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『圕の大魔術師』考察Vol.3 -何かが起きる5年後

『圕(としょかん)の大魔術師』の考察記事第三弾です。第一弾第二弾は登場人物やその名前について考察しましたが今回は暦について。短いです。

七古抜典「アレマナカ」

圕の大魔術師の世界では、歴史上大きな役割を果たした存在として七つの書が定められており、「七古抜典」と呼ばれています。その中の一つが、ラコタ族が残した「アレマナカ」です。

その内容は新しく発明された暦であり、2つの衛星(月みたいなやつ)を元に計算された「双暦」はそれまでより格段に精度の高い長期暦となりました。

途切れた暦

さてここで着目すべきは、上記画像内の説明にある通り、この正確に計算された暦がなぜか途中で途切れているという点。作中世界ではこれが終末論の噂にもつながっています。

もう少し詳しく見ると、作成時から763年後以降が白紙のようです。そしてもう一つ。これが作成されたのは758年前ということ。つまり、暦が途切れるまであと5年です。

5年後となるとシオたちが研修を終えて各室で経験を積んでいる頃。シオは18歳ですね。

休戦から95年と5年

もう一つ、これに関係しそうな事実があります。既刊4巻までで双暦の元年がいつにあたるのかは明言されていない*ので年代を考察するのはなかなか難しいのですが、ヒントとして「パレナ議定書」による休戦から95年後であることは明言されています。

*完成年を元年とするのが普通な気がしますが、現実世界の暦を考えればそうとも限りません。

パレナ議定書とは、「ニガヨモギの使者」封印後に発生した民族同士による凄惨な争い、通称「民族大戦」の休戦を定めたものです。ニガヨモギの使者と同じく各民族を代表する大魔術師たちの尽力によって実現され、これによりアトラトナン大陸に一応の平和が訪れました。

しかし重要なのは、あくまで休戦であり終戦ではない、ということです。つまり大陸は一時の平和を享受していますが、いまだ戦時中なのです。そして、5年後がちょうどパレナ議定書から100年になります。

双暦が途切れる年がちょうど休戦から100年。偶然にしてはキリがよすぎる数字ですよね。

予想としては、議定書で定められた条項のなかに100年で期限が途切れるものがあるのではないかと考えています。例えば"他国に攻め入る事を100年間禁ずる"、とか。つまり5年後に各民族は今までより積極的に行動ができるようになり、それが新たな火種となる。そしてそれが物語のクライマックスに繋がるのではないかと。

5年後セドナは火を起こすのか、止めるのか

4巻の衝撃のラストにより、シオの憧れであるセドナが近い将来、「魔王」としてこの世界に大きなインパクトを残すことが分かっています。(シオが魔王説もありますが、個人的には順当にセドナ魔王説派)

しかしアルのライター仲間、おがさんの考察記事にもあったように、セドナが単語の意味そのまま、ラスボス的な意味での魔王になるのか、それとも結果的に(真実とは裏腹に)そう呼ばれてしまうのかはまだわかりません。

いづれにせよ、双暦を残したラコタ族の子孫である(と考察記事第一弾で予想した)セドナが何か行動を起こす、または世界で起きてしまった何かに巻き込まれ、シオもそれに正面から向き合う。どんな形にせよ、セドナが魔王と呼ばれるようになる大きな出来事、それが起こる(もしくは決着する)のが5年後、というのが今回の考察でした。

マガジンが充実してきました!

本作を布教しようと個人的に始めた「『図書館の大魔術師』をもっと楽しむマガジン」、通称「タコマガ」(なぜだ・・・)ですが、アルのライター仲間であるあごたふさんおがさんもり氏さんの参加によりだいぶ充実してきてます。超ありがたい!それぞれ切り口が全然違うのがめちゃくちゃ面白い!!のでぜひこちらでそれぞれの記事もチェックしてくださいね。

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