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同じロケットを開発しているけれど

読者感想⭐
イーロン・マスク上
好奇心を天職に変える空想教室

先に読んだのは

イーロン・マスク上(ウォルター・アイザックソン著)


でした。

イーロン・マスクはテスラやスペースXのCEOで、とてつもない行動力の人。どんな人なのか深掘りしてみたくて手に取りました。

結論:はい。その通りすごい人です。
ブルドーザーみたいに目標に向かって障害物をなぎ倒しながら進んでいく。その代償に他人の気持ちには無頓着。小さい頃からSFが好きで、宇宙に興味があった。環境の悪化でいつか人類は地球に住めなくなる日が来る。その前に宇宙で生活する術を確立しなければならない。そのための第一歩だ!


・・・ごもっともなんです。本の内容もつまらないわけじゃないんです。でも下巻を続けて読む気にはなれませんでした。なんかもうお腹いっぱいだし、たとえ億万長者でもマスクの妻にはなれそうにないし、友達も難しそう。

そのしばらくあとに読んだのが、


好奇心を天職に変える空想教室(植松努著)


です。
この方も小さい頃から宇宙に関心があって、北海道の田舎の方(本人談)の小さな会社から、実際にロケットを開発して宇宙に飛ばしました。
この本を読んでいるときに以前読んだ前述のイーロン・マスクの自伝を思い出したのですが、同じ宇宙を目指した人物なのに中味が全然違う。

植松さんは、人類のために、という大それた目的ではなく、「どうせ無理だ」と言われ自信をなくした人たちのためにロケットを飛ばしているんです。

他人から、どうせお前には無理だ、と言われると自分に自信をなくし萎縮します。そして自分より弱い立場(小さな子どもが多い)の人に同じ事を言ってしまいます。
その連鎖をなくすためには、我慢をさせたり、一方的に否定する代わりに「だったらこうしてみれば?」という代替案を示す必要があります。自分に自信が持てれば、自分より弱い者を虐めたり蔑むことはなくなります。
そうして今よりももっと生きやすくなる。

良い世の中にするためのロケットであって、植松さんはいつか人類が宇宙に住むためにロケットを飛ばしているわけではない。
イーロン・マスクとロケットを飛ばす目的が違うんだ、と読了して私はこう感じました。

そして、素晴らしいものが手に入るのは、お金があるからではなく、素晴らしいものを作ってくれる人がいるから。
物を作ってくれる人がいなければ、たくさんのお金を持っていても全く意味がない。

当たり前のことに気づかされました。
そしてイーロン・マスクの自伝よりも、この本の方が心に刺さりました。

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