旅するタコ

マンガサービス「アル」にてライターをがんばってます。チェコの真ん中ら辺に生息。 アルで書いた記事一覧 → https://alu.jp/writer/5BIiaFcXKLhaOW9hjrtmQJCmAnb2

旅するタコ

マンガサービス「アル」にてライターをがんばってます。チェコの真ん中ら辺に生息。 アルで書いた記事一覧 → https://alu.jp/writer/5BIiaFcXKLhaOW9hjrtmQJCmAnb2

マガジン

  • 『図書館の大魔術師』をもっと楽しむマガジン

    今じわじわと人気が上がってきているビブリオファンタジー『図書館の大魔術師』(圕の大魔術師)by 泉光先生 をさらに楽しむためのマガジン。考察記事や豆知識など。

最近の記事

  • 固定された記事

事象と心象の交差点で、一本の糸にすがる

読む。観る。経験する。何かを感じる。表現したいと思う。 よし、文章を書く。いや書こうとする。 考える、考える、考える。出てこない、出てこない、出てこない、言葉。 そうだ、まずは納得できなくても書き切ることが重要らしい。とりあえずそれっぽい言葉で埋めよう。 ………「とても心が動かされました。」 ………「涙が止まりません。」 あああああ…!!違う違う違う…!!!!書きたかったのはこんなのじゃない。これで心が動かされる人なんていない。なにより、自分が。 幾度となく苦し

    • 「推しが好きだと叫びたい『スラムダンク』推しタッグトーナメント」を考察する。…考察って何だ?編

      みなさん、推しが好きだと叫んでいますか? 推しは推せるときに推せ。よく聞く言葉ですが、好きな作品や好きなクリエイターさんへその想いを声高に伝えるのってなぜか恥ずかしいですよね。でもそんなファンの声が作品の続いていく力になったり、クリエイターのモチベーションになったりします。推すのは………推すのは今なんだよ!! ただこのnoteはそんな啓蒙をしたいわけではなくて、とあるラジオで行われた企画について考察していきます。それが「祝映画化記念!推しが好きだと叫びたい『スラムダンク』

      • 真実vs妄信ではなく美学vs美学『チ。』が描く美しさへの憧憬

        『ひゃくえむ。』の魚豊先生が地動説に魅せられた人々を描く『チ。―地球の運動について―』。連載開始当初から大きな話題となり、2021年最も勢いのある作品の一つです。 『チ。』は地で血で知で智。「。」を球と見なせば「チ球」になるし、タイトルデザインからは「。」が月のようにも、地球が動いているようにも見える。印象的かつ奥深さを感じられる秀逸なタイトルだなあと思います。 ところでこの作品、地動説という真実にたどり着いた人々が、旧態依然とした愚かな社会から弾圧されながらも正義を貫い

        • 3Lのハリネズミを飲み干したら、チェコでサムライになった

          どーんっ! 突然目の前にどデカいタワーが置かれた。顔を上げないと上端が見えないほどの円柱が、店内のライトに照らされ黄金色に輝いている。・・・ナニコレ?こんな化け物みたいなドリンク注文した覚えはないんですが。 「へーい、ジャパニーズボーイ!これを飲み切ったらお前もチェコ人だぜ!!」 数日前に顔を合わせたばかりの同僚たちがこっちを向きながらサムアップしてる。いや、満面の笑顔でイイねしてる場合じゃないんだよ。 あれ、もしかしてここは大学の飲み会だったかな。一瞬記憶が混濁しそ

        • 固定された記事

        事象と心象の交差点で、一本の糸にすがる

        • 「推しが好きだと叫びたい『スラムダンク』推しタッグトーナメント」を考察する。…考察って何だ?編

        • 真実vs妄信ではなく美学vs美学『チ。』が描く美しさへの憧憬

        • 3Lのハリネズミを飲み干したら、チェコでサムライになった

        マガジン

        • 『図書館の大魔術師』をもっと楽しむマガジン
          20本

        記事

          散り行く命が繋がる『鬼滅の刃』と、死と出会い生を見つける『銀河の死なない子供たちへ』

          空前の社会現象となった『鬼滅の刃』ですが、ついに最終23巻が発売され完結しましたね。 最終巻、本当に、本当に、最高でした。この作品を世に生み出していただいたこと。心を燃やして描き切っていただいたこと。その時代に運よく居合わせられたこと。吾峠呼世晴先生には心の底から感謝しかありません。 本作の感想についてはそれこそ一億回は語り尽くされているのでわざわざここで語るまでもありませんが、それでも一つだけ、どうしても書き残したいことがありこのnoteを書いています。 それは私が『

          散り行く命が繋がる『鬼滅の刃』と、死と出会い生を見つける『銀河の死なない子供たちへ』

          いつでもどこでも、已己巳己(いこみき)、コンビニ

          最後に日本へ帰ったのはいつだったろうか。 16時には日が沈むチェコの長い冬が訪れると、日本での生活をぼんやり思い出す。記憶が脳内を巡るなかで、頻繁に登場する場所がある。 ※ 愛知のド田舎で、部活帰りにたむろして頬張った肉まん。 東京のド真ん中、フラフラと研究室から抜けだして補給した深夜2時のエナジードリンク。 駅と彼女のアパートの間で調達するお決まりのハイボールとチー鱈。 そして、旅立ちの日に寄った上野のコンビニ。 ※ 地域も、時間も、状況も。全部違って、いつ

          いつでもどこでも、已己巳己(いこみき)、コンビニ

          【公私混同】アルで公開されたマンガ記事を大量にまとめてみた

          「アル」というマンガサービスでライターをしている旅するタコと申します。 このnoteでは、過去にアルで公開された記事の中から、単一作品のレビュー記事以外のものをピックアップ&(ざっくり)ジャンル分けして紹介します。 実はこれ、自分が記事を書く際の参考にするためにメモしていたものです。 アルでは毎日たくさんの記事が公開されていて、レビュー記事は各作品ページに紐づけられているので見失うことはないのですが、そうでないものはどんどん流れて行っちゃうんですよね。ということで見返す

          【公私混同】アルで公開されたマンガ記事を大量にまとめてみた

          『圕の大魔術師』考察Vol.5 -ウイラの正体

          『圕(としょかん)の大魔術師』考察記事第五弾です。今回はシオのかわいい相棒「ウイラ」の正体と、それに関連して「砂漠の魔術師」について考察します。 第一弾から第四弾までの考察記事はコチラのマガジンからご確認ください。 いつも通り既読前提、ネタバレ配慮無しでいきますのでよろしくお願いします。ネタバレ無しのあらすじはコチラから↓↓ 希少でカワイイ小動物ウイラとはシオが司書試験に向かう道中で立ち寄った街、「エスプレオ」で助けることになった小動物です。長い耳をもち二つの尾を持った

          『圕の大魔術師』考察Vol.5 -ウイラの正体

          主人公が主人公になるまで - 『圕の大魔術師』一巻が描く壮大なプロローグ

          ほぼ全てのマンガには、主人公がいます。当たり前ですね。 しかし彼らは一体いつどのタイミングで"主人公"になったのか、考えたことはありますか。作者がそれを決めた時だろう、という声が聞こえてきそうですが、うんまさにその通り。 ですが、主人公が主人公になる瞬間や過程をこれでもかというくらい丁寧に描いているマンガがあります。それが、『圕(図書館)の大魔術師』という作品。 現在「good!アフタヌーン」で連載中の作品で、単行本は既刊4巻。公式ページのあらすじはこちら。 孤独だっ

          主人公が主人公になるまで - 『圕の大魔術師』一巻が描く壮大なプロローグ

          『圕の大魔術師』考察Vol.4 -8つ目のマナとニガヨモギの使者

          『圕(としょかん)の大魔術師』考察記事第四弾です。今回は作中世界で未だ解明されていない8つ目のマナと、さらに「ニガヨモギの使者」の関係まで。今までの考察記事(第一弾、第二弾、第三弾)は基本的に事実ベースで考察してきたのですが、今回は飛躍と妄想全開で行きます。 ↓↓ネタバレ無しのあらすじはコチラから↓↓ ※今回ほんの少しだけ本誌のネタバレを含むので単行本派の方はご注意ください。 七古抜典「ネザファパレハの円盤」 圕の大魔術師の世界では、歴史上大きな役割を果たした存在として

          『圕の大魔術師』考察Vol.4 -8つ目のマナとニガヨモギの使者

          『圕の大魔術師』考察Vol.3 -何かが起きる5年後

          『圕(としょかん)の大魔術師』の考察記事第三弾です。第一弾、第二弾は登場人物やその名前について考察しましたが今回は暦について。短いです。 七古抜典「アレマナカ」圕の大魔術師の世界では、歴史上大きな役割を果たした存在として七つの書が定められており、「七古抜典」と呼ばれています。その中の一つが、ラコタ族が残した「アレマナカ」です。 その内容は新しく発明された暦であり、2つの衛星(月みたいなやつ)を元に計算された「双暦」はそれまでより格段に精度の高い長期暦となりました。 途切

          『圕の大魔術師』考察Vol.3 -何かが起きる5年後

          『圕の大魔術師』考察Vol.2 -二代目大魔術師候補は誰か

          『圕(としょかん)の大魔術師』の考察記事第二弾です。今回は作中で言及されている英雄「圕の大魔術師」の二代目候補について考察。相変わらずネタバレ全開で行きます。前回は結構なボリュームになりましたが今回は短め。 圕の大魔術師とは?まず作品のタイトルにもなっている「圕の大魔術師」ですが、これはかつて世界を救った七人の大魔術師の一人、コマコ・カウリケの敬称です。 一冊の書をきっかけに悲惨な民族大虐殺が生まれた悲劇を受け、彼女はどの民族政府からも自立して書物を管轄する組織を成立させ

          『圕の大魔術師』考察Vol.2 -二代目大魔術師候補は誰か

          『圕の大魔術師』考察Vol.1 - 名前には意味がある

          『圕の大魔術師』という最高のマンガがあります。もうほんとに最高なんですが…このnoteでは本作の考察記事を書きます。ちなみに圕は「としょかん」。 既刊4巻ですが、思いっきりネタバレしていくので未読の方は注意してください。逆に単行本をベースにしているので既に連載誌では答えがでているネタもあるかもしれません。 また、作品を読んでる前提で書いていくので細かい説明はしません。マンガサービス「アル」でネタバレ無しのレビューも書いているので未読の方はよろしければどうぞ。 では早速行

          『圕の大魔術師』考察Vol.1 - 名前には意味がある

          僕の五大元素は愛を叫び始めた

          「5」ってなんだか特別な数字だな、なんて考えてます。 感覚器官は五感だし、 五大栄養素は必須だし、 オリンピックは五大陸だし、 NARUTOは五影になったし、 銀河鉄道999と言えばゴダイゴだし、(R.I.P. to 浅野さん) エクゾディアはめったに5枚揃いません。(遊戯王ネタ) 先日、僕もライターをさせてもらってるマンガサービス「アル」とnoteのコラボ企画がありました。ここでもやっぱりキーワードは5。 『#私を構成する5つのマンガ』 --------------

          僕の五大元素は愛を叫び始めた

          【マンガ】両極端のようで隣同士の2人

          こんなことありますよね。立場は違うけど言ってることやってること本質的に同じでは?と思うこと。 おそらく昔からあったんですが、今は毎秒同時進行でエア弁論日本大会、世界大会が開催されているので昔とは発生頻度が桁違いになってます。 特にオチは無いんですが、個人的には、「社会としての正しさ」というのは後から振り返ってみてあれが正解だったかもな、くらいのものでしか存在しないと思っています。 もちろんそれが正しさを追い求めることを止める理由にはなりませんが、正義中毒になっていな

          【マンガ】両極端のようで隣同士の2人

          戦闘力の高い記事ばっかりで気後れしてたけど開き直った凡人が語るマンガと人生の話

          「5」ってなんだか特別な数字ですよね。 感覚器官は五感だし、 五大栄養素は生きてくのに必須だし、 オリンピックは五大陸だし、 五影はNARUTOだし、 銀河鉄道999と言えばゴダイゴだし、(R.I.P. to 浅野さん) エクゾディアはめったに5枚揃いません。(遊戯王ネタ) なのでマンガサービス「アル」とnoteのコラボ企画、『#私を構成する5つのマンガ』で選ぶ作品が5つになったのもきっと必然です。 そして「構成要素」と言えば、ファンタジーではお馴染み五大元素。作品によ

          戦闘力の高い記事ばっかりで気後れしてたけど開き直った凡人が語るマンガと人生の話