしては、アントレプレナーシップ教育に関する我々の経験値が学校さんが掲げるビジョン実現のためにどう役立てるかを常に考えています。学校と民間の壁を超えた学びの共創・協奏がさらに広がることを願いつつ事例紹介をさせていただきました。「こんなことを実現したい」「こんな事例はないか」などご質問がありましたら、いつでもタクトピアWEBページ下部のお問い合わせコーナーよりご連絡ください。
さて、このシリーズも終盤に近づいて参りました。アントレプレナーシップ教育の中身ばかりに目を向けて来ましたが、最後の回は視野をぐっと引いて「他の学びとどう接続していくのか」「学びの効果を担保するためにできることはあるのか」などについて触れていきたいと思います!