分散と集中 - 卵を一つのカゴに入れない -
よく投資の世界では「分散しなさい」と言われることがあります。
分散とは何でしょうか?今回は分散投資について書きたいと思います。
分散投資とは
分散投資はよく卵とカゴで例えられます。
10個の卵を1つのカゴにまとめて入れておくと、そのカゴを落としてしまったときにすべての卵が割れてしまいます。そうではなく10つのカゴに1つずつ卵を入れておけば、1つのカゴを落としてしまっても割れてしまう卵は1つだけであり9つの卵は残ります。
投資でも同じことが言えます
例えばとある企業1社の株だけを買っていた場合、その会社が倒産したりするとすべての資産を失います。一方で企業10社に分けて株を買っておけば、例え1社が倒産しても損失は1割で済みます。
なぜ分散投資をするのか?
改めてなぜ分散投資がよいのか考えてみます。
リスクの軽減:
特定の投資先で大きな損失が出た場合でも他の投資先の収益で損失をカバーできる可能性がある
経済状況や企業の業績など様々な要因によって投資先の価値は変動するため、複数の投資先に分散することで、一つの要因による影響を最小限に抑えることが可能
安定したリターン:
値動きが異なる複数の資産に投資することで全体としての収益の安定化が期待できる
例えば、株式は成長期待による高いリターンが期待できますが、一方で価格変動が大きいというリスクも伴います。債券は安定した利息収入が得られますが、成長性は低い傾向にあります。これらを組み合わせて投資することで、リスクを抑えながら安定したリターンを目指すことができます。
でも集中のほうが儲かるよね?
ただし、分散するとあまり儲からない場合が多いです。
例えば100万円で企業1社の株だけ買っていた場合、その株価が10倍になれば100万円×10倍=1千万円となり、初期投資の100万円を除けば900万円の儲けとなります。一方で100万円を10万円ずつ企業10社の株に分けて購入した場合、1社の株価が10倍になっても10万円×10倍=100万円であり、投資した10万円をのぞけば90万円しか儲けになりません。
結局、分散と集中のどちらが良いのか?
考え方は色々あると思いますが、あなたが何を重視するかで判断してください。
分散のメリット
リスクの軽減
安定したリターンが期待
分散のデメリット
リターンが低い可能性
運用が複雑になる可能性
もしあなたが株価10倍になる企業を見つける能力があれば集中投資、それが難しいならば分散投資をしたほうが良さそうです。
分散投資の方法
では具体的にどのように分散するのが良いのでしょうか。
いくつか思いつく分散投資を上げてみると
資産の分散
株式、債券、不動産、金など、異なる種類の資産に投資地域の分散
日本だけでなく、海外の株式や債券にも投資業種の分散
異なる業種の企業の株式に投資銘柄の分散
同一業種内でも、複数の企業の株式に投資時間の分散
一度にまとまった資金を投資するのではなく、定期的に少しずつ投資
最後の時間の分散ついては別の記事で書きたいと思います。
分散投資の注意点
分散投資をするときにいくつか考慮すべき点があります。
長期的な視点で投資する:
分散投資の効果を実感するためには、長期的な視点で投資を続けることが重要です。もしデイトレードのような短期売買をする場合は集中投資をしたほうがよさそうです。定期的な見直し:
定期的にポートフォリオ(あなたが持っている全ての資産の組み合わせ)を見直して調整することが大切です。例えば株と債券を100万円ずつ保有していた場合に株価が上がって株の価値が200万円になったとします。その場合は株50万円を債券50万円に替えて、株と債券をそれぞれ150万円にします。これをリバランスと言います。
まとめ
分散投資はリスクを軽減し安定した資産形成を目指す上で非常に有効な投資手法です。しかし万能ではありません。ご自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、例えば株式を多めに保有するなど自分に合った分散投資の方法を模索してくことが大切です。